はじめてのぼうけん
本編 余話
ロイとパパは相も変わらず。
「ねぇパパ、ちょっと日本行ってくる」
「…………ほう。どうやって?」
「…………えっと。どうやって行くの?」
「まぁ、飛行機だな」
「分かった」
「分かってないだろう。大学は?旅費は?」
「大学は休む。旅費はお願いします」
「聞くと思うか?」
「思わないけどお願い。一生のお願い」
「お前の人生何回あるんだよ」
「え、1回。当たり前じゃん」
「じゃあ使い過ぎだな。むしろ超過分返せ」
「可愛い娘のワガママじゃん聞けよ」
「大学生がガキみたいなこと言ってんじゃねぇ、大人だろ」
「えー」
「第一なんで日本に。行ったところで……」
「だって勝手なこと言い逃げしやがって。文句言わないと気が済まねぇ」
「……そうか」
「分かった?旅費出してくれる?」
「俺も行く」
「はぁ?なんで。邪魔」
「子供一人で外国なんて行かせられるか」
「大学生大人って言ったのパパじゃん。バカなの?」
「やっぱ行かせるのやめるか」
「ごめんパパかっこいいやめるのやめて」
「……はぁ。向こうの都合確認して、それから俺も都合つける。サマーブレイクで行くから、勝手に予定入れるなよ?」
「えー、夏まで待つの?」
「いやか?」
「ううんパパ愛してるだから考え直したりしないでね」
飛行機。
地球のあっちからあっちへ。
あっという間。すげぇ。
「パパ、見て、海!海!でっか!」
「……大人しくしろ」
「ねぇパパ、これ何?」
「お前の服。着ろ」
「いやムリ、こんなん着たことないし」
「いやじゃねえよ。普段着で行く気かよ」
「うん」
「うんじゃねえっての。イヤならフォーマルにするか?」
「ムリ」
「じゃあ着ろ。あちらはお前と会えるの楽しみにしてるんだ、いい子のロイと会えるってな」
「……うっ」
「がっかりさせたいのか?」
「……ううん」
「もうすぐ彩パパがロビーまで迎えに来てくれる。待たせることになるぞ?」
「うー、だってこんなヒラヒラ」
「諦めろ」
「やーだー」
「着せられたいか?」
「マジやだパパHENTAI〜!」
「ならさっさと支度済ませろ。先にロビー行ってるからな」
「あー……うー……はい」
あぁもう、だからヒラヒラはイヤだって言ったのに。
諦め見上げれば快晴。
歓迎、してくれたんだよね?
「来ちゃった。許してくれるよね、親友?」
彩パパに案内してもらって、彩ママとちっちゃな妹ちゃんにお出迎えしてもらって。
家に着いたらばぁばさんとハグして、ファンキーな遺影のじぃじさんにご挨拶して。
いっぱい、話をした。
思い出話。
はぁ。
すっきりした、……やっと。




