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シキ サイSS こぼれ話  作者: 奏似


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3/3

はじめてのぼうけん

本編 余話

ロイとパパは相も変わらず。

「ねぇパパ、ちょっと日本行ってくる」

「…………ほう。どうやって?」

「…………えっと。どうやって行くの?」

「まぁ、飛行機だな」

「分かった」

「分かってないだろう。大学は?旅費は?」

「大学は休む。旅費はお願いします」

「聞くと思うか?」

「思わないけどお願い。一生のお願い」

「お前の人生何回あるんだよ」

「え、1回。当たり前じゃん」

「じゃあ使い過ぎだな。むしろ超過分返せ」

「可愛い娘のワガママじゃん聞けよ」

「大学生がガキみたいなこと言ってんじゃねぇ、大人だろ」

「えー」

「第一なんで日本に。行ったところで……」

「だって勝手なこと言い逃げしやがって。文句言わないと気が済まねぇ」

「……そうか」

「分かった?旅費出してくれる?」

「俺も行く」

「はぁ?なんで。邪魔」

「子供一人で外国なんて行かせられるか」

「大学生大人って言ったのパパじゃん。バカなの?」

「やっぱ行かせるのやめるか」

「ごめんパパかっこいいやめるのやめて」

「……はぁ。向こうの都合確認して、それから俺も都合つける。サマーブレイクで行くから、勝手に予定入れるなよ?」

「えー、夏まで待つの?」

「いやか?」

「ううんパパ愛してるだから考え直したりしないでね」



飛行機。

地球のあっちからあっちへ。

あっという間。すげぇ。

「パパ、見て、海!海!でっか!」

「……大人しくしろ」


「ねぇパパ、これ何?」

「お前の服。着ろ」

「いやムリ、こんなん着たことないし」

「いやじゃねえよ。普段着で行く気かよ」

「うん」

「うんじゃねえっての。イヤならフォーマルにするか?」

「ムリ」

「じゃあ着ろ。あちらはお前と会えるの楽しみにしてるんだ、いい子のロイと会えるってな」

「……うっ」

「がっかりさせたいのか?」

「……ううん」

「もうすぐ彩パパがロビーまで迎えに来てくれる。待たせることになるぞ?」

「うー、だってこんなヒラヒラ」

「諦めろ」

「やーだー」

「着せられたいか?」

「マジやだパパHENTAI〜!」

「ならさっさと支度済ませろ。先にロビー行ってるからな」

「あー……うー……はい」



あぁもう、だからヒラヒラはイヤだって言ったのに。

諦め見上げれば快晴。

歓迎、してくれたんだよね?

「来ちゃった。許してくれるよね、親友?」



彩パパに案内してもらって、彩ママとちっちゃな妹ちゃんにお出迎えしてもらって。

家に着いたらばぁばさんとハグして、ファンキーな遺影のじぃじさんにご挨拶して。

いっぱい、話をした。

思い出話。

はぁ。

すっきりした、……やっと。



挿絵(By みてみん)

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