表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一度死んだ男は転生し、名門一族を追放された落ちこぼれの少年と共存する 〜俺はこいつが目覚める時まで守り抜くと決意する〜  作者: 白黒キリン
第2章 異世界の男は鎮圧する

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/129

第1話

鶴見(つるみ)君、そちらへ行きました!!」

「はい!!」


 俺は囲みを抜けて走ってきた男の前に回り込む。


 男は俺を見て一瞬顔がこわばったものの、俺が黒い木刀を構えている事からすぐに格下だと判断したようで、そのまま俺に襲いかかってくる。


「くらえ!!」


 叫ぶ男が左手を俺へ向けると掌から金属のワイヤーで編まれた網が放たれた。


 なるほど、これがこの男のおそらく器物級(マテリアル)と思われる異能力か。


 そして右手にナイフを持っているのは、網で動けなくなった俺を刺すためだな。


 俺は俺を絡めとろうとする網を十字に切り裂く。


「なっ……」

「目の前の相手から視線を外すのはダメですよ」

「ガハッ!!」


 男にとってはよほど驚きだったのか、男は俺に切り裂かれて地面に落ちる網を目で追った。


 俺は男が見せた隙を見逃さず、男の右側に回り込み木刀で男の後頭部を強めに叩き気絶させ、一応、脈や呼吸に異常がないと確認した後に支給された拘束具で男の手足を固定する。


「これで……合ってる、のかな?」


 初めて使う道具なため、何度も男の手足の固定具合を確認していたら、スッと横から手が出てきて男の拘束具を触った。


「……はい、大丈夫です。拘束位置も拘束強度も十分ですよ」

「あ、ありがとうございます。えーと、生徒会第二書記の荒幡(あらはた) (さくら)さん、でしたね?」

「そうです。今回の任務は、この男性の確保で達成となります。初めての任務遂行お疲れ様でした」

「いえ、こちらこそ付きそい助かりました」


 荒幡(あらはた) (さくら)が軽く頭を下げてきたので、俺も軽く下げて返礼をしておく。


 なぜ、俺がこんな状況にいるのかと言えば、生徒会に所属する事になった日から三日がたった今日、俺は突然授業終わりに呼び出され生徒会室に行くと大した説明もなく任務だと伝えられ、そのまま今いる現場まで連れてこられた。


 そして、俺の担当場所が決まり、もしもの時の補助として荒幡(あらはた) (さくら)が同行したというわけだ。


 まあ、荒幡(あらはた) (さくら)は俺をさりげなく何度も見ていたから監視の役目もあるはずで、おそらく、もし俺が何かしらで暴走した時のために拘束できるような能力を思っている気がする。


 良い機会だ、少し探ってみるか。


「あの、荒幡(あらはた)さん」

「何でしょうか?」

「今回の任務って、どんな内容だったんですか? 突然呼び出されて詳しい説明を聞いてないんです」

「あー……、確かに情報共有が、まだでしたね。今回の任務をわかりやすくいうと異能力者で構成された窃盗団の摘発です」

「実力者も多い学園に近いところで犯罪をする人がいるんですね……」

「犯罪者側の異能力者達は、なぜか学園を敵視している事が多く、むしろ積極的に私達と戦おうとしてきます」

「…………もしかして学園に実行部隊があるのは?」

「より凶悪で緊急性の高い案件を処理するためです」


 なるほど、こっちの世界も完全に平和な世界というわけじゃないみたいだな。

最後まで読んでいただきありがとうございます。


注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。


また「面白かった!」、「続きが気になる、読みたい!」、「今後どうなるのっ……!」と思ったら後書きの下の方にある入力欄からの感想・★★★★★評価・イチオシレビューもお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ