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第16話 初めてのクエスト

熱で昨日まで倒れてました。だから、余りうまく仕上がってないと思いますがそのへんは勘弁してください!

イッヤホォォォゥゥ!

ん、何でそんなに元気なのかって?

そうそう、聞いてくれよ。

さっき知ったんだけど俺の護衛達な、アートフェルを含めて全員俺よりレベルもランクも下なんだとよ!

王国最強十七騎士も底が知れたってもんよ、ガハハハハッ!


※念のため言っておきますが、

アーサーが常識外なだけで一般的にはアートフェル達は凄い強い事をお忘れなく。



ま、そんなわけで俺はAランク冒険者のカードを貰ったのだ。

金色だぜ、金色!

※むろん、年齢的に無理があるので金(仮)です。

それで今は依頼クエストを受け現地へ向かっている所だ。

俺はアートフェルとミランダさんと一緒に行動する事になった。

その他の人達は迷宮に潜るそうだ。




何故迷宮に入らないかって?

それはここら辺迷宮は昆虫類の魔物が多く出現するからだ。

その中には巨大なムカデみたいなものから、台所の天使ゴキブリまで

色々居るそうだ。


虫嫌いの俺にはとてもじゃないけど入る事は出来ない。

ムカデや台所の天使が出たら戦う以前に逃亡するだろう。

勝てる勝てないの問題じゃない。

生理的に無理なのだ。


因みに此処の迷宮のランクは三つ共に推奨冒険者ランク、Cランクだそうだ。

迷宮は自分のランクより強い魔物を生み出す事は出来ないため深層部のボスでも精々4~5だ。


俺は5歳の頃にアランに森の主を嗾けられてそいつをぶっ殺した事もある。

確かその巨大な狼、えっとフェンリルだっけ?

そいつはランク6だった。


立派な銀色の毛並みだったが今は俺の厚手のコートになりリュックの中に入っている。

梃子摺ったが屠る事が出来たのでたぶんここら辺の魔物には負けないと思う。

なので、護衛二人でも大丈夫という事になった。

ま、俺より弱い時点で意味があるのかどうか。




「そういえば、どんな依頼を受けたん?」



俺達は現在迷宮付近の森まで来ている。

迷宮と違って此処の魔物はさらに弱い。

ゆえに何の依頼を受けたか気になったのだ。




「もう良いですよタメ口で・・・ええっと、

確か迷宮近くの森で暴れているという謎の魔物の討伐ですね。

討伐成功報酬金貨七枚、正体を掴むだけでも報酬の一割、

それにギルドから別報酬で銀貨十枚が提供されるという中々羽振りの良い依頼ですよ。」



金貨はその純度の高さから非常に高価に扱われており滅多にお目にかかれないものだ。

それが七枚という事は単純に考えて百四十万円という事だ。



「失敗しても、金貨一枚に、銀貨十枚。宿代とその他の経費を抜いて計算すると

・・・儲けはざっと銀貨三九枚ですね。

まあ、そこそこいい仕事なんじゃないですか?

成功したらそれの七倍、金貨五枚に銀貨九枚、銅貨二枚、石貨五枚なんですし。」



俺が設けの分を計算し確認のつもりでアートフェル達に尋ねた。

しかし、二人とも俺の顔を凝視して固まっている。

どうしたんだ?



「いえ、職業ジョブに『数学者』、『先生』があったので

もしやとは思っていましたが・・・やはり算術も出来るんですね。」



「どんだけハイスペックなんですか!しかも俺より強いって酷くないですか!」



「吼えるな駄犬め!僕が強いのではない。貴様が弱いのだ!」



「王国最強十七騎士になって以来『弱い』なんて言われたのは初めてですよ・・・」




こんなやり取りをしながら俺達は森の奥深くへと進んでいった。









       ◆◆◆◆◆◆◆





俺はつい最近まで魔物だった。

この辺りの森林で湿地帯の主とまで呼ばれた魔物、火蜥蜴族リザードマンだ。

しかし、ある時俺の棲家の前に数人の冒険者が現れた。


俺はこの種族のボスとして部下を率いて迎え撃った。

今まで俺は部下と協力し合い幾度となく冒険者達を追い返してきたのだ。

ゆえに今回も簡単にいけると思ったのだ。


しかし、結果は惨敗。

俺達男手が出払っているのをいい事に奴らの別働隊が棲家を襲撃したのだ。

俺達が気づいて戻った時にはすでに遅かった。


棲家に残った仲間は皆殺しにされ、卵も持ち去られていた。

そして俺達が帰ることを予想してか、すでに罠が張ってあったのだ。

固定型殲滅用中規模魔方陣。


それに俺達が足をつけた瞬間、大爆発。

あたり一面が吹き飛んだ。

肉の焦げる匂いとまだ微かに息をする仲間の口から漏れる悲鳴や叫び。


そんな中、俺だけが生き残った。

理由は簡単だ。

俺の友であり唯一俺と同じで知能が高かった火蜥蜴族があの一瞬で俺を庇うように指示したのだ。


ゆえに俺は皆の屍の中に埋もれるようにして生きていた。

俺は叫んだ。

この世に絶望し、同時に恨んだ。


人族という名の種族を皆殺しにしてやりたいと思った。

やつらのはただ卵が欲しいがために仲間を皆殺しにしたのだ。


だから俺も奴らから全てを奪っていやる。そう心に誓った。

そんな俺が奴と出会ったのは偶然ではないのだろう。


「なぁ、そこの蜥蜴。力が欲しいのだろう?我に忠誠を誓うと言うならくれてやる。」


フードを深く被った怪しい人物だった。

その声は男とも女とも取れる曖昧な声色だった。

だが一つ確実なことは奴から溢れる禍々しいく膨大な魔力から人族ではないと言うことだけだ。

俺は奴にの提案に乗った。


そしてその日を境に俺は魔族となったのだ。

魔族になるのは簡単だった。

俺だけでも進化しようとすれば出来たらしい。


ただ成功した者に協力して貰う方が確立が高い。

俺はその方、『魔王』ロー様に忠誠を誓った。

俺は魔族と成り、知能も力も飛躍的に跳ね上がった。


そしてロー様の命で人族の村を襲っては焼き払っていった。

それはとても清清しく、俺の心を満たしていった。


そして今回下された使命は『クローク』という名の町の排除。

さて、今日も狩りの時間の始まりだ。






       ◆◆◆◆◆◆◆








俺達が森に入り既に一時間半が過ぎようとしていた。

最初こそテンションが上がっていたこの依頼クエストだが魔物とすら遭遇しないのでは俺の我慢も限界まで来ていた。



「・・・・アートフェル。それらしい魔物どころか、雑魚一匹もいないってどう言うことだよ。

てめー、なんかしたんじゃないだろうな?」



「何で真っ先に俺を疑うのか知りませんが・・・何もしていませんよ!

ですが、確かに一匹も遭遇しないのは変ですね。」



「もしかして・・・噂の魔物を恐れて巣穴から出てこないのでは?」



ミランダさんの言う通り今回の討伐目標である謎の魔物とされる、

暴れん坊が出現したせいで森にいる魔物達が姿を見せないのは納得できる。

だが、たかが一匹にそこまでの力があるのだろうか?


不思議でならない。

そんな時此方に向かってくる凄まじい気配を感じた。

これは今まで相手した魔物とは格が違う、そう思わせるような気配を放っていた。



「東方面、距離六百mより個体数一、此方に凡そ時速50kmで向かってきてる。戦闘態勢を!」



俺の声を合図に二人が剣を抜き放ち構える。

因みにミランダさん、剣の腕ならアートフェルに続く実力者らしい。

むろん、ステラ仕込みだ。



「アーサー様がいたら待ち伏せも奇襲も意味がありませんね・・・ほんと凄すぎですよ。」



ま、俺は今回の冒険者になるにあたって就いた職業は5つ。

『魔法剣士』『魔道師』『司教』『聖騎士』『盗賊』の5つだ。


まず魔法剣士だがこれに就くことによって魔法の属性や術なんかを武器に纏わせる事が出来る。

例えば炎系統の上級魔法なんかを纏わせればとんでもない破壊力を込めた剣撃を繰り出せるわけだ。

因みにこの職業は習得率冒険者内で40%。


次に『魔道師』だがこれは『魔術師』の上位職業ジョブだ。

これに就けば最大魔力量が跳ね上がり、魔法を唱える間の時間が短くなる効果付き。

そして消耗した魔力の回復が早い。

習得率は30%。


『司教』は『僧侶』の上位職業、治癒系魔法の使い手のみが就く事が出来る。

四肢の欠損、臓器の再生は出来ないがそれ以外の怪我、病気ならすぐに治せるようになる。

元々俺はステラの稽古で死なないために真っ先覚えた項目なので得意分野だった。


そのためジョブに就かなくてもある程度は楽に治療できるが

この職業を持っているだけで何処からでも欲しがられる人材になれると言われたので取っておいた。

習得率は『僧侶』の場合10%、『司教』は国に10人もいないらしい事から凡そ3%。



『聖騎士』は『剣士』『騎士』の上位職業、剣の腕が並みの者から逸脱した時のみ出るらしい。

この上には『剣豪』『剣聖』『剣神』が存在する。

因みにアランが『剣豪』でステラがあと一歩で『剣聖』らしい。

これの職業に就くと最強の剣技の一つスキル『瞬歩』が取得出来る。

一瞬にして相手の懐に入る事が出来るらしい。

取得率は10%。


『盗賊』は危機察知能力に優れ、ある程度周りを観察する者が習得出来るらしい。

効果は空間把握能力の増加、罠の即時発見、解除できるというものだ。

お陰で普段から気配や殺気に敏感だった俺だが、

この職業に就いた瞬間今みたいにさらに細かな地点まで特定出来るようになった。

習得率は60%。



「フフフッ、どんな敵だろうと葬って見せますよ。」



「アーちゃん・・・キャラが変わってる。」



そして俺は詠唱を始めた。



「ムッ、来たぞ!」



アートフェルの声に合わせ俺達は前を見て驚愕に顔を染めた。

目の前にいるのは四mは下らない巨大な火蜥蜴だった。

波打つような真っ赤な鱗、いかなる刃を持っても断ち切れぬような異様な雰囲気を放っていた。


長い手足からは岩をも両断出来るであろう鋭く長い爪。

そして撓る鞭のように自由に動く長く強靭な尻尾。

そしてその鋭い眼光が強者のそれを物語っていた。




「人族メ、貴様等ハ俺が皆殺しにシテヤル!」



その声にアートフェルは呟いた。



「何で魔族が此処にいるんだよ。それも下級魔族中最強と謳われる火蜥蜴族が・・・・」



「最悪ですね。ま、勝てなくはないでしょうけど・・・」



二人とも油断なく相手を見つめ、何時動くかを悩んでいるようだ。

額からは一筋の汗が流れ落ち両者共に緊張が高まっていく。

そんな中、空気を読まない男がいた。

そう、俺だ。



「我が”名”は『ギマエル』!偉大なる魔王ロー様に与えられし――」



「てめぇはもう退場のお時間だ!」



「アーサー様!奴らには魔法耐性があって普通の攻撃は通じな――」



俺はアートフェルの声を遮って詠唱を完成させる。



「『絶対零度アブソリュートゼロ』!」



俺は唱え終わると同時に右手を天高く突き出し、それを上空で握り閉め地面に向かって振り下ろした。

それは魔法によって高高度に存在する冷気を引き摺り下ろし地面に叩きつける事を意味する。

そして叩きつけられた冷気は周囲のありとあらゆる物を凍らせ始めた。


俺が引き摺り下ろした冷気は凡そマイナス七十度。

それを水系統の魔法と風系統の第三級魔法を複合使用する事によって温度をさらに下げ、

同時に効果範囲も此方の任意で決定した。


俺が指定した空間はギマエルと名乗る魔物を中心とした半径二十m。

さらに温度もマイナス百二十度まで引き上げることに成功した。

それはつまり生物を生命活動を停止させるのには十分と言えるほどの威力だった。


元の世界ではダウンバースト(マイクロバースト)と呼ばれる現象に俺が手を加えたのだ。

えっ?何でそんなに物知りかって?

俺は生きていくうえであまり必要とされないような雑学が結構好きだった、と言う話だ。

兎も角、『絶対零度』によっギマエルを含めた木々、草、地面、全てが動きを止めた様に停止した。

そこだけ白銀の世界に包まれたように真っ白になっていた。

詰まる所、登場して三十秒も掛からずギマエルくんはこの世から退場したと言うことだ。



「・・・・・」



「・・・・・」



「あれ、一撃で死んじゃった・・・」



何故か俺の魔法を見ても何の反応も示さない二人。

どうしたんだ?

そう思って声を掛けようとした瞬間、



『何ですかあの魔法は!?』



メッチャ怒鳴られた。

止めほしい。

俺結構心臓弱いんだ。

びっくりして停止したらどうしてくれる。



「何って・・・あえは僕とお父様で開発した新魔法ですよ。

制限さえつけなければ五km四方の森林を死滅させれる程度の魔法ですけど・・何か問題でも?」



「大有りだ!前回も凄いって思いましたけど、今回のは桁が違います!

何で魔族を一撃で葬れるんですか!」



「落ち着いて下さい、隊長。アーちゃんが規格外なのはもう知ってたじゃないですか。」



そう言いつつ、深い溜息をつくミランダさん。

俺ってそんなに規格外か?

だって俺より強い人はまだまだ沢山いるわけで、別に俺が特殊ってわけでもないだろ。



※恐らく同じ魔法を使う事の出来る人族は存在しません。



「くぅぅぅ、何でこんなに強いのに護衛が必要なんだ!もう理解出来ない・・・・」



アートフェルが蹲っている隙に俺はギマエルこと魔族の凍結した死体をリュックに詰め込んだ。



「ま、取り合えず帰りましょうか。」


後ろではなにやら叫んでいるイケメンがいるが無視した。

さて、後は報告だけだな。

俺達は早速冒険者ギルドへの帰路についたのだった。







       ◆◆◆◆◆◆◆






ギマエルの死はすぐさま主である魔王ロー下に届いた。



「ふむ、我が配下を一撃とな。面白そうではないか。どれ、退屈していた所だ。

我も合いに行くとしようか。」



黒いローブを着込みフードで顔を隠した人物はロー。

その女とも男とも取れる微妙な声色は嬉々に満ちていた。



「我を楽しませてくれると良いのだがな、クフフフッ。」



こうしてローは自らの城を離れ独断で『クローク』へと向かうのであった。



今再び、幾百年ぶりに魔王が動き出した瞬間であった。


















うまく出来た分からないので、感想もらえると嬉しいです!

質問なども答えられる範囲でしたら対応しますので、是非一度どうぞ!

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