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100万年後に幽霊になったエルフ  作者: 霊廟ねこ
3章 小さき者の大きな力
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101 放課後の活動 2

 ステラ達は腕と足を含め全身覆う鎧を装着し、頭は兜でスッポリと覆った。それら防具の表面は練習用の剣のように柔らかい。

 そして剣は先程の練習用を使う。


 ステラの最初の試合は下級生である1年生の男子が相手だ。

 勝敗の有無は腕や足、銅、頭ごとに点数が設定され、その部分を打って時間内に多く稼いだ方が勝ちとなる。


 点が入るような有効打と判定されるとその度に試合開始時の位置に戻される。相手よりわずかに遅れて有効打を決めても先に決めた方だけが加算される。


 この試合の結果だけど、ステラが余裕で勝利した。


 試合が終わると試合ごとに駄目だった部分を先生が指摘していく。


 指摘されたところで次の試合でいきなり完璧に反映するなんてことはまず出来ないので何度も意識して反復していく必要があるだろう。

 

 ステラの次の試合は同学年の女子のボニーだ。同学年という事もあり筋力の差は小さいはず。

 その試合は最初はステラは力で押していたけど技術的な差で圧倒されてしまい、倍以上の点差で負けてしまった。


(相手の子、凄い上手かったね。でも力ではステラが勝ってたよ)


 負けはしたけど、冒険者を目指すステラにとって重要なのは技術よりも力だ。

 技術は圧倒的な力があればねじ伏せられるし、そもそも剣で人を相手にする場面もそうそうないだろう。


 私としては同学年の女子よりも力が上回ってることに満足してる。

 まぁステラは負けて悔しいだろうけど。


 その後も他の生徒と試合を続けていき、全員と2試合ずつ行った結果は10戦中2勝8敗。ステラが勝てたのは1年生の男子のみでそれ以外の生徒には負けてしまった。


(同学年に勝てないのはともかく、年下に勝てないのは流石に弱すぎじゃない?)


 下級生は3人おり、ステラが勝てたのは最年少の1年生一人のみ。


(痛い事言うね。全然勝てないんだよねー、ははは……)


 ステラは1年生の時からこの同好会に所属しているらしいので流石にこれは弱すぎというもの。

 試合を見た感じ同学年のオウロンという男子以外の生徒には力では上回っていたので、稽古を怠けていたわけではないことは感じられる。


(私にはステラが隙だらけに見えたよ。先生によく注意されない?)


(分かってるよ! でも上手くできないんだよ……)


(じゃあ次の試合で私がお手本見せてあげようか? 同じ視界を共有してるんだしきっと何か掴めるはずだよ)


 圧倒的な力があれば技術を凌駕できるとはいえ、ある程度の技術は必要だろう。まだステラは若いのだからすぐ身につくはず。


(うーん、でもデシリアが体動かしたら急に強くなったと思われて怪しまれるんじゃない?)


(じゃあ1試合だけにしようか。それならマグレで説明つくし、それに最後はわざと負けるから安心して。というか怪しまれないように身体強化なしでステラと同じ条件でやるつもりだから。あと、勝てる保証自体はないよ)


 私は戦闘で剣をメインに使わなくなって800年のブランクがあるから正直言って腕に自信は無い。とはいえ祖国の中でも実力は上位だったし子供レベルの剣技なんかに負けるなんてことはないだろう。


(じゃあ次の試合はお願いしますデシリア先生)


(ふふっ、先生って言われるのも悪くないね。でも堅苦しいのは嫌だからいつも通り呼び捨てでいいよ)


 少しの休憩の後、先生が訓練用の剣を握り全員に呼び掛ける。

 どうやら試合を再開するようだ。


「よし、じゃあ次は1人ずつ先生と試合をするぞ。まずオウロンから来い」


 私が戦う相手は生徒ではなく先生になりそうだ。熟練の大人相手だと身体強化がなければ速度についていけず勝てないと思うのでステラの参考になる試合ができるか不安になって来た。


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