騎兵隊
「あれは……ドラゴンなのか?」
「嘘だろ……死んでるのか」
俺たちを囲む騎士たちの騒めきが耳に入る。
3桁はいるであろう騎兵隊がこちらに向かってきた状況を考えるに、こいつらはドラゴンの討伐隊ってとこか?
なんにせよ……
「えらく面倒くさそうなことになりそうだな……」
「だね。たしかあの紋章はエンフィリア王国の陸軍のだったかな」
「軍か……というか、リナって結構物知りなんだな」
「まぁね、元々本は好きだったし、地下にいた時は読書くらいしかすることも無かったから……」
そう言って少し暗い顔をするリナの頭を撫でる。
嫌な記憶が少しでも和らげばと思ってやってみたが……効果はあるもんなんだろうか?やっぱりただしイケメンに限るってやつなのか?
そんなことを思ってる一方でリナは、顔を赤く染め嬉しそうに微笑んでいたが、俯き加減から俺がそのことを知ることはなかった。
「一つ聞く!このドラゴンを倒したのは貴君らか?」
そんなことをやってると、最初に声をかけてきた男がこちらに問いかける。
雰囲気から察して、こいつが指揮官ってとこか。
賢いやつなら良いんだが……
「そうだ。と言ったら信じるか?」
「信じれるわけが無いだろう」
……あっ、こいつ面倒くさいパターンか?
「……と、言いたいところだが、我々は貴君らの戦闘の一部始終を見てしまっている。この状況で貴君らを信じられないのなら私は自分の目すらも信じられなくなってしまうのだよ」
前言撤回。
普通に状況は理解できるやつみたいだ。
「信じてもらえて光栄だ。で、俺たちに何の用だ?」
「街に来ていただきたい。ドラゴン討伐に際しての詳細を聞きたいのと、お礼がしたい。貴君らの英雄的な行動に似合う報酬があれば良いのだがな」
そういい厳つい顔に笑みを浮かべる指揮官の男。
こいつ…すげー良い奴じゃなかろうか。
自分の中で男の評価を数段階上げ、考える。
この状況でお礼を断る理由も無いし、街に行くのは当初の目的だった。
ならば、答えは即決だった。
「わかった。街までの案内を頼む」
「了承した。歓迎しよう、英雄殿」
そうして俺たちは騎兵隊とともに街へと進みだした。
総合火力演習行きたいなぁ