第10話「虐めに対する防衛前編」
屋上
「いよいよ九月か・・・」
麗治が唐突に言った。
「9月だと何があるんですか〜?」
こころがのんきに聞く。
「確か体育祭があったな」
「運動会って事ですか?」
「ま、そんなところだ」
「フフフ、気が上々だな」
はじめが{わくわくするなぁ!}と言った。
「にしてもそろそろ」
「依頼が来るころですわねぇ」
悠里と花鈴が紅茶を飲みつつ言う。
「バンッ!」
屋上の扉が開く。
「今回は変わった依頼よ!学園アイドル少年と内気少女で内気少女へのいじめを止めて欲しいそうよ」
「・・・・・は?」
変わった依頼だなホント。
「森山将俊、サッカー部2年、その美形と優しい性格が女子から絶大な人気を得て学園のアイドルと言われている。井藤都葉沙、芸術部2年、以上」
「なんだか高志先輩と佐奈江先輩の時と似てますね」
「ところが今回は、2人はもう付き合っているの」
「と言う事は、都葉沙さんいじめに!?」
「なるほど、その苦境から救えと」
「そうならば急ぎましょう!!困った人は助けなきゃ!」
こころがいざ出陣と言わんばかりに立ち上がる。
「ちょっとまて」
麗治が止める。
「なんです?麗治さん」
「いじめにあっている人を助けるのは簡単だ、いじめている人をやっつければいい、だがいじめを止めさせるとなると一筋縄では行かない、前回の高志と佐奈江のように全校生徒の前で告白していれば学校公認のカップルで嫌がらせも終わるかもしれないが・・・・今回いじめているのは女だよな?」
「えぇ、いじめているグループは女子よ」
「男なら諦めがつくでいいかもしれないが女はしつこい、本当に好きなら何でもやるっていうぐらいだいじめを止めさせる方法は暴力や説教ではどうにもならない、それに、2人も公認のカップルになりたいだろうし」
「ほう、ではどういたす?よき良薬はあるのか?」
「そうだな・・・とりあえず2人に会いに行こう、いじめもどうなのか知りたいしな」
「2−B、ここですわ」
都葉沙の教室に来た一行。
「で、本人はいるのか?」
教室をのぞくと、驚きの光景があった。
女子の10人ぐらいの塊の中に誰かがいる。
「あんたさー、そろそろ諦めてマサの彼女やめてよね」
「い、いやです」
「はぁ?なに?反抗?マジうざー」
「あんたさ、いい気になってんじゃないわよ!!」
「マサ君はみんなの者なんだから独り占めは最低よ!」
「まだ懲りてないようね、誰か水持ってきて」
中で座らされているのは都葉沙のようだ。
ゴミをかけられたのかホコリや紙屑が付いている。
「ひどいわね」
「あんまりですわ!!先生方は!?」
「きっと脅されて先生には助けを言っていないんだろ、くそ、ここまで酷いか」
「かわいそうですよ!早く助けなきゃ!」
「こころちゃん落ち着いて・・・あれ?はじめ君は?」
悠里がはじめの存在が無い事に気づく。
「な!?あいつどこにいるんだ?」
「ちょっといいの!?都葉沙に水かけようとしてるよ!?」
「な!?やばい!それだけは止めねえと!」
バケツを持っている女子生徒は都葉沙の前にいる。
「わかってるよね?センコーに言ったらあんたの友達もいじめの対象だから」
薄笑いを浮かべながらバケツを抱える。
「そうねぇ、言い訳は・・・「プールで泳いじゃいました」にしたら?」
「キャハハ!それチョー受ける!」
「じゃあ、いっせーのー」
「待てコラ」
はじめが怖い形相で睨む。
麗治はその後ろで固まっている。
麗治は知っている、はじめの裏を・・。
「な、なによあんた?」
「貴様らこそなにしてんだよ?」
「別に?お前は関係ないだろ」
「・・・・いい気になんなよアマ」
「なにさまよあんた?」
「貴様らには教える事すら惜しい」
「なにこいつ?おかしくない?」
やばい、元喧嘩師の性格が現れている。
麗治は中学生のころ聞いた噂を思い出した。
喧嘩上等、反対する奴はぶちのめす、オレ様主義。
喧嘩を売った奴は病院行きで警察すら恐れていた少年。
通称「喧嘩師」一匹狼でありながら傘下には東日本を制圧していた暴走族「門棲蛇阿」や関東の「関東スケバン連合」また「南湘吉良利」など超巨大暴走族軍団の総長とまで言われたはじめだったが内部分裂が問題で軍団が消滅、だがあいつは事実上「日本制圧」を成し遂げていた・・・・。
以後、あいつは自ら喧嘩師という名を捨て常人になった。
って、なに?はじめそんなにすごいの?
変な言葉使ってるのに?あれ?
混乱により動けていない麗治をよそにはじめと女子生徒の言い争いは激しくなった。
「お前関係ないからあっち行けよ!」
「オレはなぁ、弱い奴をたかって虐めるような奴は嫌いなんだよ」
「ねぇ、もしかしてこいつ、あの喧嘩師?」
「え!?喧嘩師って、日本制圧したあいつ?」
「えぇえ?そいつ逮捕されて死刑になったんじゃ?」
「何言ってるの!写真見たでしょ?だいぶ前だけど100人病院行きにさせたって」
「おい」
女子生徒がはじめの正体を知りあわてる。
「うせろ」
「た、助かりました、ありがとうございます」
「いや、礼には及ばん、人助けは当然行だ」
ニコニコして言うはじめ。
「とりあえず、いじめを防いだが・・・はじめ、お前」
「なんであろう?」
「・・・どうする?お前が喧嘩師だとばれて」
「何を言うか、我は陰陽師、記憶などあっさり消せるわ」
「・・・・・うん、そうだったな」
体育館裏
「ここなら誰にもみつからないわね」
「でもはじめさんかっこよかったですよ!「やめないか」っていじめを止めて」
(とうとう嘘記憶まで使ったか)
「今将俊君を呼んできましたわ」
「都葉沙!」
「マサ!」
「ひどいな、あの虐めようは」
「・・・やはりそうですか」
「つねに御守り通すことは出来なかろうか?」
「無理だ、将俊さんは他の女子生徒に捕まって動けない、そこを上手く利用され虐められる」
「そんな、なんて悪い奴ら、付き合っているのが分かっているくせに」
「茜さん・・・」
「・・・考えられる対処法は・・・・2人はこの学校を出て行き転校することだ」
「無理ですわ、そんな事すぐには出来ませんわよ」
「それが無理なら・・・・この作戦だ」
非常に遅い更新申し訳ございませんでした。
何とか週一更新でがんばっていきたいです。




