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推しゴト!!  作者: 朱音小夏


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42/69

episode41

まぁ、それはさておき。MVのシナリオが気になるところだ。美幸を中心として、物語は回ってくるのだろうけれど...相手役は一体誰がやるのだろうか?まさかLUMINOUSのメンバー全員と?それとも、また新たな人と?そんな疑問が頭をよぎったが、翔汰の言葉で安心した。


「美幸の事だから相手役の事気にしてるんだろ?大丈夫。社長も一番美幸が光るのは"オレ達のそば"だって言ってたからな。オレ達が相手になる事にはなる。」

「そ、そっかぁ...よかった...。知らない俳優さんとかだったらどうしようかと...。」

「そう言えば美幸君は歌番組以外あまり観ませんよね?何故です?」


晴にそう言われ、確かに観てないな、と自覚した。


「いやぁ、ただの無意識かも。バラエティー番組とかドラマとか言われてみればあんまり観ないね。あ、でもLUMINOUSが出てた時は全部チェックしてあるから安心して!」


「何に安心しろと言うのだろうか...。」その場にいた全員が同じ気持ちを抱いた。それでも言った本人は真剣な眼差しだ。突っ込まないでおいてあげよう。そう心に誓った。


「でもさ、皆と絡みがあるとなんか...、何股してるんだコイツ。って思われそうで不安...。ただでさえ人気アイドルの相手なんだから...。」

「せれは大丈夫じゃないですか?モデルの仕事で大分知名度上げたみたいですし。」


「ほら。」と見せられたのは、SNSのとある画面。なんと。"MIYUKI"がトレンド入りしていたのである。


「え?!なにこれ嘘でしょう?まだ世に出てるのは駅前の広告だけだよ?!」

「それでも知名度上げるのには十分だったって事ですよ。ほら、自信持ってください!」

「まぁ、半分はオレのお陰じゃねぇ?」

「「だまらっしゃい!」」


そうか、自分の仕事は評価されているのか...。そう思うと美幸は喜びとやる気でいっぱいになった。


「そういえば、デモ曲聴いてないけど聴かせてもらってもいい?姉さんから曲の雰囲気掴むように言われててさ。」

「確かに大事なことだな。オレのスマホでいいか?」

「ありがと、さっ君。」


美幸はそう言うと理からスマホを受け取った。そして、デモ曲のファイルを開くと、流れ始めたのは切ないバラードであった。歌詞も一緒に見せてもらったが切ない悲恋の曲であった。...これをドームツアーの最後に歌うのは一気にしんみりになってしまうのでは?と疑問を持った美幸だったが、晴が「それでいいんですよ。涙で飾るのには持ってこいでしょう?」と言ったため、他のアイドルと差をつけるためだと感じた。ただのアイドルじゃないぞ、と。


「オレ、この曲が有名になるようなMV撮ってみせるから!だから演技指導、よろしくお願いします!」


美幸の真摯な言葉に皆が胸を打たれた。


「このメンバーで、最高の曲を作り上げるぞ!!」


翔汰の言葉に皆が頷き、心を一つにしたのであった。あぁ、そういえば餃子作りの途中であった。そんな事も忘れるほどに真剣であったのだった。


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