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「私が、…番様のお話相手…?!」


私の驚いた声が部屋に響く。

いつものように厨房で皿洗いをしていると、執事さんに呼ばれた。

私がこっそり推させてもらってる方だ。

猫獣人で、眼鏡を掛けた白髪交じりの素敵なおじさま。

めっっっっちゃ紳士的なのに猫耳尻尾とか私得でしかない。

何事かと後をついていくと、彼の執務室に通された。


「貴女が来て二年になりますね。こちらの世界には慣れましたか?」


にこやかな笑顔で低音ボイスで話しかけてくる彼にほんと良い声だなぁと思いながら口を開く。


「いやぁ…どうでしょう?でも皆さん良い人達ばかりで、ほんとお世話になってます。」


「そうですか。ところで、エドワード様の番様が見つかったのはご存知で?」


あ、なんか流された気がする。

でもそんな当たり障りのない話から入るとこ好き。推せる。


「ええ、確か12歳の女の子ですよね?」


私が知ってることを話すと彼はいかにも、と頷いた。


「実は、彼女の話し相手になって欲しいのです」



そして冒頭に戻る。



「ええ…と、話し相手と言われましても…私教養とか何もないですが…?」


「教養とかは必要ありません。いえ、最低限は必要ですが貴女なら問題ないでしょう。貴女にして欲しいのは、異世界の話です」


「異世界…というと、私の元の世界ですか?」


今となっては遠い記憶になりつつあるけれど、確かに私は異世界出身だ。まだ2年しか経ってないけど。


「ええ。この世界とは全く違うのでしょう?」


「まぁ…確かに魔法とかないですしね。」


貴族制度とかもないし、こっちはいわゆるファンタジー世界だ。元の世界の機械類とかはないですね。新幹線とか。


「実は、番様がこの屋敷に来てからまだエドワード様と会話をなさらないのです」


「え…」


まって、今結構機密事項言われてない???


「なので、異世界の話なら興味を持たれるのではないかとエドワード様が公爵様とお決めになられました」


「あ、これもしかして決定事項ですか?」


拒否出来ないやつ…


「そうですね」


笑顔で肯定されました。


うーん、12歳の女の子とお話…しかも番様ということは少しでも機嫌損ねたら私やばいのでは???

竜族の番って愛が重いっていうし…


「あの、異世界人制度は適用されますか?」


そう、実はこの世界結構異世界人が多いのだ。

その異世界人のための制度がある。

なんと貴族様に逆らっても処刑だけは免れるという。究極、異世界に戻されるだけで済むやつだ。


「もちろんです。…何かやらかすつもりですか?」


執事さんから鋭い眼差しを向けられてしまった。


「いや!何もしませんよ!?一応ね、一応聞いておこうかと…!」


私が慌てて否定すると彼は力を抜いた。


「では、お願いしますね」


そしてにっこり笑顔で念押しされた。


「はい…」


そうして、私は番様のお話相手となったのだった。



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