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私は執事さんと一緒にエドワード様の執務室に足を運んだ。
執事さんに花紡ぎの話をしたら直接エドワード様にお話をしようということになったのだ。
エドワード様に会うのは私が召喚された時以来だ。
直接の上司とは違いトップに立たれると言っても過言ではない立場の人と話すのはやはり少し緊張する。
でも私を元の世界に返さずに屋敷に置いてくれる程お優しい方だ。きっと少しの粗相をした所で許してくれるだろう。
私は失敗を前提として行動することにした。
「エドワード様、エレナを連れて参りました」
「入って」
執事さんが部屋のドアをノックするとすぐに部屋の主の声が返ってきた。
「失礼します」
執事さんと私が部屋に入るとそこには机に向かって書類仕事をしている白銀の髪色をした蒼い瞳の王子様がいた。
どこからどう見てもイケメンでしかないなぁ…。
ハル様と並んだらとてもお似合いでしかない。
まぁ、ちょっと年齢差がある気がするけど数年もしたら見た目の年齢差はなくなるだろう。
竜族は長生きなので見た目年齢はほぼ変わらないのだ。
「やぁ、二度目ましてだね。エレナ、僕の番と仲良くなってくれてありがとう。今日はどうしたのかな?」
穏やかな笑顔に私はホッと息を吐いた。
これなら大丈夫じゃないかな?
執事さんと目を合わせて頷く。
「花紡ぎの祭なのですが、ハル様にお話したらハル様も私達とご一緒したいと…。下働きの者達と一緒になるのでどうしようかと思いまして」
私の話にエドワード様は少し驚いたようだ。
ハル様が祭に興味を持ったことが嬉しいのだろう。
顔が綻んだ。
「良いんじゃないかな?僕の番が楽しめるならそれが一番だよ。でも、そうだな…」
顎に手を当てて思案するエドワード様は本当に絵になる。
目の保養だなぁ…と隣にいる推しに少し申し訳ないと思いながらもそれはそれ。これはこれ。と私は思うのだった。でも一番の推しは執事さんですからね!
そんなことを考えてる間にエドワード様は思い付いたようだ。
「僕も一緒に行くよ」
その言葉に隣にいる執事さんがたじろいた。
耳がペタンとなっている。かわいい。
「ちょっと待って下さい。番様はまだエドワード様に慣れていません。ご一緒だと何が起こるか…」
ハル様とエドワード様が一緒に行動するとか絶対ハル様嫌がるに決まってる。
そうなればハル様は花紡ぎを諦めてしまうかもしれない。
それはとても可哀想だ。
執事さんが止めるのを私も応援した。
「ハル様はやっと喋れるようになったんです。ご一緒するのにはまだ時間が掛かるかと思います」
私と執事さんが制止するとエドワード様は違うと首を振った。
「それはもちろんわかってるよ。僕の番に負担を掛けようとは思ってないよ。」
そう言って指をパチンと鳴らした。
「でも、これならいいでしょう?」
そこには銀髪の髪を茶髪に、蒼い瞳を緑の瞳に変えた平々凡々な青年の姿のエドワード様がいた。
顔も声も違い、少しタレ目で優しげな風貌だ。
これが魔法らしい。一瞬過ぎて何が起こったかわからなかった。
「エドワード様、そんなことも出来たんですね…」
隣で執事さんが驚いてる。
私も驚いてるけど、私は驚いてる執事さんの方に驚いてしまった。こんな執事さんレアでは?
「この姿で「ハル様」の護衛につくよ。少しでも側で彼女の姿が見たいからね」
少し悲しげに見える笑顔でエドワード様はそう言った。
こうして、花紡ぎの祭はハル様とエドワード様(変身姿)と皆で行くことになった。
ちなみに、執事さんは上の立場の使用人なので当日も屋敷に残って仕事だそうです。
…残念。




