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束の間の休息

ランスは、私を半年ぶりにみたときの顔を覚えている。興味はないが、私の変わりように愕然していた。


「ふふふ、少し雰囲気変わりましたね!驚きました。まさか半年で、人を達観するような興味ないような雰囲気を醸し出すとは。お見事です!して、背後にいるその可愛らしいお嬢さんは誰ですか?」


「彼女ですか?聖魔の精霊です。端的に言えばコイツを懐柔させれば私の勝ちでした。ですが癪だったので、コイツに書庫の書物の読破を手伝わせました。色々読めて面白かったですよ。」


『ダーレーガコイツよ!私の名前はリズラッドって言うの!なんど言えば分かるのかしら!あたしは尊い精霊なのよ!そんなあたしを馬車グルマのように扱って!!ふんだっ!!』


突然背後で癇癪を起こしたリズラッドはそれはもう激おこだったが、私は気にしなかったがランスは興味津々だった。


「す…凄いですね!こんな大精霊を使役できたなんて!王妃以来ですよ!羨ましい限りです!」


「珍しい出来事なのだな。コイツのせいで散々な毎日だったが、こうしてペットに出来たのは僥倖だった。コイツは使いやすいからな大層な名前はあるが。」


『ペットじゃない!!ほんとあたしの名前覚えてくれないなんて!デリカシーないんじゃないのかしら?ユーリス』


「五月蝿いぞ、黙っていろ羽虫が。次はないぞ。」


「なっ…分かったわよ」


「まぁまぁ、ユーリスくんにリズラッドさんも喧嘩は良くないですよ!あくまでも参考にですが、精霊との契約を最大限に生かし個人の能力を向上させるには信頼関係が必要よ!」


「下らないアドバイスだ、多様性を考えた上でコイツは今の定位置十分だ。」


「あら、少し傲慢になったんじゃない?まぁ成果は上々だったから気にしないわ。でも精霊は偉大な存在よ!使役には気をつけること肝に命じてね。私からは以上よ。よく頑張ったわね、今日はゆっくり休みなさいね。次の試練は今から5日後よ。」


「分かった。感謝する。」


私の返事を聞いたランスはいつのまにか消えていた。

そして寸分違わずに背後にサーレムが立っていた。


「お疲れ様でした。我が主、では参りましょう。」


サーレムは抑揚のない淡々とした世辞を述べた後充てがわれている部屋へと向かったのだった。



ーーーーーーーーーー

ところ変わり、ランスがユーリスの前から空間転移を使い自分の仕事場に戻った時だった。何故か王妃が私の書斎でお茶を飲んでいるところから始まる。


すると王妃はこちらに来るよう手招きしソファに座るよう促した。


「お疲れ様です!ランス、ふふふやはり彼には何かあるようですね。更に魂を洗練してほしいですわ。」


「ありがとうございます!お褒めに預かり光栄です。しかしです私は彼に育ってほしいと思います、なんなんですかあの精霊への態度は!」


「ふふふ、貴女も精霊と契約すれば分かりますよ。その時に今の言葉が聞けることを期待してます。」


「王妃!精霊は偉大な存在なのですよそれを雑に扱うとか言語道断です!あと、ユーリスくんのあの変わりようはなんなんですか?」


王妃は少し考え込むと笑みを消し真剣な眼差しで話し始めた。


「簡単なことよ、あの部屋を出るものは誰でも、変わるわ。絶対にね、何故なら本当の自分を完全に表面に出すからよ。そう言う試練なの。そしてあの書物は、心理でありまた己自身なの。もっと言えば、人によって書庫にある書物の量が異なるのよ。それを全て開示することで試練が真に達成される。その過程で邪気この場合は精霊ね、妖精達は心理の番兵なのよ。そう、精霊らを使役すること所謂真に己を受け入れたと言うことになるのよ。分かったかしら?」


「そうなのね、その過程で精霊達はあの手この手で妨げてくるのね。それでも精霊を無下に扱うのは許されないわよ!」


「落ち着きなさい。先ほども言ったように、試練の場に出てくる精霊は己れそのものそして心理を真の姿を守るものなのよ。真理とは決して開けてはならないパンドラの箱なのよ。その箱を開ける為の場所だからそれを妨げるべく妨害行為を行ってくるのよ。あと、貴女の言っている精霊と書庫に現れ邪魔立てしてくる精霊は似て非なるものなよ。私の言っている邪気とは概念でしかない。つまり私貴女ユーリスそのものなのよ。つまり、合わせ鏡そのものよ。」


「わかりました。すみません下手な口を聞いてしまい。精霊の件は理解いたしました。彼の性格が変わったことも理解いたしました。ですがよかったのですか?彼はこれから様々試練を通過します。文字通りこの試練で自分の開かずの箱を開け自分を昇華させました。今後が心配なのです。秀ですぎた力は己れを呑み込み崩壊します。私はそれを危惧してます。」


「ふふふ、いつも貴女と会うと討論会をしてしまいますね。ですがその点は気になさらなくて大丈夫です。貴女に任せてある試練を最初に取り行ったのは、邪気を手中に収めるためだったのです。なぜと聞かれそうなので先に言いますね。彼は皮肉ながら、人族に魔毒を多量に盛られてました。解決策として、邪気を手にすることで進行を抑える効果があり、今後の試練に差し支えないよう配慮した結果です。そして邪気とのリンクがなされている以上貴女の危惧は心配ご無用ですよ。一種の安定剤みたいなものなので。大丈夫ですよ。ふふふ。」


「そうだったんですね…少し心配してたので。一応私の管轄なのでユーリスの面倒は引き継ぐまで責任を持ちます。」


「あら、あの子をお願いね。何かあったらこの水晶に魔力を流せば私に繋がるからよろしくね。」


そう言うと王妃は花吹雪を演出させ消えていった。



ーーーーーーーーーー


あてがわれた客室にて。


「五月蝿い黙れ、羽虫」


『あ・た・しにはリズラッドって言う名前があるのー覚えておきなさい!ユーリス!覚えるまで顔からどかないわよっ!」』


私はこの耳障りな羽虫をどけようとするがあらゆる方法施策しても剥がれないで困っていたすると聞き慣れた声が聞こえた。


「あら!可愛い妖精さんですね…あっごめんなさい勝手に入って来てお取り込み中だったかしら?」


「この状況を見て取り込み中以外の何があるのか?それよりこの羽虫を剥がすを手伝ってくれ。それといるんだろう、シーレムさん手伝ってくれないか剥がすのを?」


「ははは、これは参った仕方ないね手伝ってあげようかなと思ったが、彼女の真名を呼べば退くと思うよ。手伝わずともね。」


私はシーレム卿の言う通り渋々この羽虫の名前を言うのだった。


するとリズラッドは私の顔面から退き精霊の姿から10歳ぐらいの子供の姿に姿を変えて私の隣

ちょこんと座っていた。





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