表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/27

第20話 手品師見習いの抵抗

妙な迫力があるな…さすが、近衛の隊長と言ったところか…。

ギースはライネルを前にして感じる。


「フレアベット卿、王都で異変が起きた。何か存じあげないか?」

「審問官殿、当方、下位貴族とはいえ、このような時間に訪いも無く面会とは、些か礼を欠いているのではないか?」

ライネルは、気怠げにいう。

「フレアベット卿、ここで異端の術が使われたと疑いがかかっている。これは王都の秩序を乱しかねんのだ。知っている事を話せ。」

ライネルは、大きく欠伸をする。実にわざとらしい。

「寝てましてな。騒ぎで起きてみれば、皆が花だ光だと言っておる。私も何が何やら…。」

ライネルの目には何か強固なものがある。これは一筋縄ではいかない。

「では聞く、ミリア・フレアベットはどこだ。」

ほんの一瞬、目が揺れる。…当たりだな。

「適性無しと判別されましたのでな。どこぞの妾になることも、神に帰依することも拒否しましたので、本日、勘当いたしました。今頃、絶望して川に身を投げていてもおかしくないでしょうな。」

嘘…に違いないが…、なるほど、のらりくらりと時間稼ぎか。

「そうですか…。おやすみのところ申し訳なかった。これで引き揚げることにする。」


ほんの少し眉を動かしたライネルを一瞥し、ギースはフレアベット邸を立ち去る。

門を出て、周りを見回すと、貧民区に向かう方角で魔導具の光が上がる。

「捕捉したか!」

ギースは、群衆を抜けるように駆け出した。




ミリアは、家を出てすぐに自分の選択を後悔し始めていた。

これからどうするべきか。

知識では知っている。宿をとるのだ。

知らないこともある。どこに宿があるのか。

比較的治安のいい王都とはいえ、夜に1人で出歩くのは怖い。舐めつけるような目線に、思わず

身を逸らしてしまう。

少しでも治安が良さそうな商業区に向けて歩いていく。


ん…?マナが動いてる…。


そう遠くない場所にマナが収束しているのを感じる。

何か呟くような声。

ミリアの左、マナの流れが歪む。

這うように近づいてくる。

咄嗟に振り向いた。

そして変質。


足が震える、いや地面か!

爆ぜた。


??なんなの!?!魔術!え?どこ!…ッグ!


ミリアは、吹き飛んできた土砂を受けて、壁に叩きつけられる。思考が混乱する。

視界がちらつき、息も苦しい。


「…意外と簡単だったな。異端者ミリア・フレアベット。間違いないか?」


2人の男が倒れたミリアの前に立つ。


ああ、もう来たのか…。


名前を聞かれたことで、ミリアは少しだけ落ち着く。


…異端者…、そういったわね。

ふふ、手品師さんと同じ扱いなのね。


相手は2人、警戒するような足の運び。マナの流れは2人に向いているから、多分2人とも魔術師。武器は抜いてないけど、囲むように立っている。

何かを確認するように、帽子が取れた頭と、顔を確認してくる。

一方で、私は、壁に打ち付けられて、倒れてる。背中痛い、左手も痛い。脂汗が身体中に浮かんで気持ち悪い。喉もカラカラ。


でも、手品は使えるのよ?


右手は動く。いったん身体の痛みは無視する。

中指を素早く2回。


絶対優位と思っていた2人の男は、突如発生した光の奔流に目を潰された。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ