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特殊部隊BLADER-FORCE  作者: 藤沢マサト
地上防衛戦線
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第12話 ネプチューン艦防衛戦

 3月10日、オーストラリア政府軍の大型空母であるアトラスが火星政府軍の攻撃に遭い、撃沈されるという事件が発生した。

 翌日、次はシドニー基地も襲撃され、壊滅的なダメージを負うことになってしまう。

このことを受け、当国の軍では緊急会議が行われる。


「ウィルソン長官、2日連続でこのような事態が発生しておりますが、一体どうするおつもりで?」


 部下の一人は、ウィルソンに答弁を求めた。


「我が国の機動部隊を結集して、次の攻撃に備えるまでだ」

「そうですか……。でも、我々の軍の戦力だけでは限界があります……」

「ならば、海外の部隊も派遣するしか無いな」


 ウィルソンは他国の地球政府軍の部隊を派遣した上で、火星政府軍を迎え撃つことにした。



 日本政府軍のブレイダー隊に、ウィルソンからの通信が来たのはそれから数時間後のことであった。


「ブレイダー隊の諸君、オーストラリア政府軍から通信が入っているようだ。すぐにミーティングルームに来てくれ」


 すると江川が、亮たちのいる談話室に入ってきた。


「そうですか。わかりました」

「一体何だろうな?」


 ジェフは気楽そうに亮に話しかける。


「さぁな……。まぁ、ミーティングルームに行けばわかるだろうな」


 亮は、ジェフの質問に対して冷静に返した。

 そして、五人は江川と共にミーティングルームに入る。


「では、先程来た通信の映像を流すぞ」


 江川がモニターのスイッチを点けると、その画面にはオーストラリア政府軍長官・ウィルソンの顔が映る。


「日本のブレイダー隊の5人には、オーストラリア海軍基地で防衛作戦に参加して貰いたい。この作戦では我が軍の大型空母、ネプチューン艦に搭乗して海上で防衛をして貰う。作戦での動きは、君たちに任せる。頼んだぞ」


 そして、通信はここで終了した。


「なるほど……。俺たちにオーストラリア政府軍と共同戦線を張れってわけか。面白いこと考えるじゃあないの」


 ジェフはそのように話した後、ふっと笑う。


「亮、どうしてオーストラリア政府軍は私たちを呼んだの?」

「そりゃあ、あの国は軍の規模がアメリカとかよりも大きくないからだろ」

「ふーん、そういうことなんだぁ」


 玲は頭の後ろで両手を組んで椅子にもたれかかる。


「とにかく、その防衛作戦はいつやるんですか?」


 リックが江川に対しそう尋ねる。


「かなり急な話だが、君たちには明日オーストラリア海軍基地に向かってもらいたい」

「えっ、明日ですか!? ちょっと早すぎるのでは?」


 ジェフは作戦実行の早さ故に思わず目を見開いて驚いた。


「まぁ、何事も早い内に済ませるのがいいだろう……」

「しかし……、もし火星政府軍がその日に襲撃して来なかったらどうするおつもりですか……?」


 更に、鎧が江川に問いかける。


「その時は、当日の夜に一旦解散となる」

「そうですか……。了解です」


 鎧はそれを聞いて安堵した表情になる。


「では諸君、明日は任せたぞ」

「了解!」



 その日の夜、亮は自室の窓から夜景を眺めて考え事をしていた。


「明日の今頃はオーストラリアにいるのか。一体どんな人が待っているんだろう……。あと、敵も来なければいいんだがなぁ……」


 亮は様々なことを心配に思いつつ、部屋の電気を消した。

 明日はどうなっているのか、何が起こるのだろうかと思いながらも、彼は眠りについた。



 そして翌日、3月13日にブレイダー隊の5人は輸送機でオーストラリア海軍基地へと向かった。


「ついにこの時が来たか……。さっさと乗ろうぜ」

「おい、待ってくれよジェフ。そう急ぐなって……」


 ジェフが我先にと輸送機に乗り込み、それに遅れて亮たち4人も彼についていく。

 亮はこの時とても不安だったが、どうにかしてそれを作り笑いで誤魔化そうとしていた。


「亮、なんか動きがぎこちないけど……。どうしたの?」


 玲は不思議そうな表情で尋ねる。


「えっ? なぁに、大したことねぇよ。安心しな。」

「そう……、ならいいんだけど」


 彼女は安堵の表情を浮かべた。


「リックは、空母から降りて水中で戦闘をするのか?」


 ジェフはリックに対し問いかける。


「まぁ、そうだね。僕とオーストラリア海軍の人達は艦の外で行動をするだろうね」

「そうか……。まぁ、基本そうだろうな。あっ、鎧はどうするつもりなんだ? 遠距離戦だったら、ビームライフルみたいな銃火器が必要になるぞ」

「その点については大丈夫だ……。あらかじめ整備ドックにあった未使用の予備のやつを持っていったからな」


 鎧は余裕の笑みを浮かべつつそのように返した。


 それから数時間後、ブレイダー隊は他の派遣された部隊と共にオーストラリア政府軍本部に到着した。

 亮たち5人が基地内のエントランスルームに入ると、そこには特殊部隊“WOLF(ウルフ)”の隊長であるマーク・ランディーの姿もあった。


「やぁ、ブレイダー隊の皆。久しぶりだな」


 マークは微笑みながら、彼らに挨拶をした。


「あっ、マーク大佐、ここでお会い出来るとは……。久しぶりですね」


 彼と目が合った直後に、亮がそう返した。


「今回は宜しく頼むぞ。気を抜かずに頑張っていこう」

「はい……」


 亮は、かなり固い表情で返事をした。


「まぁまぁ、そんな固くなるなって。リラックスしな」

「わかりました」

「そろそろネプチューン艦に搭乗する時間だ。出来るだけ早く準備しておけよ」

「了解!」


 こうして彼らはネプチューン艦に搭乗し、火星軍の襲撃に備えることとなる。



 各部隊がネプチューン艦に搭乗後、当艦は海軍基地を離れ、オーストラリア東部沖へと向かっていった。

 しかし、その時はもう既に上空では火星軍の水中戦部隊のヴァール隊と、空戦部隊であるライアー隊が上空の輸送艦の中で待ち構えていたのだ。


「ターゲットが来ませんねぇ」

「そろそろ見えてくるんじゃねぇか?」


 ヴァール隊・隊長のベイルは攻撃のチャンスを窺っていたが、そうしている内にネプチューン艦の姿が見えて来た。

 それを見たベイルは、即座に部下やライアー隊の兵士と共に攻撃態勢に入った。

 


 敵部隊が接近して来るのを察知した艦のクルー達は、各部隊に出撃要請を出す。

“大変です! 火星軍の機動部隊が当艦に接近しています! 直ちに出撃お願いします”


「おっ、とうとう来やがったな……」


 ジェフは緊迫した表情でそう言うと、即座に出撃準備に入った。


「ジェフ、待ってくれよ……」


 彼に遅れて、亮たち4人も出撃態勢に入るため、整備ドックへと駆けて行き、それぞれの機体に搭乗する。

 こうして彼らは、戦闘準備を完了し、ようやく火星軍を迎え撃つこととなった。



 亮たちは機銃をゆっくりと構え、空母の甲板上で敵部隊が来るのを待つ。


「鎧、まだ来ないみたいだな……」

“そうだな……。ん!? レーダーが反応した! 敵は南西900メートル先から敵機襲来! 亮、あいつらを駆逐するぞ!”

「了解。任せてくれ」


 遂にライアー隊とヴァール隊がネプチューン艦に迫る。


「よし……、こいつで撃ち落とすか」


 亮はビームマシンガンを駆使して敵機撃墜を試みる。


「くっ、避けられるとは……」

「邪魔者を黙らせてやろうか。喰らえッ!」


 ヘクター率いるライアー隊は、亮たちに対し凄まじい集中砲火を浴びせた。


「ぐあぁぁぁっ!!」

「まずいっ! 爆発する……」


 この攻撃により、地球軍の機体は撃破され、爆発四散していく。

 これを見た亮たちは負けていられないという思いがより一層強くなり、反撃を行っていった。


“亮、このまま負けてはいられないぞ! 攻撃の手を休めるなよ……”

「はい、マーク大佐!」


 亮は返事をしたあと、スラスターを吹かせて空を駆け、ライアー隊に対し接近戦を仕掛ける。


「てやぁぁっ!」


 彼はビームブレードを大きく縦に振りかざし、敵機を真っ二つに切り裂いた。

 切り裂かれたその残骸は、爆発した後に海中へと落下。


「やばいな……」


 ヘクターは、少しずつ地球軍側が優勢になっていくのを察して焦りを感じながらも攻撃を続ける。

 ライアー隊の中には、自ら空母の方へと接近する者もいた。


「ん!? 敵が空母に来るとはな……。こうなったらこれで斬らざるを得ん!」


 鎧は二本の刀を構えて接近して来た敵に切りかかる。


「たァァァァッ!!」

「しまったァッ!」


 機体は十文字に切り裂かれ、爆発して海へ落ちた。



 何機か敵部隊の機体を倒しても、それらはまだ空中に群がる。それを見たジェフは鋭い目つきで狙う。


「よし、俺のミサイルランチャーで一掃してやるぜ!」


 自らの武器を構えたジェフは、無数の弾をライアー隊に喰らわせた。


「くっ、被弾した……。あっ、2発目まで来やがった! ぐはぁぁっ!!」


 次々に機体は爆散し、海の藻屑となっていく。

 その様子を見たヘクターは、更に己の闘志を燃やすかの如く積極的に接近戦をしていくようになった。


「オラァッ!!」

「あぁっ、やられる……、ぐあッ!」


 ビームソードを駆使して、次々に地球軍の空戦部隊を撃破していくヘクターの目の前に見えたのは、ロードブレイダーとソニックブレイダーの姿だった。


“亮、あの機体を倒すよ!”


 玲は意気揚々とビームソードを構える。


「了解した、任せてくれよ」


 微笑みながら返事をした後に、亮はビームマシンガンを構えた。


「何だこいつら……。まぁいい、2機纏めて倒してやる……。喰らいやがれェッ!!」


 ヘクターは機銃で光弾を放つが全て躱されてしまう。


「えぇいっ!!」


 玲はビームソードでヘクターの機体腕部を切断した。


「よし、マシンガンをチャージモードにして……、発射だ!」


 亮は自らの機銃から稲妻のようなビームを放ち、見事敵機に命中させる。


「ぎゃあぁぁぁッ!」


 ヘクターの機体胸部に光線が貫通し、その後轟音と共に爆散し、海の中へと落ちていった。


「よくも隊長をやってくれたな!」

“隊長の仇を取ってやろうぜ!”

「おう!」


 彼らはヘクターの仇討ちをしようとするが…。


「これでも喰らえッ!」


 亮はビームマシンガンで残った2機も撃墜した。思いも虚しく彼らは倒され、海の底で永遠の眠りに

ついたのだった。



 一方、水中ではリックやオーストラリア海軍の部隊がヴァール隊と戦闘を繰り広げていた。


「さて、どの機体からやってやろうか…」


 ベイルは攻撃の契機を伺いながらバズーカを構え、目を鋭くしてどれを撃墜しようかと考える。


“ベイル隊長、こいつらを纏めて撃墜しましょう”

「そうだな……。よし、攻撃開始!」


 ヴァール隊は全員で無数の砲弾を放った。


「くっ、何て弾幕だ。あっ、味方がやられていく……。これ以上やらせないぞ」


 リックは敵の攻撃に緊迫しながらも、ハンドミサイルランチャーを構えて砲撃を始めた。


「私達も攻撃しなくては……。さぁ、喰らえ!」


 オーストラリア海軍の部隊も、リックに追随して攻撃を仕掛ける。


「やるじゃねぇか……。よし、ここで対艦魚雷を使おう……」


 ベイルは背面に搭載された魚雷でネプチューン艦を狙う。


「沈めェェッ!!」


 魚雷はネプチューン艦の下部に直撃するも、幸いなことに大したダメージにはならなかった。


「くっ……、これ以上艦にダメージを与えないようにするぞ! 分かったか、皆!」

“了解!”


 オーストラリア海軍の部隊とリックは何としてもネプチューン艦撃墜を防ぐため、反撃を開始した。


「さぁ、一斉集中砲火だ!」

「了解!」


 リック達の猛攻撃が、ヴァール隊を襲う。


「やべぇぞ! うわァァァッ!!」


 敵機は次々に撃墜されていき、次第に数も少なくなっていった。


“ベイル隊長! 早く敵艦を撃墜しないと……”

「だが、前方に機動部隊がいます。まずはそっちを……」


 ベイルの部下は困惑せざるを得なかった。


“いや、あの連中は無視してあの艦を破壊する!”

「ベイル隊長……」

“うるさい! これは命令だ!”

「は、はい!」


 残り少ないヴァール隊の兵士達は、ネプチューン艦を執拗に狙う。だが、撃墜しようとしている内に

 リック達は更に攻撃を繰り出す。


「よし、背中の魚雷で残った敵を倒す!」


 リックは魚雷を発射し、上手くターゲットに命中させる。


「まずいッ! うわァァッ!!」


 次々に部下の機体は倒され、ついにベイルのみとなった。


「しまった……。 くっ……」

「よし。ビームジャベリンで、突き刺す!」


 猛スピードでリックは接近して攻撃し、敵機の胸部に刃が貫いた。


「ギャアァァッ!!」


 ベイルの機体は爆散し、海底へと沈んでいった。

 こうして彼らは敵部隊の殲滅に成功したのだった。



 ブレイダー隊は日本へと帰国し、溜まりに溜まった疲れを癒やそうとした。

 半ば満身創痍といっても過言でもない状態だった為、全員はとても眠たそうな顔をしていた。


「ハァ……、やっと帰って来たぜ……」


 亮は椅子にもたれかかって寝そべる。


「本当に疲れたね。明日はゆっくり休もうよ」


 玲もとてもヘトヘトになり、自室に向かう。


「明日は何も無ければいいなぁ……」


 そう言いつつ玲はベッドで眠りにつくのだった。



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