064:タゲ取ってヘイト貯まる
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ドォオオン! という火山噴火にも似た爆音が響き、竜道海峡全域が空震に打ち据えられる。
海そのモノであるかのような、果てしなく長大なその胴体を波立たせている大海蛇、神話の時代から謳われる伝説の魔物、サーペンティス。
人魚種族の守護者にして、各種族の英雄にも匹敵するとされる強大極まりないこのモンスターは、
想像を絶する膂力で頭をぶん殴られ、海面へと雪崩落ちていた。
海から突き出ていた100メートル以上の胴体、60メートルを超える胴周りによる巨大質量が、飛沫を上げて海中に没する。
発生する大波は海面に張った分厚い氷を大きく揺らし、あるいは膨大な海水が表面を浚っていった。
「何が起こってるんだー!?」
「危ない落ちるぞ!!」
「しッ、死にたくねぇ!!」
氷に閉じ込められた護送船団の船員たちは、恐怖で発狂せんばかりだ。海を埋め尽くす巨大な蛇の魔物に、その海を延々と覆う氷床に、イカヅチを孕んで渦巻く濃霧、無数の火の粉が舞う空、ひり付く熱風と、まるでこの世の終わりかという状況なのだから仕方がない。
帆柱や甲板の柵にしがみ付くのが精一杯だった。
そんな阿鼻叫喚の下界を一瞥し、若干申し訳なく思うのは高度100メートルの空中に平然と立っている小袖袴の青年、村瀬悠午である。
これでも氷を張って船の沈没を防いだり、先にぶっ放した大技の威力を抑えて周囲への余波にも気を遣ったりしたのだが。
強過ぎる力を持つが故に、全力を出せないというジレンマは常に悠午ら超人類には付き纏う。
無節操に天災の如き力を振るう時、それを止める役割もまた悠午のような超人類に回って来るのである。
この少年が五行術の応用や簡単な結界術といった小技を習得しているのも、この辺に事情があった。ザ・後始末要員。
とはいえ致命的な人的被害も確認できず、一安心の悠午は意識を大物へと戻す。
その際に手にしていたブツを放り投げたが、直後になにやら下の方から悲鳴か怒号にも似た大声が。
氷上で交戦中の、一部プレイヤーからのモノだった。
「コラァアアゆーごぉ! そのドロップどれだけ貴重だと思ってんだー!!」
「やっべぇ拾え拾え!!」
「レア素材だヒャッハー!!」
同じパーティーのジト目姉さんの叫びを筆頭に、プレイヤー達が妙に猛りながら悠午がポイ捨てした物体に群がる。突然の修羅場に、達人をしてちょっとビックリした。
氷床に突き刺さっているのは、表面が茶色に汚れている、元は白かったであろう大海蛇の牙だ。
頭部を殴り飛ばした拍子に、掴んでいた部分がへし折れたのである。
悠午にとっては単なる怪物の一部だが、元ゲームプレイヤーの価値観においてはとんでもないお宝だった。
プレイヤーの持つ技能スキル、あるいは武器職人の手により、怪物の体組織は素材として装備品に加工される。
多くの場合、強いモンスターほど高性能なアイテムとなるので、プレイヤーは狩に血道をあげる事になるのだ。
サーペンティスはメインストーリーとは直接の関係がないエクストラクエスト、人魚の島を守る所謂ボスキャラであり、事によっては最終ボスより強いモンスターである。
それほど強力かつ希少な生物の体組織、しかも現実と化したこの世界では遭遇すら不可能に近いとなれば、その価値は黄金などでは計れない。特にプレイヤーにとっては。
そんな物を投げ捨てるなど、ジト目姉さん他プレイヤー達には言語道断の所業でしかないのだ。捨てるのなら俺(私)にくれ。
と、欲望塗れのプレイヤー達だが、今現在は戦闘の真っ最中だった。
水蒸気爆発と激震に度肝を抜かれた形だが、人魚種族とその眷族の大軍は健在である。
「なんだアレは!? なんだアレは!!?」
緑がかった長い金髪の人魚が、空に浮かぶ異邦人を海から見上げヒステリーのように叫んでいた。
人魚の姫、軍団を率いるアヌビアナだ。
「あんな物は生かしてはおけない! 海の勇者たち! 己の命に代えても陸の侵略者を倒すのだ!! 我らが守護者を退ける程の敵! ここで取り逃がせば人魚は無論海に生きる全ての者の禍根となるぞ!!」
「プレイヤーを倒せー!」
「尽くを波間の泡と化すのだー!!」
熱狂とも言える戦意を見せ、人魚種族が氷塊の脇を駆けつつ大量の魔法を放つ。人魚得意の水上機動戦術は、あたかも艦砲を放つ高速艦隊のようだった。
同時に氷上を、魚人や蛸人、大蟹、大シャコ、海獣、大磯蟲といった怪物が大挙してプレイヤーに迫って来る。自我に乏しい生き物ばかりで天変地異にうろたえていたが、海の支配者たる人魚の命令には常に忠実だ。
「ヤベッ!? 来たぞー!!」
「前衛職突っ込むぞ! 支援職よろー!!」
「魔法インザホー!!」
「おい前邪魔だスキル使えねぇ!!」
プレイヤー陣に纏まりは無かったが、個々人が好き勝手に動くのはゲームの時から変わっていないので、とにかく迎撃に移っている。
連携しているでもなし、なのに妙に一致した動きを見て、頭上の悠午は首を傾げていた。プレイヤーとはよく分からない人種である。
「イヤー!? フナムシやだー! ゲームでもグロかったけどリアルは洒落にならないー!!」
「ムシを怖がってちゃ旅は出来ねーぞ……ッとラァ!!」
プレイヤーと冒険者陣の一翼を占める悠午のパーティーメンバーも、這い寄って来た多脚の甲殻生物を迎え撃っていた。
黒茶に光り、全長より長い触角を揺らす昆虫のような生き物に、美貌の女戦士は斧槍を振り回して悲鳴を上げる。ベテラン冒険者の大男は、今更驚きもせず大剣で叩き潰していたが。
護送船団の兵力と人魚の軍勢、双方が巨大な氷床の上で真っ向から激突している。
爪や節足が吹き飛ばされ、人間や巨人種族の怒号が響くが、数倍の数で攻める海側に対してプレイヤーと冒険者は五分の戦いを続けていた。
下は大丈夫そうだ、と悠午は少々ホッとする。
自分の方は、まだちょっと手が離せそうもないので。
「こりゃぁオロチとタメを張るかな? ん? なによ? 『格が違う』ってお前、やりあったのはオレが6歳の時じゃんよ。いきなり起きてきたと思ったら何言ってんのさ大人気ない」
独り言のように語る悠午の足元、割り砕けた大量の氷床の下に、遠近感が狂うような巨影が渦巻いていた。
海面下からは、肌を焼く火気も感じる。怒りの感情から発する“気”。五行術の遣い手なら、恐らく最初期にコントロールを学ぶ相の“気”だ。
水気とは相性が悪かろうに、と思う悠午だが、それでも海水に剋される程度の怒りではなかったようである。
ちょっとした島程もある氷の塊が押し退けられ、膨大な海水量の柱が立った。
その中から躍り出る大海蛇の巨体は、相変わらず平然と空中に立つ小袖袴の怨敵へ倒れ込んでいく。
甲殻に覆われた大顎から喰らい付き、今度は水流ビームなどではなく直接噛み砕くつもりだ。
巨体に見合わぬ俊敏な動きで、撓る海蛇の胴体は一瞬で悠午を薙ぎ払うかに見えた。
「かッ!!」
しかし先ほどと同様、カウンターで打撃を喰らわせる小袖袴の達人。斜め下から振り抜かれた一撃により、再び凄まじい衝撃波と暴風が一帯に広がる。
ところが、先ほどの展開と異なり、今度は大海蛇が吹き飛ばなかった。大きく後退させられていたが、すぐさま鎌首を揺らし悠午に喰らい付いて来る。
「ハハッ! こりゃスゲーな!?」
真上から丸呑みにせんと、大顎をめいっぱい開け広げて降ってくる蛇頭。
それを飛び退き躱す悠午は、超音速で取って返しサーペンティスの側頭部に左右の二連打を叩き込んだ。
弾け飛び、大きく傾く大海蛇。だが、間髪入れずに胴を撓らせ、逆に悠午へ叩き付けようとする。
「手加減はいらねーか!? なぁおい!!」
なんとも手応えのある相手に、我知らず笑う達人はここで一段上の攻撃をぶっ込む事に。
鞭のような速さとしなやかさ、塔のように倒れてくる大海蛇へ、全身のバネを使って拳を引き、
これまでとは桁違いの力でぶん殴った。
速度が違う、溜めが違う、何より破壊力が全く違う。
突き抜けた打撃の威力は大気を穿ち、何重にも白んだ気圧差の膜を広げ、これまでで最大の衝撃波が空間を押し潰す。
海面には巨大なクレーターが形作られ、遥か上空の雲すら円形に切り飛ばされて青空を晒していた。
村瀬悠午の、かなり全力に近い一撃。人間や他の生物相手に打つと、非常に悲惨な事になるので使えないレベルの攻撃である。
ちなみに、シャドウガストの上位者は耐えていた。
大きさや質量差無視の隔絶したパワーの前に、サーペンティスの巨体は氷床が浮かぶ海へと倒れ堕ちる。
骨格の曲がる角度に無理があった為か、横たわる胴体はそのまま氷床と海面の上を横薙ぎにしていた。
護送船団やプレイヤー、あるいは冒険者がその場にいたら大参事となるところだ。悠午も狙って問題無さそうな方向へ倒したのだが。
「見事だなぁ……! 並の生き物でここまでタフなヤツははじめて見た」
足元を見下ろす少年は、まだ千切れ飛んでいなければ息の根も止まっていない大海蛇への賞賛を禁じ得ない。
何せ、多少魔力や生命力に優れていても、基本的に普通の生物である。
神域の者や身内以外で、今の悠午の打撃に耐えきった存在などちょっと思い出せなかった。
といっても、悠午の目的は別にこの巨大海蛇の殺傷にあらず。
かなり思いっきり殴り飛ばしておいてなんだが、今のところ襲われたから返り討ちにしたに過ぎないだ。
この海域の交通の安全を確保するなら仕留めておいた方がいいのだろうが、それはこの世界の人間がどうこうするべき問題だと思う。大海蛇が人魚種族と関わりがあるのなら、うっかり殺してしまうと戦争の趨勢にも関わりかねない。
悠午は自分が外様だと思っている。いずれこの世界を去るべき者だ。
歴史や世界の情勢に干渉しない範囲で、降りかかる火の粉だけ払えればいい。その基本方針を忘れるつもりはなかった。
「アブソルートッ! 斬ッッ!!」
一方で、同じく向こうの世界の異邦人たる白部=ジュリアス=正己は、倒れたサーペンティスに全力で斬りかかって行くのだが。
大きく跳び海を越えた金髪の少年は、氷床に着地するや大上段から剣を振り下ろす。
同時に発動する攻撃スキルは、剣から放たれる大規模な光の壁と化し、遠間の大蛇を一瞬で切り裂いた。
これこそが、レベル221の勇者ジュリアスが放てる最大威力のスキル。
アブソルート・斬、熟練度220。
近~超遠距離範囲攻撃、物理攻撃力×150倍、超高熱斬撃(火/光/物理属性)、POW、MOPで威力と攻撃距離が変動する。
「どうだ! 入ったぞ!!」
牙を剥き吼えるジュリアスだが、その顔には疲労が濃く見えた。MPの7割を持っていきチャージにも時間がかかる高レベルスキルは、トッププレイヤーをもってしても楽に使いこなせる物ではない。
凡人を超人に変えるステータス補正、代償無しで超常の現象を巻き起こす攻撃と魔法のスキル。
しかし、その根底にあるのはプレイヤー個人の持つ資質である事を理解する者は少なかった。
およそ今の勇者以上の攻撃スキルが使えるプレイヤーは存在しない。
最強の一撃はサーペンティスの鎧のような体表を貫通し、確実に出血を強いていた。
ところが、大海蛇の果てしなく長い胴体は、氷床を擦りながら海中に後退するや、その鎌首をゆったりと持ち上げる。
「クソッ! これでも切断まではいかないか……!?」
「シラベ一旦退け! サーペントはレイド戦のボスだぞ! 人手が無さ過ぎる!!」
「正しく生きている僕らがチーターに負ける事など許されないだろう!? マリヤは前衛組を仕切って僕に続き波状攻撃! 威力重視だ! セレナは後衛組の指示を! 前衛が攻撃に専念できるよう援護しろ!!」
勇者を制止するサブリーダーの女プレイヤー。だが、勇者は一切耳を貸さず、有無を言わせず援護を指示。
サブリーダーの『マリヤ』は勇者の頑なさに一瞬戸惑うが、それでも言われた通りに動く事とする。
大海蛇は顎を裂けるかというほど広げ、海鳴りの如き威嚇音を放っている。戦うのは無謀でも、今背を向けるのも危険過ぎると判断した為だ。
「アメリンとルーシーはあのチーターを牽制! 何もさせるな! ザコは他のプレイヤーに任せておけ! 僕らはサーペントに集中するんだ!!」
「なッ…………!? こんな時に何を言ってる!!?」
が、次の指示には、流石に正気を疑った。
サブリーダーのマリヤ、亜麻色の髪にロングスカートの細剣使いも、以前に悠午と敵対した事は忘れていない。
しかし状況が状況だ。敵対したのは単なる立場の違い故だとマリヤは割り切っていたし、この場でサーペンティスに対抗出来るのはジュリアスの言う『チーター』だけだとも理解していた。
にもかかわらず、戦力としてあてにしないばかりか、この場で敵対するのも厭わない姿勢とは。
加えて、猛攻を仕掛けている人魚種族とその眷族に背を向けてしまうというのも、危険過ぎる行為だ。
足場となる氷床が無数に浮いているとはいえ、未だに海は人魚のフィールド。人数差を見ても、例えレベル220台の勇者であっても油断して良い戦いではないはずだ。
「大丈夫だマリヤ! プレイヤーも人魚もお互いを放っておかない! 潰し合ってくれる!!」
「それはそうだろうが…………」
確かにジュリアスの言う通り、ゲームプレイにおいて見ず知らずのプレイヤー同士は連携など取らない。敵と味方、双方の動きを予測して自分も動くだけだ。人魚種族とブレイブウィング以外のプレイヤーは、どうしたって戦うしかない状況だろう。
だが、だからといって自分たちがフリーになるという考えは、希望的観測に過ぎないのではないか?
そう問いたいマリヤだったが、そんな時間も残されていなかった。
「止むを得ん……キャス、野島! ポーションは上級から使いきるつもりで行くぞ! 全員スキルを惜しむな! アメリンはルーシーと邪魔が入らないように警戒を! 可能なら人魚の方にも気を付けておけ!!」
自分なりにアレンジした指示をパーティーに出すと、自らも細剣を抜き勇者に続くロンスカプレイヤー。勇者は一瞬不満そうに振り返るが、その修正を求める暇も無い様子だ。
ブレイブウィングの魔法職や遠距離攻撃持ちのプレイヤーも、後方から大海蛇へ攻撃を開始していた。
氷上を凄まじい速度で駆けるプレイヤーが、次々とスキルを放っていく。
高層ビルのような桁外れの相手だが、人間離れした高レベルプレイヤーのスキルは大海蛇の胴体を削って見せていた。
「でもアレ倒すのに何日かかるのかね…………?」
問題は、はやりサイズ差が大き過ぎる事であろうか。
激しい攻勢を繰り広げる冒険者パーティーを眺め、独り言ちるのは宙にしゃがみ込む小袖袴の少年である。
ちょっとプレイヤーという存在を舐めていたかな。そんな事を思わせるほど、勇者をはじめとするブレイブウィングの面子は強力な攻撃を放っていた。
もっとも、正直ダメージがサーペンティスに通っているか怪しい。逆に、ジェット水流ブレスの余波で吹っ飛ばされているような有様だ。
横槍を入れられ手持無沙汰な現状の悠午だが、それについて特にこれといって思うところは無い。
むしろ、この世界最高峰のプレイヤーの一団の戦いが見られて、参考になる思いであった。
黒の大陸の陣営が、少々マズイ状況にあるのも察する事ができたが。
(サーペンティスが向こうの最大戦力でもあるまいに、アレを旗頭にする人類側は大丈夫なのだろうか。これ全滅とか死人が出る前に割って入った方がいいのかなぁ…………?)
いつぞや見た大陸系のプレイヤーと弓矢持ちプレイヤーが、自分の方を警戒しているのは分かる。しかしそんな事は気にする程でもない。
仮にも同郷の異邦人であるし、ヤバそうなら助けておこうかと悠午は考えていたが、
そこに思わぬ方向からの攻撃が。
「おおっとぉ!?」
下から対空砲火のように射ち上がってくる、無数の魔法弾。それは、攻撃の目先を変えた海上の人魚種族からだった。勇者の一団が大海蛇に向かった事で、人魚の手が空いたらしい。
「死力を尽くせ海の戦士達! アレだけは必ず仕留めるのだ! 生かしておけば必ず大きな災いとなろう!!」
「魔法を切らすな! 躱せぬほど叩きつけろ!!」
「絞り尽くせ! 全てを出し尽くすのだ!!」
人魚艦隊による対空飽和攻撃。風切り音を立てた氷柱やら溶岩が、至近距離を掠めるように飛んでいく。
悠午には躱すのも防ぐのも叩き落とすのも問題無かったが、こうなるとその異常な戦意の高さが気になってきた。
武人の端くれであれば、相手の殺気を捉えるというのは、それほど特別なセンスでもない。気孔術や洞察術を修めた悠午ならなおさらだ。
その達人の少年をして、どうして自分はここまで憎悪を向けられているのだろう、という疑問が。
確かに巨大海蛇は殴り倒した。大技を叩き込んで海中を引っ掻き回したし、海を凍り付かせて大分寒い思いをさせたものと思う。振り返ると原因はいくつもありそうだったが。
しかし経験上、怒りや憎しみといった感情には、強い火種と燃料が無ければ維持できないと知っている。悠午は人魚と顔を合わせたのは今回が初めてだし、定期的に憎悪を煽るような手間をかけた覚えもない。
戦争なんてのも半分は仕方なくやるものだ。大半は義務的に戦うだけ。ひとりふたりに怒りを買う事はあっても、種族や民族丸ごとから恨まれるなどよほどの事をした歴史上の人物くらいのものである。
となると、
(誰かに何か吹き込まれたか、あるいは……?)
なにぶん自分が派手な事をしている自覚はある悠午。直接人魚の怒りを煽らなくても、何者かに唆された可能性はあるか、と。
だとしても、そんなのは元の世界では珍しくもなく。
いずれ機会があったらその辺の話を聞いてみよう、と思いながら、悠午は魔法の弾幕を躱し空中を跳ね回っていた。
悠午は人魚種族からの総攻撃に曝され、勇者の一団は大海蛇に総力戦を挑み、護送船団の冒険者や船乗り達は海の魔物と大軍を以って鬩ぎ合う。
大気は荒れ海は大時化、有象無象の頭の上では人外と超人が殴り合うような、地の果ての戦場といった有様。
そんな竜道海峡の戦いも大詰めであった。
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