043:トラベルの記憶はトラブルの記録
10日連続更新の5回目です。
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「レイモンド=トループ。レイだ。軍人とだけ言っておく」
「村瀬悠午。学生だけど、特殊な問題が起こった時にバイトに呼ばれたりする。バイト先はカナダのPMC『ネクサス』」
自己紹介と情報交換がてら、デルタ隊員のレイと小袖袴の青年のパーティーは、全員揃って夕食を摂る事とした。
離れて待機していたレイモンドの仲間も合流し、総勢20名以上の大キャンプと化した事で、ずいぶん賑やかになっている。
ミートパイは好評につき間もなく食べ尽くされ、悠午は量を出すのに適当な肉や野菜を焼き物にして出していた。
古代神器、ドールハウスがあるので食料にも余裕がある。
「『レイ』って……、もしかして『インビシブルスクアッド』の?」
「ああ……実際には勝率6割ってとこだし、それもあんまり良い意味じゃない。パーティーの正式名称とも違う」
「御子柴さん、何ですそれ?」
お互いの紹介が終わり食事を進めていたところで、デルタ隊員のプレイヤーに確認を取るのはジト目魔術士の御子柴小夜子だ。
特殊部隊員、というのにやや腰が引けているのか、悠午を盾にしている。
「プレイヤーズギルドのランク、例のバカ勇者のトコに続いてナンバー2のパーティーじゃん。攻略進行度じゃバカ勇者の所より上って話もあるわな。クリアに一番近いんじゃないかって…………」
そのプレイヤーの姉さんが言うには、レイ本人とパーティーは全プレイヤーの中でもトップクラスの実力を持つとの事だった。
プレイヤーズ組合におけるナンバー2、通り名は『不敗の部隊』。
勇者ジュリアスとパーティーの『ブレイブウィング』ほど派手な活躍はしていないが、クエストの攻略と活動範囲の広さにかけては、全プレイヤー中随一との呼び声も高い。
つまり、最も世界の謎と元の世界への帰還の道に近いという意味だ。
「期待を裏切って悪いが、俺達にも分かっている事はほとんど無い。確かに世界のあちこちを旅して来たが、帰る手掛かりなんて何も無かった…………。
あったのは悪夢みたいなダンジョン、ホラー映画真っ青なモンスター、アインシュタインにツバ吐くクソみたいな現象だけだ」
ところが、その最ベテランのプレイヤーから出たのは、最も聞きたくない話だった。
このレイモンドというプレイヤーが「手がかり無し」と言うなら、他に有用な情報を持つ者がいる可能性も非常に低い。
パーティーのお姉さん方にも、強い落胆と不安の感情が湧き上がっていた。
その思いは当の軍人プレイヤーも同じのようで、失望と諦観をどうにか押し込めている様子だ。
「レイさんはどうしてここに? ここはゲームでは初期の場所だと聞きましたけど。ゲームは長かったんですか?」
悪くなった空気を、悠午はあえて無視する。
本人が無意味だと思っていても、その経験は旅をはじめたばかりの悠午たちより、遥かに多いはずだった。
それにデルタは、侵入、潜入、索敵、攻撃に優れた油断ならない猛者達だ。悠午としても是非仲良くなっておきたい相手である。
「こっちには……一旦戻って来たんだ。一度は暗黒大陸まで足を延ばしたが、あそこは半端じゃない」
暗黒大陸。
レイモンドが重々しくその名を口にすると、キャンプをしていた一同が僅かに熱を帯びた。
そこはプレイヤーとこの世界の人間に共通した、最も恐ろしいとされる土地だ。
あらゆる種族未踏破の大陸、桁違いに凶悪なモンスターの跋扈する地獄。
プレイヤーにとって最難関のエクストラクエストが控えるフィールドでもある。
しかも、最も探索と攻略に優れたプレイヤーをして即座に撤退せざるを得ないほど、聞きしに勝る過酷さらしい。
現在、レイモンド達のパーティーは体制を立て直しがてら始まりの街『レキュランサス』に戻り、再出発したばかりだという事だ。
その途中、カリムの街でヒドラ出没の話を聞き、冒険者組合で依頼を受けて来たと。
こういう話である。
「もし本当にヒドラなら、この辺で手に負えるのは俺達だけだろう。と思ったんだけどな」
そう言って小袖袴の風変わりなプレイヤーを一瞥するデルタ隊員。
見た目は酔狂な格好の日系人(ハーフ)だが、敵味方問わずヒトの力量を嗅ぎ分けるレイの嗅覚は本物だ。
当然、悠午が普通ではないのも感じ取っていた。
「オレ達はギルドで『ドラゴンだ』って言われて、どんなものか偵察に来ただけなんですけどね」
「ドラゴンはピンキリだが、ヒドラは掛け値なしにヤバい。物の本には属性防御だ首を落とす順番だと言われているが、そんな情報は役に立ちやしない。
結局最終的に物を言わせるのは純粋な火力だ。敵も味方もな。属性無効で安心していると、あっさり質量に潰されて死んだりするもんだ。
ここはゲームなんかじゃない。フィジカルポイントなんて何の目安にもなりやしない。致命傷を喰らえば死ぬんだ。
ヒドラもそうだ。ヤツは凶暴でタフだ。首なんかに気を取られていると、距離を詰められて手に負えなくなる。唯一の正解は、首だろうが本体だろうが全力で何もする間を与えず叩き潰すしかない」
ワールドリベレイターのトッププレイヤーが、ゲームの攻略法を否定する。
ヒドラの首が持つ特殊攻撃に対抗手段を用意し、首をひとつずつ切り落として最後に本体たる心臓を叩く。そんな方法論に意味は無いのだ。
無論、脳筋プレイに走れと言う事ではない。
特定の攻略法など無いこの世界において、最も堅実かつ手堅い戦い方を考えると、最終的に最もシンプルな方法となるのである。
レイモンド=トループのパーティーは、そういった集団だった。
「どこのどいつがあんなゲームを作ったか知らないし、何のつもりでプレイヤーをこの世界に引きずり込んだのかは知りたくもない。
だが……ゲームと同じだと思うと死ぬ。それで、そんなプレイヤーがほとんどだ
ゲームを忘れるのが生き残る為の第一歩。なんて言っても、こんなバカげた世界のバカげた状況を受け入れられるほど強い人間は多くない…………。俺だって随分時間がかかった」
「レイさんは……その、元になったゲームは長かったんですか? 隅々まで把握するほど」
「ああ……我ながらヤワな事だとは思ったが、唯一の趣味だったんだ。へヴィーゲーマーだった。他の……同じチームのヤツには聞かせられないな」
非公式特殊部隊デルタ、その隊員であるレイモンド=トループはゲーム好きな一児のパパだという事だ。
学生時代から大のゲーム好きであったが、同時に国の為に働きたいと真剣に考え軍に入隊。
適性も才能も有り訓練を経て特殊部隊へ。しかしゲーム好きは変わらなかったという。
当然、全世界規模でプレイされているVRMMORPG、ワールドリベレイターも『やり尽くした』という程にやり尽くしており、そして今現在の状況があるというワケだ。
「正直、俺はこんな世界どうでも良い。だが何が何でも帰るぞ。ミシェルの為に…………」
愛娘のミシェル=トループは、まだ5歳だそうだ。スマートフォンの中には写真が入っていたが、とっくにバッテリーが上がっており見る事は出来ない。
顔を忘れられる前に帰らないと。と苦笑いで言うパパに、同じ境遇の奥さまが涙ぐんでいた。
「それで……どこかで神様に会った事は? オレらの当面の目標は、白の大陸に行ってアウリウムで女神に会う事なんですけど」
長く旅をして来た先達の情報は貴重だ。
ここは悠午も隠す必要を感じず、当面の目標についてダイレクトに尋ねてみる。
「アウリウムなら行った事がある。でも収穫は無かった。エルフに睨まれて十分に調べたとは言えないが、何にしても女神とやらを引っ張り出す手段が無い。
前のエピソードを参考にするなら、そこのコロシアムで王者になるかエルフの司祭にでも協力を頼むしかないんだろうが、今はどちらもほぼ不可能だな。
戦争中だから都市の中に入っても制約が多いし、ましてや協力なんて得られるはずが無い」
「『コロシアム』とやらは? それって確か、前のバージョンのストーリーの事ですよね? よく覚えてないけど」
「エピソード4とは状況も違う。コロシアムにプレイヤーが出ること自体が無理なんだ」
この世界の全種族は神の実在を疑っていない。また、プレイヤー達もゲームと同様なら女神がいるのだろうと考えている。
ただし白の大陸の種族と違い、プレイヤーと黒の大陸の種族は白の女神だけではなく黒の女神の実在も知っているのだが。
白の大陸の種族は、黒の女神など存在しないと主張している。
そんな物は、かつて白の女神を裏切った、穢れた種族の戯言である、と。
ところが、黒の女神信仰は長らくヒト種族や巨人族などの間で細々と語り継がれており、プレイヤーが出現して間もなく大々的に復権する。
エルフ種をはじめとする白の女神の眷族により、『穢れた種族』、『裏切りの種族』と見下され続けたヒト種族は、その怒りを燃え立たせて遂には戦争にまで発展したというワケだ。
ヒト種の為政者の中には、支配域の拡大とエルフからの主権の奪取という野望もあるだろうが。
とはいえ、悠午にはその辺の話はどうでもいい。
白の女神に元の世界への帰還方法を問う、という方針は大分怪しくなってきたが、かと言って他に目ぼしい手がかりも無い。
デルタ隊員のマッチョプレイヤーからは、他にもいくつか話も聞けた。
レイモンドがこの世界に来たのは、既に2年以上前の事。
以来、一貫して元の世界に戻るのを目的に活動してきたという。
多くのフィールド、ダンジョン、クエストを踏破してきた。
巨石の迷路に埋め尽くされた砂漠、レアメタルと宝石に溢れた欲望の誘う大地下洞窟、延々と炎の燃え盛る清浄の海、竜の国大渓谷、飛沫の止まない大瀑布。
しかし、潜入に優れたデルタのトッププレイヤーが2年以上を費やしてなお、黒の女神が封じられた白の大陸最深部『禁足地』には入る事が出来ず、暗黒大陸の端にある『聖域のアビス』は入口にさえ辿り着けなかったという話だった。
「禁足地へ入るには英祖の連盟による封印をどうにかしないとダメだ。ゲームならヒト族や他の種族の連合が攻め込むのに併せて封印を破壊し禁足地に入るが、ここはゲームとは違うしな。
一応行ってみたが、封印があるから中に入れない。ゲームで見たかもしれないけど、禁足地は一見ただの荒野だ。でも入れない。個人じゃ複数の種族が作る封印なんてどうしようもない」
白の女神と対を成す、黒の女神。
それが封印され、歴史から葬られたのをプレイヤー達は良く知っている。何せゲームのストーリーだからだ。
だが、白の女神信仰とエルフ種を頂点にした支配体制を維持する為、白の女神の眷族とされる種族は、全てを徹底的に否定している。
ましてや黒の女神の封印など、そんな物が存在している事すら認めるはずがなかった。
故に、禁足地は荒野のまま放置され、何に蓋をされているかは種族の代表者やその周囲にしか知らされていない。
言うまでもなく最難関のひとつで、これに比べればまだエルフの本拠地に行く方が難易度は低いだろうが、それも確実な手掛かりとはいえなかった。
「ゲームの時はレイドで白の大陸に進出できたしな。今の戦況なら、そっちを期待していいかもしれない。少なくとも暗黒大陸に行くより現実的だ。あそこはヤバ過ぎる…………」
始まりの街『レキュランサス』のプレイヤーズギルドで囁かれる噂のひとつが、ゲーム中最難関のエクストラダンジョン、『聖域のアビス』の最下層に元の世界へ戻る扉があるというモノだ。
それが事実はどうかは、恐らく誰も知らない。
暗黒大陸はあらゆる種族未踏の地であり、そこを闊歩する怪物は白と黒の両大陸の物とは比べ物にならないほど強力かつ凶悪だからだ。
レイモンドのパーティーも、ダンジョン入口に辿り着く事すら出来なかったという。
「それじゃ、空に浮いている『黒い月』はどうです? ゲームには無かったんでしょ?」
「そうなんだが、そもそも上に行く手段が無いだろ。仮に飛行船が使えても、あの高度に届くとは思えない。
それに錬金術師の望遠鏡でアレを見た事もあったけど、そもそも実体がある物なのかどうかすら不明だ。正直、触れられる物だとは思えないな」
他の噂として有力なのが、月のように空を廻る黒い天体が元の世界へ帰る扉だ、というモノがある。
大半の物がゲーム『ワールドリベレイター』と似通う世界において、プレイヤー達も知らない最大の差異。
これを帰還方法と結び付けるのは決して突飛な考えではないが、一切の根拠も情報も無い上に調べに行く事も出来ないという。
少なくとも、誰かが解明してくれるのをのんびり待つ気は、悠午らにはなかった。
「まぁ、戦争に期待するのが一番現実的、とは言ったがな…………」
ジャガバターを肴に酒をチビチビとやりつつ、レイモンドは自嘲気味に言う。
一番現実的、とは言ったが、それも程度問題だ。
「ゲームじゃ勝った。勝つように出来てる。当然だよな。でもこっちで人間がエルフに勝てるかは微妙だな」
「プレイヤーがいるから優勢と聞きましたけど?」
「プレイヤー、というか黒の大陸側の最大戦力は『勇者』って事になってる。知ってるか? 若いハーフの日本人」
「それなりには…………」
曖昧に返事をする小袖袴の青年。
知っているどころではない。喧嘩売られて悪者扱いされたのだ。別に珍しい事でもないが。
しかし、プレイヤーの頂点が『勇者』だと言われてみると、なるほどタフなデルタ隊員のプレイヤーが陰鬱になるのも分かる気がする。
「プレイヤーが何人いるか知らないが、戦えるのは10人に1人か20人に1人か? エルフには強力な兵士が多い。本国の連中が出てきたら、多少強い程度のプレイヤーじゃ相手にならないだろう。
それに……白の大陸の連盟には、種族ごとに『英雄』と呼ばれている奴がいる」
現在の黒の大陸の軍勢は、異邦人であるプレイヤー頼みの編成となっている。
各王国や種族はプレイヤーがいれば勝てると思っているし、事実大陸からは白の眷族を追い出して見せた。
だが、実際に白の大陸を見て来たプレイヤーは、相手の力はそんなものではないと語る。
黒の大陸の者たちは、まだ白の大陸の本当の力を知らないのだ、と。
「奴らは……多分『勇者』より強いだろう」
小人族、エルフ族、妖精族、獣人族、比翼族、木人族、人魚族、そして竜族。
白の大陸の代表的な種族にはそれぞれ戦士の代表が存在し、その力はプレイヤーの頂点である勇者ジュリアスを凌ぐのだという。
黒の大陸の軍が白の大陸に進出すれば、相手が本気になる可能性は高い。
その時、勇者程度のプレイヤーを最大戦力とする黒の大陸の連合軍は、果たして勝てるのか。
勝算は低いだろう、とデルタ隊員は考えていた。
「レイさんは……その英雄を?」
「最高にツイてなかった…………。昔、子供の頃に聞いたお伽噺をヒントに妖精に会いに行ったんだ。柄にもなくメルヘンな事するもんじゃなかったな。
オモチャみたいにチンケなナリして、とんでもない性悪の生き物で。こっちはレベル200に入ったかどうかって時期、前衛後衛で仲間のスキル構成も最高にバランスが取れていたのに、嬲り殺しにされかかった。
今俺達が生きているのは、そいつの気紛れさ」
レイモンドは独自の考えで、妖精に接触しようとしたのだという。欧州の寓話に言う、妖精と異世界との関係に着目した為だ。
ところが、すんなり住処である妖精郷に招き入れられたと思ったら、「遊び」と称して圧倒的な理不尽と暴力に晒されるハメに。
気紛れで悪戯好き。
そこだけはある意味、元の世界で聞いた妖精の特徴に合致していたとデルタ隊員は吐き捨てた。
「他の種族に比べて妖精族は非力、と言う話が事実なら……。勇者が勝てるか怪しいという事になるな」
「その、初歩的な質問で恐縮なんですけど、『妖精郷』……てか白の大陸には簡単に入れるもんなんですか? 戦争やってる人間以外は割と出入りしているとも聞きますけど」
「個人とか少数ならな。命の保証はないが、白の大陸に入るだけなら船もある。戦争しているが、現実としては全ての種族がエルフに賛同しているワケでもないらしいんだ。
だが、白の大陸でエルフが主導権を持っているのも変わらない。もしも目を付けられて拘束されるような事になれば、後は生きるも死ぬも相手の胸ひとつって事だ」
白の大陸、白の女神の眷族、各種族の英雄、重要地点、大陸内部の実情。
長らく旅をして来たプレイヤーのナンバー2とも目される男の話は、この上なく有意義だった。
経験から来る生きた情報は、五里霧中だった道の輪郭をハッキリさせてくれる。
死ぬほど困難ではあるが、まだ取るべき手があるという現実は、旅の先に希望が見い出せた。
鼻先のニンジンという気がせんでもない。
◇
そして翌日。
「オレ達はリットの町に戻りますんで、もしヤバそうなら呼んでください」
「ああ、何か分かったらギルドに手配を回して連絡する。そっちもそうしてくれ」
沼に出るドラゴンとやらを見に来た悠午だが、レイモンドという思わぬ人物との出会いで用は足りてしまった。
今回の目的は偵察であって狩りではない。手助けも必要ない、とレイモンドは言う。
ヒドラ相手に人数が多ければ良いというワケでもないし、他のパーティーと共闘するにも、そこまで悠午たちを信頼できないという事だろう。出会って半日では当然の事だと思われる。
それに、収穫はあった。共に帰還を目指すベテランプレイヤーにしてスペシャルフォースの隊員がいるというのは、心強い話だった。
そうして再開を誓ってレイモンドと別れ、帰還の途に就いて少し経った頃。
「やはり白の大陸に行くのではないか。キサマほどの者が冒険者家業などに収まる器ではないと思ったが」
禿頭傷のアストラ騎士、セントリオが半眼かつドヤ顔で悠午に言う。
この騎士には南方ナイトレアで迷宮に潜ると嘘を教えていたが、レイモンドと相談するに際し、本当のところを聞かれてしまったのだ。
「悪い事は言わん、吾輩の隊で力を振るえ! 我らは白の大陸へ必ず侵攻するし、お前たちなら優遇してやる!」
そして当然のように、悠午を身の内に取り込もうとする禿頭傷の騎士。はじめからそのつもりで機を窺っていたのだから、逃がす道理も無い。
悠午らもその辺を察していたからこそ、ナイトレアの迷宮に潜るという偽りを口にしていたのに。
「…………オレ達は戦争に関わる気ないんですよ。他に大事な用があるんで」
「我らヒト種族を卑怯な裏切り者の末裔と蔑み、自らを偉大な種族と嘯き支配者面して来たエルフどもを真実を以って討伐する以上の大事があるとも思えんが……。まぁ、プレイヤーならそれも仕方あるまいな。
しかしキサマらにも利がある話だぞ? 白の大陸を探索するなら、我らヒト種族と連合が大陸を支配してからでも遅くはないだろう」
「それっていつの話になるんです?」
と、このように、禿頭傷の騎士様の勧誘文句も熱が入り。
この後、悠午たちは町に帰るまで延々と口説かれる事になるのだが、帰ったら帰ったで面倒な事態が待ち受けていたりする。
クエストID-S044:アンエクスペクトハビタット 01/22 18時に更新します




