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ホームカミングガーリー~ごきげんようお姉さま。わたし百合もバトルも無双します!~  作者: 天野ぬぼ子
第一章

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第37話 再戦、そして別れ

「あっ!この!余がせっかくガチシジミを集めたというのに!」


お腹がいっぱいなったルミちゃんはステフが放置していたどうぶつの里が気になったようで。しばらくやっていたがあまりお気に召さず、もっと飛んだり跳ねたりできんのか!?と言い出したのでヌプラポゥーンを勧めてみたらすぐにルールを覚えて今度は画面の向こうの敵に文句をつけ始めた。


「あたしのどうぶつの里…」


遅れて食事を終えたステフがルミちゃんにSmitch2を取られてぐずり始めたので、私は昔使っていたSmitch1を戸棚から引っ張り出したりどうぶつの里をインストールしたりデータを引っ越ししたりしてから「こっちでもできるよ」とステフに渡してようやく納得してもらえた。その様を横で見ていた蛇苺さまがくつくつと笑っていた。

ルミちゃんとステフがゲームに夢中になっている間にと、トイレに立ったところ廊下でエレーヌに声を掛けられた。


「プロトエンジン。話がある。表に出ろ」


今朝からずっとルミちゃんの行動に困惑していたエレーヌ。だが今はそんな様子は一切無い。その険しい表情に私はエレーヌの秘めた決意を見た。


「わかった。すぐ行く。待ってて」


私はトイレを済ませると、リビングでルミちゃんとステフの様子を見守っていた姫子をちょいちょいと手招きして廊下に呼び出した。

「後で説明するから」と話もそこそこに姫子にそっとキスをする。しかし、それを覗き見していた蛇苺さま。


「あーっ!ずるい!!私もする!」


姫子を引っぺがし、横入りした蛇苺さまに強引に唇を奪われてしまった。こんな事なら始めから蛇苺さまに頼めばよかった。

”力”が漲ってくる。でもいつもと違う。月の化身アルテミス。太陽の化身アマテラス。二つの力が混ざり合い、溶け合う。服が弾け、再構成される。右半身はアルテミス、左半身はアマテラス。この姿は───


「月と太陽の巡り・アルテラスフォーム」


挿絵(By みてみん)




「待ったぞプロトエンジン」


外に出ると、本殿前で腕組みをしていたエレーヌが振り返った。


「ごめんごめん。話って何?」


「無論、決闘だ!」


すらりと剣を抜くエレーヌ。


「女王陛下は和解する気のようだが、私は納得がいっていない。プロトエンジン、貴様を手に入れ女王陛下を正気に戻す!戦え!」


元よりそのつもり。そのために前以て変身してきたんだ。私はコクリと頷いた。

右手からエネルギーを放出して剣を形作る。


「「勝負!」」


左手から火弾を撃って牽制しつつ出方を伺う。だが意に介さず、素早く避けつつ距離を縮めるエレーヌ。振り下ろされた剣を私は右手の剣で受け止めた。


「最後に名前を聞いておこうプロトエンジン」


結合(ゆり)。褥崎結合。初めに言っておく。あなたでは私に勝てない」


「借り物の力の分際で…ほざくな小娘!」


剣に力を込めるエレーヌ。だが私の、私の中の力が悠々とそれを押し返し、やがてエレーヌの剣を弾き飛ばした。


「もう一度言う。あなたでは私に勝てない。例えあのロイヤルヴァンガードがここに在っても私はそれを打ち滅ぼすだろう」


膝を付くエレーヌ。理解したのだろう、力の差を。

いつまでそうしていただろうか。エレーヌはやがて立ち上がると背を向け、長い石段を降りて行った。私も、エレーヌももう何も言わなかった。




リビングに戻るとステフはSmitchを手にしたままソファで居眠りをし、ルミちゃんは相変わらずTVに向かって黙々とコントローラーを握り続けていた。


「ねえ、ルミちゃん」


その背中に声をかける。


「わかっておる」


ルミちゃんはその後も無言でヌプラポゥーンをプレイし続けた。

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