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ホームカミングガーリー~ごきげんようお姉さま。わたし百合もバトルも無双します!~  作者: 天野ぬぼ子
第一章

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第28話 多い日も安心

元・機関の3人組に疑いの目を向けつつも特に何もなく。あまねも問題行動を起こすでもなく徐々にクラスに馴染んでいき、2週間ほどが経った金曜日。授業は午前までとなり、午後からは全校生徒を挙げて翌日の体育祭の設営が始まった。


学園祭でもあるまいに、そんなに準備する事がある?と思っていたがやる事は結構あった。白い三角屋根のテントを立てたり、万国旗を張ったり、パイプ椅子を設置したりラインを引き直したり。生徒会が音頭を取ることになっており、いつの間にか雑用として生徒会に組み込まれた私も含めメンバー達はてんやわんやと準備やら指示やらに追われていた。

ただ、肝心の生徒会長である蛇苺さまの姿が見当たらない。後になって花音さんが「昨日から重いらしくって…」とこっそり教えてくれた。今日の体育の授業もお休みされて、今は保健室で休んでいるらしい。


最終チェックが終わったプログラム表を放送部に届けるついでに保健室に寄ると、蛇苺さまはベッドに横たわりグッタリしていた。


挿絵(By みてみん)


「悪いね結合ちゃん…なんだか今回はね、ちょっとね…参ってしまっててね」


いつも元気な蛇苺さまが初めて弱っている所を見た私は何と答えたらいいか分からず


「二日目ですもんね!仕方ないですよ!!」


と答えたら、蛇苺さまは青ざめた顔でふふふと笑った。


「この調子だと明日もダメかもしれない…。念のため私がやる予定だった選手宣誓も睦子に代わって貰ったよ」


「無理しないで明日はお休みしてください」


「そうそう。今日ももう帰った方がいい」


ベッドを仕切っていた薄いカーテンをシャッと開けて盛田先生ことモルタリアが顔を見せた。


「一応先生らしい事も言うんだ」


私が関心するとモルタリアは口を尖らせた。


「こう見えても一応、私も女だよ?辛さは解ってるさ。しかし…大丈夫かい?一人で帰れる?」


「大丈夫。痛み止めも貰ったし」


私は起き上がろうとする蛇苺さまを止めた。


「いい事思いつきました。姫子に送って貰いましょう!ちょっと待っててください」


私は保健室を飛び出して教室に向かい、パイプ椅子を運んでいる最中だった姫子と恵を捕まえると事情を説明した。


「わかった」


と姫子は二つ返事で了承し、恵も「あ、拙者も一緒するでござる!」と付いて行く事になった。3人で職員室のミレイユ先生にお伺いを立てると「いいよ、今日はもう授業も無いし」と特に疑問を持たれる事も無く早退の許可が下りたので、私は「じゃあ後はよろしく!」と2人に蛇苺さまを任せて持ち場に戻った。


その後の体育祭の設営も滞りなく進み、今日の予定は()()終了。終業のチャイムと共にほとんどの生徒は下校した。

生徒会の仕事も残るは入場門の設営のみ。借り物競争の札なんかの細々としたものは前日までに終わらせていたし、大玉転がし用の大玉みたいな大きいものの準備もは今日の午後で終わってしまった。ただその肝心の入場門がまだ出来ていなかった。

入場門は巨大なベニヤ板に美術部が絵を入れ、それを建設現場にあるような足場で支える事になっている。絵は随分前から取り掛かっていたらしいのだが、美術部部員の間でああでもないこうでもないと作業が難航した挙句、完成が今日までずれ込んだ。


私が美術室を覗いたところ巨大な龍虎が睨み合う見事な絵が九分九厘完成しており、美術部総出で龍の鱗一枚一枚に色を塗っていた。辺りはもう暗くなり始めていたが、じきに完成するだろう。そう報告するためにグラウンドに出た。

だがグラウンドは静まり返っていて誰もいない。…いや、居た。その人影は腕を組み、悠然と佇んていた。

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