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いじめられているわけではないのだよ


「……ん」


 リアスが目を開けるとそこは病室だった。


「私は……。ジン!ジンは!」


 周りを見渡すと、入院着を着たジンが横のベットの上に座り、窓の外を眺めていた。


「おはよう師匠」


「よかった……よかった」


「どうしたの」


「ジンが、ジンが死んじゃったと思ったから」


「この通り無事だよ。僕もあの時は死んだと思ったけど何とか一命を取り留めた」


 リアスの目には涙が今にも落ちそうというくらいで我慢をしている。


 ちなみに白髪になったのは一時的で、今は黒髪に戻っていた。


「本当に良かった」


「師匠も無事で僕は良かったよ」


「でも誰が助けてくれたの?」


「騎士団だよ」


 まぁ嘘だけどね。騎士団に居たことバレたら色々面倒なことになる。


「そっか。本当に運が良かったわ。騎士団に今度お礼をしなければね」


「僕がしたからもう大丈夫だよ」


「でも、ちゃんとお礼は」


「大丈夫だから」


「そう……。あのジンを襲った副理事長はどうなったの?」


「わからない。ただ騎士団によると魔物が出たとか言ってたからもう」


「そうなの!?私達が魔物に襲われなかったなんて本当に奇跡みたいね。でも何かあの時は綺麗な光と、黒い人をみた気がするの」


「そ、そうなんだ。不思議だね」


 と、平和に会話をしていると、病室の扉が開けられた。


「おいジン!大丈夫か!」


 セン。そしてマル。


「大丈夫ですかジンさん!」


 そしてアイル。


「ジン大丈夫?」


「あ、あぁあ。大丈夫だよ。ここは病室だから静かにしようね」


「ダンジョンで怪我したかしらないが、入院してるって聞いて心配したが無事で本当良かったわ!」


「ジンさんがいないと困りますからね!」


「うん、だから静かにしようね」


「無事で何よりですよ!」


「ジンが無事なら安心だ!」


 全く聞いてないなこいつら。


 すると、リアスが僕の目の前に立って、セン達に言った。


「ジンが困ってるじゃないですか、やめてください!」


「いや別に困ってるわけじゃ……」


「ジンの友達か知りませんけど、大声は慎んでください」


 すると、センとマルは険しい顔をしていった。


「お、お前。この絶世の美少女はだれだ」


「こ、こ、こ、こんな美少女がジンさんを呼び捨てに?」


 アイルは誇らしげな顔で言った。


「ジンにもついに青春が来たか。私は嬉しいよ」


 ダメだこいつら。


「静かにしてください!」


 看護師だろうか、まぁそこはどうでもいい。その看護師の注意で4人は静かになってくれたのだから。


「で、ジンこの子は誰なんだ?」


「僕の師匠だよ」


「師匠?」


「もしかしてダンジョンにこの子と行ったのか?つまり、俺たちに女子とダンジョンデートするの隠してたのか?だから兄貴の名前出して嘘をついたと」


「ジンさん。説明してくださいよ。僕達に内緒でこんな可愛い子とダンジョンデートしてたんですか?」


「いや……別にデートでは。実際こうして怪我してるし」


「それとこれとは別です。ジンさんのこと信じてたのに。ジンさんは女性に興味がないというのは嘘だったんですね」


「見損なったわ」


「どの口が言ってるんだ?」


「何のことだ」


「僕達は何も知らないです」


 とぼけたな。


「何かわからないけど、とにかくジンをいじめないで」


 リアスは混乱しているのか、何故か僕がいじめられているということになってしまった。


「いじめてるわけじゃない」


「そうです。ただジンさんが男と男の友情を破った事を起こっているのですよ」


「そうなの?ならジンが悪いわね。男と男の友情は大事な物ってお婆様から教えられたことがあるから確かよ」


 お婆ちゃん子なのかな。にしてもどんなお婆ちゃんだよ。


「いや僕悪くないんだけど」


「え?――もうわからないので、みんな謝ってください!」


 ……どゆこと?


「……まぁ仕方ないか。すまんな」


「すいませんでした」


「すいません」


「すいません?」


 とりあえずなんとか虐め誤解は解けただろう。


「てかやばかったんだからな」


 センが話題を変えて話出した。


「何が」


「神の怒りだよ」


 何だ?


「神様が怒って光を放ったんですよ。神怒光事件って言われてます。ジンさん達知らないんですか?」


「知らない」 


 そんなお伽話みたいな事があったなんて。


「王都に巨大な白い光の柱が出来て、街は神様がお怒りだって大騒ぎだったんですから」


「そうなんだ」


 白い光の柱……。あ、これ僕のか。そんな噂になってるとは。でもいいな。神の怒りか。


 そんなこんなで、僕とリアスは退院した。学校や家にも報告はされたが、まぁ怪我もそこまでと言うことで大ごとにはならなかった。


 ただ問題というか気になることがあるとすれば、消えた副理事長の噂だ。


 『失踪した副理事長』という噂が学校中に広まっている。中にはこれまで理事長を裏から操っていたのがバレたとか、裏で犯罪を犯して逃げたとか、色々な噂が飛び交っていた。


 まぁそこまではいい。


 ただゼイガルニク失踪事件、神怒光事件、これに騎士団が動き出しそうな感じだし、どうなることか。


 とは言ってもまぁ大丈夫だろう。いずれ噂は勢いをなくし埋もれていくのだ。


 まぁ開けた穴はまだ塞がらないだろうけど。一応あの城だけは残しておいた。

第24話の最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。


 これで【一章】は完となります。【二章】も応援よろしくお願いします。


画面下部にある 【ブックマーク追加】【★★★★★】を押していただくと嬉しいです。



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