会いたいキモチ
アタシはケータイの着信音で目を覚ました。
あ、アタシいつの間にか寝ちゃってたんだ……。
体を起こしてケータイを見ると――アツムからの電話!
「あ、アツム――? 」
ちょっと、ほんのちょっとだけ、声がかすれた。
『咲? 電話するって言ったのに、悪いな』
アツムの声が、アタシの体にしみこんで来る。
その声が、とても優しくて、アタシは思わずどきりとした。
「ううん。お仕事だったんでしょ?
忙しいのに電話してくれてありがとう。
声が聞けただけでも、嬉しいよ」
『――声がいつもと違うけど、寝てたのか?
本当はもう少し早く電話するつもりだったんだけど、
以外に時間掛かってしまって。
日付も変わったから、メールにしようかとも思ったんだけど、
俺も咲の声聞きたかったしな』
アツムはいつもよりぶっきらぼうに言ったけど、
それって照れ隠し……なんだよね?
「ねえ、アツム?
アタシのこと、好き? 」
電話口のアツムはちょっと間を置いてから、
さっきよりもっとぶっきらぼうに「ああ」とだけ言ってくれた。
アタシは嬉しくて、恥ずかしくて、くすぐったくて。
ちょっと涙が出そうになった。
『明日は時間あるから、いつものところで待ち合わせな。
あと、ドリル。
忘れんなよ?
じゃあお休み。子供は早く寝なさい』
そう言うとアツムからの電話は切れた。
たった三分くらいの電話だったけど、
アタシはすごく嬉しくて、やっぱりアタシはアツムのことが大好きだって再確認した。
――また考えなしに言っちゃったけど、今回はいいよね?
だって……アツムのキモチがちゃんと聞けたんだし。
アタシはケータイを胸にぎゅって抱いたまま布団に入った。
嬉しくて、どきどきして、なんだか眠れないけど、
はやく明日になってアツムに会いたかったから――。




