勉強……しますか。
エントランスは大理石? なのかな。
やたらとゴージャスで、無意味に広い。
まるでホテルのロビーみたいで、奥のほうには豪華な椅子やテーブルが何個かある。
「これ……だよね? 」
アタシはアツムに聞いた部屋番号のボタンを押す。
これが玄関のチャイムを鳴らすらしいけど……。
おかしいな。
アツム、もしかして寝てたりする??
何度か押してみたけど、何の返事もない。
アタシはケータイを取り出すと、アツムに電話しようとした。
「あれ? 着信? 」
ケータイを見ると、着信を知らせるピンクの光が点滅してる。
――留守録1件――
誰からの録音? と思ってケータイを耳に当てると、そこからアツムの声が聞こえた。
『もしもし? 咲? 急な仕事でこれから出かけなくちゃいけなくなった。
すぐ戻る予定だから、ちょっと待てるか?
とりあえずまた電話する』
「え~~~っ」
な、なにそれ?!
アタシはボーゼンとしてケータイを見る。
……仕事……。
仕方ないってのは分かるけど、分かってるんだけど。
やっぱり、寂しい――。
別な日ならともかく。
なんで、今日なのよぉ……。
アタシは仕方なくエントランスにある椅子に腰を下ろした。
よし。
こうなったら何時間でも、アツムを待ってやろうじゃないの!
そうだ。
ついでに勉強とかしてたら、アツムが褒めてくれるかも知れない。
そう思って勉強道具を取り出す。
このテーブルは以外に広いから、勉強もしやすそうだ。
ちらりと腕時計を見ると、時間は10時丁度を指していた。
――早く、帰ってくると良いな――
アタシは参考書を開きながらそう思っていた。




