ヒロイン
姫蘭梨sideです
会ってないのはあと一人。
一番会いたいのに、会えないなんて。
自分の思い通りにならないなんて不快だわ。
「なんで自分で探さなきゃならないのかしら?
こういう時のためにお助けキャラが居るんじゃないの?
ほんと・・・ありえないんだけど」
まあ仕方ないわよね。
ゲームでもこうだったんだから。
でも、やっぱり不便。
ゲームだったらアイコンが見えるんだもの。
「・・・・顔合わせ終わったら、仕事してくれるわよね?
してくれなきゃ逆に困るわよ。
こんなに良いお姉ちゃんを演じてるのだから。
まあ、あの子は私の事をちゃんと慕ってくれてるし、
心配は要らないわよね。」
問題は今優羽くんがどこにいるかよ。
面倒だし、さっさと進めたいから今日中に顔を合わせたいわね。
私のこと、よくないと思ってる人もいるみたいだけど・・・
どうせ私のヒロインマジックで全員虜になるんだし、関係ないわよ。
第一印象が全て、とか言ってる人もいるけど
私はそうは思わないわ。
だって、第一印象最悪だけど、気付いたら恋してた・・ってシチュエーション、よくあるじゃない。
「・・・・でも、気に入らないわ」
あの妹。
今日なんか、早速霧生くんに近づいちゃって。
最後には泣いちゃうのに。
叶わない恋なんてして、なにが楽しいのかしら?
私には理解できないわ。
相手が幸せになれば幸せっていう考えの恋愛なんて、絶対楽しくないと思うもの。
少なくとも私はそう思う。
それに・・・ねぇ?
失恋して泣くなんて哀れじゃない。
見てて残念じゃない。
面白くないわ。
「・・・あーあ。なんだか萎えちゃった。」
こちらが昔から、散々引き立て役につかってたっていうのに。
ずっとずっと、お姉ちゃんお姉ちゃんって・・・。
哀れで残念で愚かで・・・なんて言えばいいのかしら?
可哀想?
まあ、こっちとしては愉快だったのだけど。
「・・・・あら?」
偶然、視界に会いたかった人物をとらえた。
儚げな表情
可愛らしい仕草
男子にしては華奢に見える体。
・・・ラッキーじゃないの。
やっぱり私はヒロインなんだわ。
この世界は、私中心に回ってる。
ふふ、ふふふふ・・!
やっぱり・・・やっぱりね!
何が妹よ。
知らないわそんなの。
「・・・ねぇ、ちょっといいかしら?」
「え?あ、はい、僕でよろしければ。」
「私、貴方のことが気になるの。
私は桜月姫蘭梨。貴方は?」
「は、はあ・・。僕は幸村優羽ですけど・・・」
だって、ヒロインは私よ?
恋だって、友情だって、何もかも私中心。
この世界は私のモノ。
かっこいい王子様達も私のモノ。
邪魔する人なんて許さないわ。
「うふふ・・・やっと、ゲームが始められるわ」
だから、ねぇ、王子様。
私のために、踊ってちょうだい。




