節分。
イベントやりたいだけ。
「干瓢は煮えたかな…ん♪準備よし!」
キッチンでは酢飯が冷めるのを待ちながら、手際よく卵焼き、胡瓜、桜でんぶ、刻み生姜、白ごま、そして先程出来た干瓢を用意した。
「酢飯が冷めたら…秘伝の胡麻油♪」
簾の上に海苔を乗せて…ご飯。具材を均等に乗せて白ごまを振って♪
まく。まく。まく。まく。
「出来ました!太巻き♪」
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
節分って準備はどうするのか?
「豆って何豆だ?」
初めから躓いた!
考え出すと切りがない。
やれ鬼は何鬼だの、枡はどうするとか。
「うーうーうー。」
「伝説怪獣?」
「ウー。ってデレデレ母さん遊ばないで下さい!」
「何を悩んでるの?」
「実は………」
ヤンデレは節分で何を用意するか分からない事を伝えた。
「仕方ないわね。一緒に準備しましょ?」
「ありがとう。でも、デレデレちゃんの方は?」
「あの娘は一人の方が早いのよね。とりあえず文明の機器を使いましょ?」
節分で用意するのをメモ書きする。
黒豆。鬼の面。
柊(枝ごと。)
鰯の頭?
「ホントにこれなの?」
「先ずはやってみましょう。」
画用紙に鬼の絵を描く。
デレデレ母の鬼は福笑いを失敗したような感じだった。
ヤンデレのは赤色の肌に黄色い角、つぶらな瞳にふっくらした唇。夜の蝶みたいな鬼だった。
「デレデレ母のは無いわ~。」
「ヤンデレちゃんは上手だけど可愛い鬼娘だね。」
「お面は出来たけど鰯の頭って何に使うの?」
「玄関に飾るんだって。」
ヤンデレは玄関の高い場所に鰯の頭を柊の枝で打ち付けました。
「えぐいよー。なまぐさいよー。」
そして、デレデレを驚かせようと鬼の面をつけました。
「おにだぞー!」
だけどデレデレちゃんはニコニコしたままです。
「おにだよ?こわいよ?」
「きゃーっ♪♪こわいから見られないー♪♪」
デレデレはヤンデレにしがみつきました。
「おにだよ。」
「うん♪」
「こわい?」
「うん♪♪♪」
今日は節分。
鬼は外の声があちこちで聴こえる中、我が家だけは。
「鬼はこっち!」
「お母さんは駄目!鬼さんこちらだよ~!」
母娘はふらふらの鬼を取り合っていました。
節分って地方色がでますよね。