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105/106

カラクレナイ#105 優しくなった……のか?

ちょっと短い

急に何言い出すかと思ったら…これをやれってか?無理に決まってんだろ。音速のほうが……というか出来るかできないで言ったらやや出来るよりの音速と比べるもんじゃ無い。できないよりの不可能だ。筋肉だけで空間を真空にするって……わけわからん筋力すぎるだろ。控えめに言って同じ種族か?吸血鬼だからって限度もあるだろ。


悲しくなるぐらいライノを心の中で罵倒していると、質問以降無言を貫く俺が気になったのかライノが背後を振り向く。奴の顔は相変わらずぶっきらぼうではあったが、以前と違い眉間の皺がなくなり目も真っ直ぐとこちらに向いていた。

この真っ直ぐな顔……俺のこと差別しなくなったのか?これだから混血は、だとかの言葉は予想してたが……これは予想外だ。まさかライノが態度を軟化させるとは…そういえばライノが混血を嫌ってる理由をまだ知らないな……関係あんのかな。


「その顔……無理とでもいうつもりか?我輩の指導を受けるのであれば最終的にはこの程度できてもらわなければ……まぁ良い。今は未来の話ではなく現在の話をしよう。」


ちょっと刺してきたが…随分と浅いなぁ。廊下で聞いてた時はもっと骨まで届く(言葉の)ナイフだったような記憶があるが……


「なぁ、今のあんた、あの時と比べて俺に随分と優しいじゃねぇか。一旦どうしちまったんだ?」


「……単純に、貴様なぞいつでも殺せるからな。混血を野放しにするのはムカつくが、戦があるのだろう?魔界の民のためであればどんな手段でも使ってやろう。」


貴様は使えるからな、そういうとライノは大剣を背中に納め、再び前を向いて歩き始める。なんも合図がないがついてこいってことでいいのか?

ライノに使えると思われてるっていうのはなんか複雑だけど認められたってことか……そもそもこいつは師匠に言われてもう俺に危害を加えることはないだろうし、今更だがこいつのこと信用できるのか?まぁ教えようとしてる雰囲気はちょっとだけ感じたし……一旦このまま付き添ってやるか。


「……なぁ、なんであんたって混血のこと嫌いなんだ?そんな純血が好きってわけでもなさそうだし…」


いまだに俺はこいつの立ち位置がわからない。混血が嫌いと言っている割には権力者や金持ちのことも嫌いだって言ってるからな。純血至上主義っていうのは結局自分の力を脅かされたくない上流階級の奴らが作ったものだ。そこに属してるくせにそいつらも嫌いとは……矛盾とも言えるんじゃないのか?

俺の質問を聞くと、奴は歩みを止めて静かに空を見上げる。数秒の間あたりは冷たい北風の音に包まれ時が凍えるかのように止まった。沈黙を破り、ライノは口を開こうとしたが、出そうとした音が言葉にならないようで、そのまますぐに口を閉じてしまった。そして無言のまま前を向きまた歩き始めた。

そこまで精神的にくる質問だったのか……過去にこいつの身に何があったんだ?これまでの男がここまでしおらしく見えるほど辛い出来事とは……やはりなんかの試合か何かで混血に負けたとかなのだろうか……?いや、そんなこと引きずるほどライノは小さい男じゃないだろう。できなかったことは素直に認めるタイプだ。とはいえあんな顔されちゃ、これ以上深くは聞けないな。


しばらく互いに言葉を交わさずに黙々と前に進み続けていたが、急にライノが口を開いた。


「貴様が私の与えた課題を全て合格した暁には貴様の疑問も含め、全てを曝け出してやるわ。」


ずっと前を向いているため表情はわからないが声色は非常に優しくこちらを気遣っているのであろうということは理解できた。一応答えてくれるんだな。やはり妙にライノが優しいな…師匠のおかげか?こんな質問した罰とかなんかで殺そうとしてきてもおかしくないような男だったが。というか課題って結局なんなんだ?身体能力を鍛えるってんだから筋トレ1万回?


「じゃあ先に課題を教えてくれよ。もしかしてこれも疑問扱いされないよな?」


「ふっ、そうしてやってもいいのだがな。いちいち聞かれるのも面倒だ。しょうがないので教えてやる。」


「明日からの1週間でここの前線を1000m上げてこい。さすれば貴様の力量も上がっているだろう。」


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