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カラクレナイ#103 自信満々な手本

「っ!あんた、あそこからここまで飛んできたのか!?」


とんでもない跳躍力だ……到着前に見た時の目測で大体800m、ここからだと600ぐらいか?あとで行こうと思ってたが、まさかライノが自分で飛んでくるとは……こっちからいく手間も省けたし、何より願ってやまない援軍!こいつ相手に一人はまだ俺のレベルじゃ厳しいからよかったぜ。なんせこの血腫ども全部がこいつ(将軍)なんだ、流石に一人じゃ捌き切れん。まぁ、教えを乞うのはまた後にして、今は目の前の血腫どもをぶっ飛ばすところからだ。


「何を驚く必要がある。我輩は四聖の一人、貴様の常識なぞ当てはまるわけないだろう。少しは考えてから物事を言うんだな。」


……ここは相変わらずだな。こいつの口が良くなることなんて天がひっくり返ってもありえ無いだろうな。もうちょっと考えて言えだぁ?てめぇがこっちに合わせろってんだ、こんバカ野郎。あぁーなんだかこいつと共闘すんの嫌になってきた……

一度は殺されかけた身だ。嫌じゃなくなるほうがおかしいっていうの……まぁ、仕方無くだ。それ以外に方法がないんだったら選ぶしかない。ったく癪に触るな!後でストレス発散しなくては……!おっ!手軽に殴れるサンドバッグが沢山いるじゃないかー!うおーっボコしてやるぞ!!


「……あとは俺に任せておけ、貴様は見ているだけでいい。」


「はぁ?なんでそんな……っ!」


「学びにきたのだろう。なら見て学べ、実習はそのあとだ。」


え、なんで知ってんだ……?俺のこととか気にしないと思ってたのに……いや、城で師匠にどやされたんだな。間違いない。簡単に想像できるもんな。けど俺が学びにきたのは身体能力の上げ方というか、効率的な鍛え方というか……別に戦いを見にきたわけじゃないんだがな……実習って血腫をボコることだろ?やはりこいつは俺を不安にさせるプロなのか?カリキュラムに問題はないよな?教える内容合ってるか?……まぁいいや、見るだけタダだし、見といてやろう。さて、ライノは血腫相手にどんな立ち回りを……


「ぬんっ!!!」


早い!一気に踏み込んで大剣での兜割り!俺を殺そうとした時もそうだが、あいつは大剣をただの短剣かなんかのように振りやがる。確かに身体能力が高くないとできない芸当だ。

だが将軍も負けてない。こちらはライノと違ってそこまで力に頼っていない、どちらかと言えば技量だろう。あいつの使う武器が特殊だからなのだろうが、振り方に技術が見え隠れする。例えば切り返し、大胆に袈裟斬りした後に微妙に角度を変え、ライノの剣を受け流す。なるほど、こうやって見ると確かに学べるものはある。だがそれが身体能力の向上につながるかというと……微妙だな。うん。


「ナカなかやるようダ……ガこれはドウダ?」


そういうと将軍は再び左腕を上げ射撃の指令を送る。そしてしばらくしないうちに上空からこの戦場に血槍が降り注いでくる。チッ、俺も狙ってんのか?やな野郎だぜ。これだけであれば別に避けれるのだが…ライノは身体が大きいからな…避けるのに苦労してるんじゃないだろうか。

そう思ってライノを見ると、一つも避けずにそのまま将軍と斬り合うあいつがいた。ライノは何発も血槍をまともに喰らっているのにも関わらず傷一つなく、怯むこともなく大剣をぶん回している。嘘だろ……?あの大砲のような血槍を…?いや、今思い返すとあいつ、俺の砲で少し焼けた程度のダメージしか受けてなかったな。なるほど、これも身体能力ってわけですか。全く参考にならないなぁ。どうやったらそんな鋼のような身体が手に入るんだよ……


「ちょこまかと……っ目障りだぁっ!!」


するとあいつは大剣を周りの血腫に向かって投げ飛ばし、ばったばったと雑魚を蹴散らしていく。次第に大剣の回転が竜巻を生み、血腫をさらに巻き込み血の竜巻が出来上がる。将軍もこれは予想外だったようで、今まで一度も後ろに下がらなかったのに少し狼狽えたように目を細め一歩後ろへ仰け反る。

ライノはその一瞬の隙をつき将軍の手裏剣を力強く踏んで固定し、手首に勢いよく手刀を振り下ろす。その結果将軍の手首は激しくひしゃげ、攻撃ができない状態になってしまった。吸血鬼や血腫の再生っていうのは切り傷や切断には強いが、こういう身体がありえない方向に曲がったとかの状況には弱い。切り傷やらはただ細胞を分裂させるだけで済むが、ひしゃげるとなるとそのまま再生させると曲がったままになるからだ。そのため元に戻してから再生させないといけなく時間がかかる。ちゃんと頭使って戦ってんだなライノって……脳筋かと思ってたが、思ったよりも作戦を立てれるようだ、いやほとんどフィジカル頼りなんだが。


そんなこんなで腕がひしゃげた将軍は焦ったように手裏剣から手を離し後ろに下がったが、ライノがそれを許すはずもなく、無事に脳天からかち割られたわけだ、俺もあんなふうにかち割られたなぁ、懐かしい。俺は左側を捧げて生き延びたが……将軍は真ん中から綺麗に裂け、しばらく立ち尽くした後、そのまま地面に膝をつき絶命したかのように見える。

……思ったより大したことなかったか?とは言え戦ったのはライノだから大したことなかったように見えただけだろう。俺が戦ってたら大苦戦してたはずだ。でも……なんか違和感が……俺は将軍を血腫全てがこいつと表現した。もし…ただ操っているだけでなく、意識を移せるとしたら?


「ウゥゥ゛ゥゥ゛ゥッ……!!」


「チッ、マジかよ……」


嫌な予感は的中し、竜巻から逃れた一体の血腫が、よたよたと近づいてくる。そして離れたところで立ち止まったと思ったら全身が膨張し、元からかけ離れた身体に変形していく。気づけば3m程度の肉の柱になり段々と人の形になっていく。

もちろんそれをライノが黙って見ているはずもなく、すぐさま回収した大剣を構えて切りかかる。だが、もはや鈍器のようなライノの大剣ではぶよぶよとした肉の柱に弾かれるばかりで全く傷を与えられない。しばらくして肉の柱は身長3mのおおよそ人の形をした何かになってしまった。すると全身から滴る血が蠢き始め、段々と鎧が作られていく…そうして見た目がほぼ将軍になると赤い目が開き、再び動き出す。


「ニかいセンメダ。こい」

相性の問題

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