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アトラクション  作者: 藤臣


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プロローグ

「二十年か」


 タカオは朝霧の立つ丘の上で、小さく息を吐いた。ジーランティアへ来てから二十年。もうずいぶん遠い場所まで来てしまった気がする。過酷な環境の中で、いつ死んでもおかしくはなかった。


 最初は生き延びるだけで精一杯だった。


 今では畑を耕し、狩りに出て、冬が来る前に干し肉を蓄え、街の子供たちに文字を教えることまで日課になっている。人は驚くほど環境に慣れる。たとえ空に三つの月が浮かび、森からオーガが薪を売りに来て、隣家に住むゴブリン夫婦が朝から夫婦喧嘩をしていたとしてもだ。


 それが毎日なら、それはもう日常になる。


 今日も広場では市場が開かれていた。人間が焼いたパンをドワーフが売り、オークが鍛えた農具をエルフが値切る。議場の鐘が鳴れば、この季節の議長を務めるリザードマンの領主が姿を見せるだろう。


 種族などという言葉は、この土地では血筋を説明する程度の意味しか持たない。皆、生きるために混ざり合ってきた。


 ただ一つだけ、誰も混ざれないものがある。


 街の外だ。


 野には怪物がいる。人を食う狼。岩より硬い甲殻を持つ甲虫。家ほどもある牙獣。季節ごとに縄張りを変える飛竜。彼らは意思ある種族ではない。


 嵐や洪水と同じ、この世界の自然そのものだった。だから今日も狩人は森へ入り、兵士は街道を巡回し、冒険者は依頼を受ける。


 それだけの話だ。……少なくとも、この街では。


 以前なら恐れていたはずの森の奥へ、今では一人でも入れる。便利になったのか、鈍くなったのか、その違いをタカオにはまだ言葉にできない。言葉にしてしまえば、後戻りできなくなる気がした。


 その躊躇がどこから来るのか、答えは簡単だ。


 10年前、仲間だった二人が、人間とは呼べなくなった。


 死んだのではない。もっとなにか別のものに変わってしまったのだ。最初は同郷のマサキだった。彼は象ほどもある岩獣を、一人で殴り殺した。


 英雄譚のような出来事にアカデミア号の面々は湧いた。日毎に増していく肉体の力が、皆に喜びを与えていた。


 最初は、少しだけ身体能力が高くなる程度だった。疲労を感じにくくなる。傷の治りが早くなる。暗闇でも遠くまで見えるようになる。


 しかし時間が経つにつれて、変化は単なる便利な能力ではなくなった。


 マサキが仲間よりも早く力をつけていくと、ある変化が起きた。彼は傷ついた仲間をあまり心配しなくなった。食事の席にも顔を出さなくなった。仲間を労わる言葉も減っていった。やがて彼の話す内容を、誰も理解できなくなっていった。

 

 マサキは今でも自分の名前を覚えている。昔の友人を覚えている。しかし、人間を見る目だけは変わってしまった。彼にとって、普通の人間はもう同じ種族ではない。


 それは憎悪でも軽蔑でもない。


 ただ、関心がないのだ。人間が小さな動物を見て、その生態に興味を持つことはあっても、その一匹一匹の一生に心を痛めることはないように。彼にとって、多くの人間はその程度の存在になった。


 それでも、彼はまだ人間だった頃の記憶を持っている。だから時々、昔の仲間の墓の前に立つ。何を思っているのかは、誰にも分からない。彼は仲間の輪から離れてしまった。


 変化は順番にやってきた。飛び抜けて優秀な者から順番に。


 マサキ、そしてエリー。少なくともタカオの順番はまだだ。だがそう遠くないうちにそれはやってくるかもしれない。そのような漠然とした恐怖を抱くようになった。


 全てが元通りになって、故郷に帰れればどんなに良いだろう。アカデミア号の船室の寝床に戻るのでも良い。もっと言えばここに到着した瞬間でも良い。少なくともあの頃ならまだ誰も死んでいなかった。仲間が死ぬ前なら、皆で同じ焚き火を囲み、「きっと帰れる」と本気で信じられた。


 思い出せば辛くはある。それでも、この街が嫌いなわけではない。嬉しいことも、楽しいことも、この道の先に続いているという漠然とした確信がある。なにより人々と関わっている間は安心できるから、それほど心配するようなことはないのかもしれない。


 そういえば昨日も、あの女は突然現れて突然消えた。何年経っても、あの人が何を考えているのか分からない。別に分からなくても良いような気もする。


 それに、他のことなら分かっていることも多い。


 ジーランティアは、人間を進化させる場所ではなかった。


 人間が何になるのかを試す場所だった。

 はじめまして。

 この作品は。フリー版ChatGPTによる製作補助を受けています。評価・検証・改善アイデアなど、出版社の編集さんがやってくれることを任せる使い方です。要は、商業活動をしていない素人作家に、担当編集が助力してくれたらどの程度の物が作れるんだろう?という実験的なAI利用作品です。

 作品のプロットや物語構成は自分で考え、調整や整合性はAIに任せています。これで素人作家が商業作品の60%くらいの完成度で小説を書けるなら、なかなか面白いよね~?くらいに思ってください。

 今後少しずつ書き足していきますので、長い目で見てください。よろしくお願いします。

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