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「それじゃあ、報酬はアーミアント一体につき30ゴールド。スライムやその他小型モンスターも同様。あー、ただ、まだ細かい料金は決めてないんだ。でも、下級の小型モンスターなら一体で50は越えない。中級の場合は50から200近くはいくから、そこだけは承知しといてくれ」

「分かった。予算は3,000ゴールド近くある。出来ればアーミアントに集中してくれると助かる」

「分かった」


 数十分の打ち合わせの後、依頼内容と報酬の確認が無事に済んだ。



 帰っていく衛兵達を玄関まで見送り、席に戻る。

 早速作戦会議を開くとしよう。


「さて。スレイヤー屋への討伐依頼だ。どうするか······フルト、表に居るフラン達を呼んできてくれ。そういや、ナズはどこに居るんだ?」

「ナズ君は奥の部屋で勉強中だよ」

「そうか。なら、ナズはそっとしといてやろう」


 ナズを除いた五人を集め、会議を開く。


「という訳だ。昼飯を食ったらすぐに出発する。相手はアーミアントだから大した事ないが、万一のために俺は行く。で、だ。残り二人ほど連れて行きたい」


 四人を見回す。みんな俺の次の言葉を待っていた。


「まず一人は同じく戦闘担当がいい。俺一人よりも二人で駆除してった方が効率いいからな」

「あっ、オラ行きてえだ! あ······。あ、あの。他の皆が嫌じゃなかったらだけども」


 と、勢いが急速に落ちるターナをフォローするかのようにフラン達が首を横に振る。


「私はターナちゃんで良いと思うな。だって、数少ない前衛だもん! それに、稼ぎたいもんね」

「私もいいと思う。さっきの森での戦闘も凄かったから······」

「僕も特に反対理由は無いよ。いいんじゃないかな」


 満場一致で一人目のメンバーはターナに決定した。


「二人目なんだが、モンスターに詳しい専門家。つまりフルトかルッカに頼みたいんだが······」

「えっと、私は······」


 目を伏せるルッカ。それを察知してか、フルトが名乗りを上げた。


「なら、僕が行こう。ルッカは調査で疲れてるだろうし」

「そうだな。なら、二人目はフルトに任せよう。フラン、ルッカ。それでいいか?」

「オッケー! ルッカちゃんとナズちゃんと一緒に留守番してるね」

「ご、ごめんねフルト君、トレイル君。私、あんまり体力に自信無くて······」

「気にすんな。な、フルト」

「うん。ルッカ程じゃないけど僕もモンスターの生態には詳しい。代わりに役立ってみせるさ」


 出撃メンバーは決まった。



 勉強していたナズも呼んで昼飯をみんなで摂り、午後の予定を互いに確認する。


「す、すみません。お仕事の会議をしていたのに、私、一人で籠ってて······」

「いや、俺がそう判断したんだ。それよりすまなかったな。一人だけ放置して。除け者にしようと思った訳じゃないんだ」

「あはは、分かってます。トレイルさんはそんな事はしませんから」

「ああ。だが、今度部屋に籠る時は事前に俺に言うんだ。勉強を手伝ってやる。手取り足取りあんな事やこんな──ゴッどっ!?」


 案の定飛んできたフランオタマスマッシュによって、シチューに鼻から突っ込んだ。





「じゃあ、留守は任せるぞ」

「いってらっしゃーい!」


 昼食後。

 俺、ターナ、フルトの出撃組は依頼にあった南東区画を目指した。


「ふーむ。しかし、防壁の内側の住宅街か。そこにモンスター騒ぎ······」

「防壁のどこかが崩れてるんだろう。エドルザードのようなモンスターが壊したりする事もあるしね」


 魔王軍との戦いによって防壁その物がひどく傷んでいるのが大きいだろう。そして、それを大々的に直す金も無いようだ。


「そこで俺らの登場って訳だが、素直に喜べんよなあ」


 同じ町の中なので、目的のエリアにはすぐに着いた。中枢区画をさらに南下した辺り。南門と東門の間の場所だ。最初に行っていた森も、この辺りの小門から出入りして行ってた。


「なるほど。ここら辺は閑静な住宅街ってとこか」

「うん。かなり大きな林みたいだ」


 住居がちらほらあり、その後ろがちょっとした丘になっているようだ。そこは木に覆われて森のようになっている。


「俺らの拠点の周辺に似てるな」

「これじゃあモンスターが出てもおかしくねえだわなあ」


 民家の間を抜けて、住人が使ってるであろう私道を入っていく。既に自治会長からは許可を得ている。


「改めて、二人とも依頼の確認だ。この林に出現するモンスターの駆除。特にアーミアントが多いらしい。一体につき30ゴールドだ。モンスターが出現しなくなったら、成功報酬として追加で200ゴールド貰う」


 とりあえず、エクアル村の時と同じ方式でいく事にする。

 ターナとフルトも了承した。


「任せるずらよ!」

「小型モンスターが相手なら僕も戦力になれそうだ」

「よし、二人とも頼むぞ」


 しばらく林の中を歩く。

 町の中だから外の森ほど鬱蒼とはしていないが、この感じならモンスターが住み着いてもおかしくはない。


「たしか、こっちの方から南門の横まで川が流れてるんだったな」

「うん。僕らの拠点の上からこの辺りまで。町を貫く一本の川だね」


 川か。

 用水路は外側と繋がってるから、そこからもモンスターが侵入しやすくなる。


「あっ、店長、フルトさん! あそこに居ただ!」


 ターナが声を上げて指差す方にはアーミアントが数体居た。ちょうど今話していた用水路があり、そこに集まってるようだ。


「モンスターが蔓延ると水質も汚染される。早めに駆除した方がいいね」

「おう。ターナ、やるぞ。フルトは後方支援頼む」

「んだ!」

「よし」


 背中からハンマーを引き抜いて、ターナが駆け出す。俺もその後に続く。


 アーミアント達はまだ気づいておらず、俺らの奇襲はそのまま成功する事となる。


「だりゃ~!」


 ──バコーンッ──


 ターナのぶん回しハンマーがクリティカルヒットし、化け物蟻が吹き飛ぶ。


 仲間がやられたのに気づいて牙を剥く残りの奴らの首間接部に刃を通し、その一団を殲滅した。


「ふう。ターナ、ナイスインパクト」

「へへ、やっただよ」

「トレイル、あっちにも!」


 初戦は鮮やかに終わらせたが、まだ油断はしない方がいいな。


 周囲には似たようなアーミアントのチームがまばらに存在していた。


「さ、こっからが仕事だぞ」



お疲れ様です。次話に続きます。

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