表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
46/64

「精鋭」

「虎次郎」


「はい」


「伊の関所の前線、まだ厳しいのか?」


「はい。四の国の兵だけでは、維持するのが難しいようです」


「では、援軍を出そう」


「何人ほど?」


「……」


「姫様?」


「多ければよいのか?」


「数が多いに越したことはありませんが」


「なら、少ない兵でも強ければよいのじゃな」


「そうなります」


「では、強い者を集めよう」


「精鋭を?」


「うむ」


「何人ほどにいたします?」


「数は少なくてよい」


「よろしいので?」


「たくさん送って、九の国が空っぽになったら困るじゃろ」


「それは確かに」


「だから、少ない人数で前線を支えられる者を選ぶ」


「承知しました」


「ただ強いだけでは駄目じゃ」


「と申しますと?」


「勝手に突っ込む者は入れるな」


「……」


「前にも似たようなことがあったじゃろ」


「伊の関所の件でございますね」


「うむ」


「功を焦って深追いした、と」


「そういう者より、ちゃんと戻ってこられる者がよい」


「なるほど」


「守るべきところを守って、無理をしない」


「はい」


「味方が困っていたら助ける」


「はい」


「それでいて、必要なときには戦える」


「かなり条件が多いですな」


「精鋭じゃからな」


「おっしゃる通りでございます」


「虎次郎」


「はい」


「お主が選べ」


「私が?」


「うむ」


「よろしいので?」


「お主が一番、兵のことを知っておる」


「……承知しました」


「強い者を集めるのじゃぞ」


「はい」


「でも」


「はい?」


「強いだけの者は駄目じゃ」


「承知しております」


「帰ってこられる者を」


「はい」


「九の国の兵として」


「お任せください」


「では、少数精鋭じゃ」


「はい」


「伊の関所へ送ろう」


「承知いたしました」


「……」


「どうされました?」


「少ない人数で済むなら、残った兵も安心じゃな」


「そうですね」


「皆、帰ってくる場所が九の国じゃから」


「はい」


「なら、九の国を空けるわけにはいかん」


「その通りでございます」


「よし」


「はい」


「精鋭を頼むぞ」


「お任せください」


「あと」


「はい?」


「ちゃんと飯を食わせてから行かせるのじゃ」


「もちろんでございます」


「それなら安心じゃ」


「戦より先に飯の心配をなさるとは……」


「腹が減っては戦えんじゃろ?」


「おっしゃる通りでございます」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ