20話
今僕は、ボートに乗っている。
「あぁ〜ったく!なんでこんな遠いんだよ!」
ユキトが怒っている...。
僕は特に拘束されていないので黙って座っている。
ここは海(?)のど真ん中(多分)だし、逃げたくても逃げられない。普通に怖いし泳げない。
というかこのボート大丈夫かな...沈まないかな...。この人めっちゃ頑張って漕いでるけど...。
「あーやべ、つっかれた〜...」
あれ、さっきこんな口調じゃなかったよね?気の所為?
そうこうしているうちに、陸が見えてきた。
「はー、やっとか...。.......あと少しの辛抱だ...」
「はい?」
「なんでもない。落ちんなよ」
「は、はい...」
***
ボートから降りて少し歩くと、大きな建物が見えた。ここが、ユキトが言ってた本部?
「おっと、忘れてた。両手出せ」
「?」
言われた通りにすると、ユキトが片手を僕の両手の上にかざした。
すると、魔法陣が手錠のように手を縛った。
えっ、今更?
「大人しくしてろよ」
黙って頷いた。
建物の入口には、2人が立っていた。微動だにしていない。
「ユキト様、お帰りなさいませ。そいつがあの...?」
「ああ。上へ通してくれ」
「承知しました」
硬そうな扉が一気に開いた。
2人に睨まれた。殺気を感じる...。
奥に進むと、昇降機があった。
ユキトは最上階のボタンを押した。
着いた。乗っている間の空気がとても悪かった。
一番奥の扉の前にも、警備員のような人が2人いたが、ユキトと僕を見て扉を開けた。
中には3人いた。
眼帯を付けた緑髪の男の子と、刀を持った男の人と、髭を生やした薄毛のおじさん。
おじさんが1番偉そうに待っていた。
「お、シグレじゃン」
「さすがユキトさん、仕事早いですねー」
「ユキト、御苦労じゃったな。下がってよいぞ」
「はい」
え、僕このまま?
「さて...。小鳥遊殿、突然すまないな。そこの2人にはもう会ったと思うが...」
「...?初対面ですけど」
「...はぁ、ユキトさん記憶いじっちゃったか」
「ふむ...どうしたものか...。記憶操作はあいつにしかできないからのう...」
「どうすンですか、ボス」
「ユキトは気まぐれだ...。記憶を戻すまでは牢にぶち込んどきなさい」
「「はい」」
はい?
***
牢にぶち込まれました。タスケテ。
「ねぇ、ホントに覚えてないの?あーんなに一緒に頑張ってきたのに!」
「そうだよォ、酷いなー」
「え、そうなんですか?」
「「あはははははは!!!」」
僕がキョトンとして答えると、2人は爆笑した。
からかったな...。
「お願いだ!!出してくれ!!!」
隣から叫び声が聞こえる。そういえば通る時いたなぁ...。
「うるさいなァ。あいつカオルが管理してる奴でしょ?なンとかしてよ」
「えー、殺しちゃ駄目って言われてるしなー。ちょっと脅せばいいか」
カオルと呼ばれた人が隣の牢に入っていった。
すぐに、声は聞こえなくなった。
「黙らせてきたよ」
「どーも。てか、ユキトさんは?」
「どっか出かけたんじゃない?あの人、幹部としての自覚あるのかねぇ」
え、あの人幹部だったんだ...。なんの幹部なのかな...。
「そろそろ行こうよォ、時間おしてる」
「そうだね」
2人が去った。
僕どうしたらいいの...。
ユキトがいないと記憶は戻らないみたいだし。
「はあ...」
自然と、また眠りについてしまった。
随分寝ていたと思う。
「おーい、何寝てんだ」
「うぐっ」
突然、頭を掴まれた。
あれ?ユキトだ。
「記憶戻してやるよ。ほら、帰んぞ」
「え、帰る...?」
記憶が頭の中に流れてきた。
全て、思い出した。
「...え、その腕」
ユキト...さん?をよく見ると、右腕がなくなっていた。
「利き手は左だし別にいい。不便には変わりないが」
「なんで...?」
「この組織抜けてきた。闇組織を辞めるなんて簡単じゃねぇし...俺は信頼されてる方だったから、右腕差し出すだけでも良かったのさ」
マフィアみたいなことするな...あのボス...。
「ていうか僕、来る必要ありましたか?」
「おー、あったあった」
「適当ですね」
「理由は教えらんねーよ。とにかく見つかる前に城帰んねーと」
「...ユキト...さん、何者なんですか...」
「そのうちわかる」
この人...裏が見えねぇ...。
あっ、アドルさん大丈夫かな。
結構傷ついてたけど...。
「え、何睨んでんだよ...。鍵開けたから行くぞ」
「睨んでませんよー」
***
なんとか脱出し、船に便乗して城に戻ってきた。
アドルさんには何度も謝られた。前にもあったような気がするこんなこと。
「お?お前、戻ってきてたのか?...右腕、どうした?」
王太子様が話しかけてきた!
「特に問題はありません。それより殿下...俺がいない間ちゃんと仕事してました?」
「し、してたしてたって、ユキト!」
「...えっ?」
ユキトさん、まさか...。
「あぁ、ユキトは長い間、ダーシャに諜報員として潜入してたんだ」
「えええ!?」
「改めまして、ユキト・シャルアと申します」
ユキトさんは綺麗にお辞儀をした。
なんか似合わない。
「先程の無礼をお許しください。アドル様も、演技とはいえ失礼な事を」
「いえ、平気です」
...アドルさんもユキトさんのことを知らなかったとなると...城の人の大半は知らないのか...?
てか、なんで王太子様は笑いを堪えてんだ...?
「あの...ユキトさん...どっちが本当のユキトさんなんですか?」
「ぶふぉっ」
そう訊くと、王太子様が吹き出した。
「ははっ、今のはジョーダンだよ!社交辞令的な?」
「はあ...ビックリしました...」
「ぶっふぉおwww」
「殿下...?俺が戻ってきたからには仕事をきっっっちりとして頂きますよ.....」
「...はい」
おお、王太子様が素直に...!?
「というか、側近はどうしたんですか?」
「お前が怖くて逃げたんじゃないか?」
「あなたが逃げてきたんでしょう?」
「すみませんでしたッ」
ユキトさん..........強え...。
王太子様はユキトさんに連れて行かれた。
「...アドルさん、ユキトさんのこと知らなかったんですね」
「お会いしたのは初めてですが」
「え?」
「はい?」
***
「え?記憶戻ったって?マジで?」
「マジマジ。上手く話合わせて(?)くれてありがとう」
「お、おう」
ナイトにも報告したし、部屋戻ろうかな...。
ってあれ、部屋の前にユキトさんがいる。
「何か用ですか?」
「ああ、部屋にはいなかったのか。これ落としていたぞ」
「え、ハンカチ...あっほんとだ無い。ありがとうこざいます」
僕、ハンカチ落としやすいな...。
「じゃあ、またな」
「.....あの、腕...」
「え?...いいんだって、仕事上仕方ないことだし」
「...........」
でもなあ、片腕だとできること減るし...。
僕ならなんとかできるかもしれない。
「は?お前何して...」
「な、治れっ...!!!」
「.....はっ!?」
ユキトさんの右腕の切れている所が光った!
お願い、治って!
「.......嘘だろ...」
治って、いる?
「動く...すげぇ...」
「違和感は...」
「ない...」
良かった...。
「ダーシャの連中が噂してたけど...やっぱお前は...」
ユキトさんが憐れんだような目で僕を見た。
僕はそれに対し、
「僕は剣士を目指す男ですよ!」
と言った。
今回のゲストはキースさんです!
キース「よろしくお願い致します」
作者「未だに魔導師団長としての活躍を見せられてませんね。すみません」
キース「いえ、出させてもらえるだけでも嬉しいですよ」
作者「...では最初の質問です。ブラコンですか?」
キース「燃やしますか?」
作者「次の質問です。アドルさんのこと...好きですか?」
キース「凍らせますか?」
作者「最後の質問です。シグレさんのこと...好きですか?」
キース「埋めますか?」
作者「質問内容を改めなければ...それでは、ありがとうこざいましたー!」
キース「.....焼きますか...?」




