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「分かってのか」
「もっとプレスを」
「パスが」
「ダイレクトを」
頭がキンキンする。
俯いて垂れる汗が目に染みる。
いつもより疲れる。
「おい、聞いてるのか」
「聞いてるよ!うるさいなあ!」
キャプテンが私の肩を掴んで声を荒らげるから、その手を払い除けた。ピシッと音が止む。
荒い呼吸、ずっと落ち着かない。
なにか弁明する気もない。
上手くいってないのは私がいつものプレーが出来てないから。
私一人の調子で崩れる代表ならその程度だろう。
「移籍の事でピリつくのは分かる。けど、それは今関係ないだろう」
キャプテンが宥めるように言う。
頭に血が登りそうで、いくらでも暴言が吐けそうだ。
お前には関係ない。
関係がないなら私はもっと上手くできてる。
夕陽が見に来てる。
そうだ、夕陽が見に来てるってお母さんは言った。
チケットを夕陽ママに渡したからきっと見に来てくれるって。
だから、焦る。




