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「知らなかった。あ、そういえばチケット貰ってないや……」
今までは、そういう大切な試合だと必ずチケットをくれて、ママかパパと試合を見に行ったりするのに、今回は貰えてないんだって気付いた。
もう、見に来るなって事なのかな。
それはすごく悲しいこと。
心に重しが乗ったみたいに苦しい。
ズーンと気分が下がっていくし、泣きそうになる。
『1番安いもので五千円です』
「……ママに相談しないと」
もうダメだ。ウルウルとしていたら涙か普通に溢れてきちゃってポロポロ泣けてきた。
そんなタイミングでママが部屋に入ってくるし、「ただいま……」って言葉が引っ込んで「どうしたの」って優しく聞かれてしまう。
色んな言葉が、千ちゃんとの事があるけど、涙の嗚咽が出るだけで話すことが出来なくなる。
ママがしゃがんで私の両手を包む。
視線を合わせてくれるけど、全然涙で顔が見えない。
「嫌なことがあった?」
私は首を横に振る。
「悲しいこと?」
千ちゃんとの事は悲しいって事なのか分からないけど、近い気がして頷いた。
「そう……。落ち着いたら降りてらっしゃい。ね」
「うん……」
ママは最後に頭を優しく撫でて部屋を後にする。
こんな風になるつもりは無かったし、学校では平気だったのに。
1人になって考え込んで、無視される形になって。
いつも「来て」って言葉と一緒に渡される物が無いって分かって、初めて悲しかった事に気が付いた。
『良い人ですね。……神凪好』
「私のママだもん……」




