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社会貢献を語る男7/10

僕の次のクエスト?はラスボスのエンダードラゴンに決まった。素人?相手にやらせる仕事ではない。


「倒したら勝手に先に進むなよ。僕を呼びに来い。僕が行く」


念押ししてて草


「分かりました。そうします」


ローランド・アドラムはというと記号化したエンダーアイを二十五個、投げ捨てるように僕の前に出すと太陽の門をくぐった。レバーを引き、ガシャンと門を閉じる。鉄柵の向こうを、やつはこっちを振り向きもせずそそくさと去って行く。


はは。あのやろう。我慢の限界、ってことでいいな。


エンダードラゴンを倒せればエンドシティへと行くことが出来る。そこには貴重なアイテムが数多く眠っている。ローランド・アドラムたってのご希望というなら、特別待遇でそこに行かせてあげるまで。


ふわふわと地面近くで浮いている記号化した二十五個のエンダーアイをインベントリに収納した。持ち物スロットからホットバースロットに入れ替える。


エンダードラゴンはジ・エンドにいる。ジ・エンドにはエンドポータルでしかいけない。エンダーアイはそのエンドポータルのありかを教えてくれる貴重なアイテム。起動させるのにも使われる。


ホットバースロットからエンダーアイを一つ取り出した。砲丸球ほどの大きさで緑色のガラス玉のような外見をしていて、その中心には猫のような縦に長い瞳孔が浮かぶ。それを上空に投げる。


真上に飛んだエンダーアイは南西に引っ張られるように弧を描いて落ちた。エンドポータルは南西の方角にある。


普通エンドポータルを見つけるためにはそこに到達するまでに、何度もエンダーアイを投げなければならない。投げて落ちた先が海だったり、湖だったりと失ってしまうこともある。


また、方向を示した後、砕け散ってしまったりもする。エンドポータルを起動させようとした際、エンダーアイが足りないってことも有り得る。それでローランド・アドラムは二十五個も僕に持たせた。


けど、それは僕に当たらない。


「吉祥天」


飛翔魔法で飛び上がると降下滑空して地面に転がるエンダーアイをさらう。そのままの勢いで上昇、南西へと向かう。


エンドポータルはエンド要塞の中にある。エンド要塞は大抵、魔族の廃村の地中に眠ってる。


ほどなく、その廃村らしき建築物群を見つける。その上で停止するとまたエンダーアイを上へと投げた。エンダーアイは飛ぶはずの位置まで届かず、妖精が鱗粉を引いて飛ぶようにキラキラと煌めくパーティクルを放ち、下へと向かう。


廃村の中央に、噴水のようでもあり祭壇のようでもある石造りの建築物がある。その袂の土にごぼっとめり込んで、転がった。


見つけた。あの下にエンド要塞があり、そのどこかにエンドポータルがある。


魔力解放五十パーセント。体の毛穴という毛穴から魔力が噴き出す。地面なんて関係ない。まるで断崖から海に飛び込むように地面に突っ込む。


激しい旋風せんぷうと魔法防壁によりガガガと土砂や岩石を掘削していく。地中を突き抜け、古い構造物の内部に出た。


石レンガの通路。幾つもの分かれ道。誰もいるはずがないのに松明だけは灯っている。


エンド要塞!


どこを進んでも同じ通路、同じ風景。エンド要塞が迷宮と恐れられている所以である。同じところを延々と歩き回り、結局エンドポータルを見つけられなかったというケースは枚挙にいとまがない。


けど、僕にそれは当たらない。ぐるっと見渡した。石レンガを透視してチェストの位置を確認する。ざっと見、二十個ぐらい。東西南北各方向、広い範囲に散見される。


このエンド要塞は結構デカい。各フロア、各部屋しらみつぶしに探していたらどれだけ時間が掛かるか。


エンド要塞には図書室がある。そのフロアは吹き抜けで二階あり、一階は本棚がずらりと並び、その本棚には本がぎっしり詰まってる。二階は壁沿いに歩廊が巡らされ、部屋をぐるり取り巻くように本棚が並んでいた。


エンド要塞の透視を続ける。石レンガを透してチェストが近い位置でほぼ上下に並んでいるとこを見つけた。例の図書室だ。僕の経験ではエンドポータルは図書室近辺に大体ある。インベントリのホットバーから鉄のツルハシを取り出す。


“吉祥天”で掘り進めてもいいけど、予想を外してエンドポータルの部屋をぶち破ってしまうかもしれない。鉄のツルハシで図書室の方向に向けてカンガン掘って行く。


あっという間に図書室だ。足元にはシルバーフィッシュが結構な数で湧いていた。石や石レンガに寄生するモンスターで石や石レンガを破壊すると現れる。姿はデカいサイズのネズミのようでその名の通り銀色をしていて、床を魚が泳ぐように這い回る。


寄生していた石が壊されたからか噛みついて来る。僕みたく迷路を使わず掘り進めるやつに対してのペナルティー的なモンスターだけど、僕にそれは当たらない。


僕は魔力をまとっている。シルバーフィッシュごときの攻撃では僕に届かない。構わず図書室をあとにする。足にまとわりつくシルバーフィッシュを、手や足で払うように駆逐しつつ通路を巡る。松明があるといえども角や柱の陰など松明に光りが届かない所も多くある。


何匹かのゾンビやスケルトンに出くわすも問題なく排除。やがて噴水のある部屋を見つけた。その向こうに部屋がある。


緑色の縁のキューブを使った祭壇のような構造物があり、その前にモンスタースポナーが置かれている。そのスポナーからはシルバーフィッシュが湧いていた。早速行って松明を挿し、湧き潰しをする。


祭壇のように見える構造物の素材ブロックはエンドポータルフレームというものだ。


ブロック一個一個にボール状の物体をはめ込む窪みがある。十二個のブロックは何もない空間を囲むように水平に並び、飛び込み型ゲートを形造っていた。


十二のエンドポータルフレームにエンダーアイを順にはめ込んでいく。十二個目をセットすると先ほどまで何もなかったゲートの中心がボンと爆発音を上げる。


ポータルが起動した。上から覗くと、そこに宇宙が広がっていた。暗闇の中に星屑がダイヤモンドダストのごとくキラキラと煌めいている。


僕はその星空の中へダイブした。


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