空中発射戦術弾道弾実用試験
頭と目が良くなった我らのFー19は、更なる物騒な装備を手にします。
「思ってたより簡単でしたね」
「そりゃもちろん、以前からアメリカなんかでテスト繰り返して基本的なデータはあったからな。」Fー19こと、海上自衛隊のCー130は硫黄島のテスト空域で、戦術弾道弾の発射テストに従事していた。
重さ10トンの二段式ミサイル。
単純に従来搭載している空対空ミサイルのスケールアップ版で、用途は対地、対艦である。
早い話、中国海軍の大型艦をターゲットにしている。
「まあ、こんなもん使わなくても、中国海軍が引っ込んだら、お互いのためなんだけどね」
「そうも、言えないのがあちらの事情らしいですが」
北朝鮮での内部での対立はとうとう黄海上の中国空母からの爆撃やらを招くことになった。
中国海軍としては初の空母の実戦参加を記録したかったようだ。
こいつらは数年前から就役した習作としての遼寧と純国産1号艦の山東を主力にした機動部隊である。
まだそんな状況ではないが、叩くとなると、それなりに対艦ミサイルを揃えた艦隊である以上、潜水艦、水上艦艇だけ、あるいは航空部隊だけ突出しては、各個撃破の危険がある。
彼らの超音速対艦ミサイルの射程や艦上闘機Jー15の戦闘行動半径をかわして、まず一番脅威になる空母の飛行甲板を狙うのが今試験中のミサイルである。
元々は空中発射式の超小型人工衛星打ち上げ用の研究成果を応用した、日本が利用可能な最強の「戦略兵器」かもしれない。
Cー130から、投下された後、姿勢制御し、投下用プラットホームから分離、艦上または機上から管制され、一旦大気圏内ギリギリまで打ち上げ、そっからGPSに従い、逆落としに急降下して空母の飛行甲板を狙う!
早い話が、第二次世界大戦で敵味方ともに活躍した急降下爆撃機のような役割を期待されているのである。
従来の試作極超音速空対空誘導弾と大きさも打ち上げ高度も段違いで終末速度も高いから、一発でちゃちな空母くらいは仕留めるし、下手な退避壕などあっさり貫いてしまうと予測されている。
こいつの使いどころが、これからの話のポイントかも




