590話 ランク昇格
「それで、俺以外のメンバーのランクについては?」
「現状でBランクだった者たちについては、据え置きとなります。異論があるかも知れませんが、どうか理解してほしい」
「問題ない。妥当な判断だと思う」
俺がそう言うと、ギルドマスターはほっとした表情を見せた。
現状でBランクだった者たち――つまり、シルヴィ、ユヅキ、ミナ、リン、ティータ、ローズの6人だ。
彼女たちは、『毒蛇団』討伐の貢献をもってしても、Aランクには届かないという判断となる。
純粋な実力だけならギリギリAランクに届いているとは思う。
だが、彼女たちには功績がやや不足している。
盗賊団の討伐に際して貢献はしてくれたが、こういう類の評価においてはリーダーの活躍が重視される。
よって、Aランクには届かなかったのだ。
「だが、Bランクの中では評価が上なのは間違いないだろう?」
「はい。特にサブリーダーのシルヴィ殿やユヅキ殿は、Aランクに近いですな。あと少しの功績があれば、Aランク昇格も見えてくるでしょう。ミナ殿、リン殿、ティータ殿、ローズ殿も、平均的なBランクよりは内部評価が上です」
「分かった。そう伝えておこう」
冒険者ランクは、S、A、B、C、D、Eの6段階に分かれている。
あまりに細分化しすぎても分かりにくいため、こうなっているのだ。
だが、冒険者ギルド側の内部評価はもう少し細かい。
昇格したての『Bー』、平均的な『B』、Aランク昇格が近い『B+』……などといった感じだ。
盗賊団討伐の功績を上げる前のシルヴィはBランクで、今の彼女もBランク。
他の冒険者や商人から見れば、評価が変わっていない。
しかし、内部評価においては『B+』になっているようだ。
「さて、次は現状でCランクだった者たちについてです。彼女たち3人はBランクに昇格となりました」
「ほう? 早いな」
対象者は、グレイス、エメラダ、セリアか。
思っていたよりもBランク昇格が早い。
「ええ。それだけ、国王陛下からの勅命を達成した功績は大きいということです」
「そうか。ま、悪いことではないしな。ありがたく思っておこう」
これで『悠久の風』のメンバーの内、10人の最新ランクを聞いたことになる。
次は、比較的新参のメンバーたちについてだな。
しっかり把握しておくことにしよう。




