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586話 頭が高い

「俺をそこらのAランク冒険者と一緒にするな。俺は民衆に優しいコウタ・エウロス男爵だ」


「えっ……?」


「君が嫌がることはしない。約束しよう。だから、安心してくれていい」


 俺は優しく微笑みかけた。


「…………」


 受付嬢は呆然とした様子で俺を見つめている。


「おい、どうした? 聞こえているのか?」


「は、はひっ!?」


「俺はこれから仲間たちと食事に行くつもりだが、君も来るか?」


「……えっと、その……」


 受付嬢が言い淀む。

 周囲を見ると、他の職員たちも俺たちの様子を窺っていた。


「あの、何か聞き慣れない言葉が聞こえたのですが……?」


「ん? 何がだ?」


 俺は何か変な言葉を発しただろうか?

 覚えがない。


「ええと……男爵と聞こえたような気がしたので……」


「ああ、そのことか。男爵ねぇ」


「さ、さすがに聞き間違いですよね……?」


「いや、事実だ」


「……はい?」


 受付嬢が間の抜けた声を出した。

 周囲の冒険者も唖然として、口をポカンと開けている。


「ほ、本当ですの!?」


「う、嘘だろ!?」


「こんなガキが!?」


「冗談じゃねえぞ!」


 周囲が一気に騒がしくなる。

 Aランク冒険者は凄い。

 だが、前述の通り奇人変人も多く、Aランク冒険者であっても叙爵されない者は多い。

 俺のように人格に優れた者じゃないと、爵位を得るのは難しいのだ。


「あー。静かに。……うるさいぞ! 黙れ、お前ら!!」


 俺の言葉を聞いて、周囲の喧騒がピタリと止まった。

 さっきまでの騒ぎっぷりとは雲泥の差である。


「王都ではまだ正式発表されていなかったようだな。俺はエルカ迷宮の討伐に成功し、ウルゴ陛下から男爵の爵位を頂いた。コウタ・エウロス男爵だ。頭が高いぞ、お前ら!」


「「「は、ははー!!」」」


 俺が名乗りを上げると同時に、周囲の冒険者や受付嬢たちが一斉に膝をついたのだった。

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