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548話 逃げ延びていた毒蛇団の残党

 コウタたちが村に到着した頃――


「……ちっ。もう追いついて来やがったか。厄介な奴らだぜ」


 村の外れにある洞窟の中で、一人の男が舌打ちをする。

 彼は『毒蛇団』の幹部だ。

 コウタたちがエルカで掃討作戦を実行した際、運良くスラムを離れており難を逃れたのだ。

 彼は数人の部下と共にエルカを捨て、追手から逃れるべく遠くへ逃げ延びた。

 そして、とある山奥に身を潜めていたのだった。


「ボス。どうしますかい?」


 別の男がそう尋ねる。

 毒蛇団が壊滅した今、この集団におけるトップは元幹部の男で間違いない。

 元幹部の男が一人に、その部下が数人。

 盗賊団としてはかなりの小規模だが、それでも地方の村人レベルにとっては十分に脅威だ。


「このままじゃ、いずれ見つかるだろうな。村の連中の口封じが間に合わなかったのが致命的だ」


 彼らがこの洞窟に逃げ延びる際に、近隣の山村の住民に目撃されている。

 だが、本来であれば特に問題なかった。

 その山村は他の町や村から遠く離れた場所にあるので、仮に『毒蛇団』の存在が発覚したとしても他の町に情報が伝わるまでに時間がかかるからだ。

 しかし、今となってはそのアドバンテージが失われた。

 よりによって憎き『悠久の風』がその山村に入ったという情報があるのだ。


「ちっ。間一髪だったか。攻め落とす準備はしていたってのによぉ……」


 彼らが目撃者を消さなかった理由。

 それは、別に彼らが慈悲深いとか、無闇矢たらと人を殺すことを良しとはしないといった理由からではない。

 単に、効率を追求しただけだ。


 盗賊である彼らは、最初から村を襲撃して食料を奪い女をさらうつもりだった。

 焦って目撃者を消さなくとも、その襲撃の際に合わせて殺せば一石二鳥で手間が省けると考えたのである。

 だが、結果としてそれが仇となった。

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