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1036話 開拓地-5
「――【アクセル】」
俺は静かにスキルを発動した。
特殊ジョブ『英雄』の固有スキル、『アクセル』。
その効果により、俺の速度は大幅に上昇する。
資格情報の処理速度も跳ね上がる。
今の俺は、通常の数倍から数十倍の速度で思考を巡らせることができるのだ。
「えっ……あれっ!?」
「エウロス子爵様は……?」
「き、消えたぞ!? ど、どこへ行ったんだ……?」
開拓団のメンバーが騒ぎ出す。
俺を探しているようだ。
彼らはキョロキョロと周囲を見渡しているが……。
そんなことをしている間に、もう終わった。
「俺はここだ。……よっと」
俺は魔物のすぐそばから、開拓団の面々に声を掛ける。
そして――
ドゴォオオン……ッ!!
魔物が地面に勢いよく倒れた。
その首は、胴体と泣き別れになっている。




