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1006話 孤児リリィ視点-18
「こんなにお腹が膨れたのは、生まれて初めて……」
「うん。本当においしい食事だった……」
「生きてきて……本当に良かった……」
私たちは幸せな気分で会話を交わす。
その様子を見て、ミナさんやグレイスさんは嬉しそうに微笑んでいた。
そんなときだった。
「おや、ここにいましたか」
「宿の入口にいなかったので、少し探しましたわ」
2人の女性が食事処に入ってくる。
そして、私たちのほうに向かってきた。
その後ろには、1人の男性もいる。
「あっ……。し、失礼しました。シルヴィさん、ネリスさん……」
私は慌てて頭を下げる。
彼女たちには、『宿の入口あたりでしばらく待つように』と言われていたのだ。
勝手に移動したのはマズかったかもしれない。
でも、2人は私を責めなかった。




