王国軍vs村人vs騎馬民族
「よーし、お前ら……根こそぎやっちまえ!」
王国軍の騎士が山賊のような言葉を放つと、兵士たちは嬉々とした様子で返事をした。
実は、騎士が率いていたのは王国正規兵ではなく傭兵たちだった。平和な時代には山賊行為をすることが多い彼らにとって、略奪は野菜の収穫のように手慣れたものだったのだろう。
「いまだ!」
ところが、物陰に隠れていた村人たちは次々と槍を突き出し、屋根からは弓矢により洗礼を見舞った。
「ぎゃあ!」
「うぎょあ!?」
「てめえら、今までよくも重税で苦しめてきたな!」
「一斉蜂起だ!!」
思わぬ反撃に遭った王国軍は大混乱に陥った。
「応援を……応援を呼べ! 民草どもの奇襲攻撃だ!!」
「どういうことだ!? どうしてこいつらがこんなに武器を持ってる!?」
「どうせ粗悪品だろ、そりゃ! ぐああああ!?」
村人の突き出した槍の穂先は、傭兵の鎧の継ぎ目を貫いた。
村人の武器を奪った傭兵は、穂先を見ると険しい顔をした。
「な、何だこの槍は!? 俺たちのエモノよりも高性能じゃねえか!」
「しかも、長さも絶妙だ……くそ!」
「応援部隊はまだか!?」
王国兵の1人が言うと、別の兵士が返答した。
「た、大変だ……後続部隊が騎馬民族に攻撃されてる!」
「な、なんだって!?」
間もなく村は、乗り込んできた騎馬民族と王国軍の兵士が入り乱れて争った。
「やれー! いけー!」
「頂けるものは何でももらうぞー!」
「騎馬民族だ!」
「よくもやりやがったなーー!」
その隙に村人たちは、自分の家々に火を放つと、どさくさに紛れて撤収していく。
「あ、こら……待て、村人ども!」
「あいつらは後回しだ。とりあえず騎馬民族をやれ!」
「おう!」
一方その頃、小生とリチャードは村人たちと合流しながら森を目指していた。
「騎馬民族の誘導……うまく行きましたな」
リチャードが言うと小生も頷いた。
「うん、軽く射掛ければ後は向こうから追いかけてきてくれたね」
1つ村が王国に攻撃されれば、後は簡単だ。
近隣の村々に事実を伝えておけば、武器を売ることができるし、上手くいけば村人の女性や子供が小生の村や納屋まで退避してくる。
「これでまた、レベルアップが捗るね」
「ええ、戻りましょう」




