ツーノッパ開戦
アレンたち、少年少女4人に魔法を教えていると、空から誰かが舞い降りてきた。
「久しぶりだな」
「父さん!」
父コンドコソトレルは村に舞い降りると、その立派な翼を畳んだ。
「貴族とゴブリンの軍勢がたった今、睨み合いをはじめた」
「……いよいよか」
コンドコソトレルは、グラディウスを見た。
「ほう……君も一角獣になれたのか」
「はい、これもカッツバルゲルのおかげです」
コンドコソトレルは満足そうに頷いた。
「大変なのは最初に角を生やすことだ。それさえクリアしてしまえば、後は地道にレベルを上げることができる」
「はい、頑張ります」
コンドコソトレルは、蜂の巣箱や作物を眺めた。
「大地のユニコーンは土地を豊かにする使命があることも忘れずにな」
「はい」
「よっしゃ! レベルが30になった!!」
ちょうどよく、アレンのレベルが30になってくれた。これなら父さんにもレベルアップボーナスが入る。
「ほう……これは嬉しい贈り物だな」
父コンドコソトレルは、近くに生えている木を見つけると、側へと歩み寄った。
「どれどれ……私も少し術の訓練でもするか」
1メートル近い角を実体化すると、その先を樹液に向けた。
「え……?」
「これって、もしかして……」
小生がそう言いかけると同時に、樹液が白く光を放った。
「うむ、思ったよりも上質な琥珀が取れたな」
父さんは取れた琥珀を咥えると、小生に差し出した。
「何かの足しにしなさい」
「ありがとう……」
これには小生も驚いた。
父さんクラスのユニコーンになると、錬金術も使えるということだろう。
グラディウスも畏まった様子で言った。
「あ、あの……」
「何かな?」
「今の魔法……教えてください!」
コンドコソトレルは、少し困った顔をした。
「この魔法を使いこなすには、かなり努力をしなければならないし、君に素養が無ければ無駄な時間を過ごすことに……」
「それでも構いません!」
「ふむ……」
さすがの彼も少し考え込んでいた。
「それじゃあまずは、植物の体がどういう構造になっているのか……ということから説明しよう」
「は、はい……」
父コンドコソトレルの説明は解かりやすく、側で聞いていた小生にもたくさん経験値が入ったし、講義に聞き入っていた女の子2人と、元行商人の少女のレベルまで上がっていた。
「……と、このように、葉には太陽の光をエネルギーに変える場所と、鼻のように呼吸を行う場所がある」
「キリン様~ キ・リ・ン・さ・ま~!」
「どうした?」
やってきたのは足を3本持つ大きなカラスだった。その周囲には強い生命力があふれており、レベルも109と表示されている。
「たった今、貴族の先鋒とゴブリン軍が戦闘を始めました!」
「……わかった。引き続き情報を集めてくれ」
「は、はい!」
人間と魔物の決戦が始まったようだ。




