北門再び・『夢の防人』ジェイミー
「『星の降る夜の話をしようーー魔法防御低下』」
「『炎よ降り注ぎ敵を焼け!ーー火炎岩』!!」
「『風よ立ち塞がり吹き飛ばせ!ーー風竜巻』!!」
進路を変えた熊達を、待ってましたとばかりに北門からの低下呪文と大掛かりな魔法の連携が襲う。
『魔法要塞』ミャルガと、合流した『夢の防人』ジェイミーである。
「『平穏を取り戻せ!ーー解呪』!!」
ミャルガの声と共に上空に再度魔法陣が浮く。
あの熊の咆哮で魔法陣を割られたことが、ミャルガは腹立たしかった。
解呪がきちんと作用していれば、こちらの門でも混乱など起きなかったというのに、北門では『恐怖熊』の確認が遅れたため混乱と恐慌の咆哮をまともに受けてしまった。お陰で精神防御力の低い冒険者が暴走して、半数以上の者が怪我を負った。
銀色の光が雨のように降り注ぎ、北門と東門の両方で混乱していた冒険者達が倒れるように正気に戻る。
「回復もするにゃ。『傷を癒せーー回復雨』『それは聖なる力ーー領域回復』」
その段になって、ようやく東門の影達がざあっと崩れる砂のように掻き消えた。
「あれは……何の魔法だったにゃ?」
「ミャルガも知らないの?……珍しい……」
「時々にゃら、ミャーの知らない魔法もあるにゃ」
何しろ魔法というのは個人研究によりいくらでも新しい物を生み出し得るのである。
影といえば、防衛隊副官のウェインが使う影に潜る魔法もミャルガの知らない術だった。
彼が今どこに居るのかは知らないが、もしや東門にいたのだろうか?
「だったら、ガルドルフが急いで行く必要も無かったかにゃ……?」
「なぁに?ミャルガ寂しいの?」
「違うにゃ!そんにゃこと言ってにゃいにゃ!」
ただちょっと、肩へ乗っけてくれる安定感が無いと不便なだけだ。
グラグラふらふらするエーリッリに抱きかかえられながら、ミャルガは少しだけため息をついた。
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また短いところで切れましたが、続き頑張ります




