高校生、投資部に入る
投資のことに興味を持ったオサムは出来ればもっと情報を収集したいと思っていた。
カヨシに全て聞いてもよいのかもしれないが、カヨシの負荷も大きいだろうし、たまにはカヨシを見返したい。
出来れば同世代で株をやっている人がいれば良いのだが
「そんなうまくいくわけないか」
一人で廊下をあるきながら愚痴をこぼすオサムの目に1枚のポスターが目に映る
来たれ!投資部!次のBFN/CSIはお前だ!
「あった!!」
そういえばこの学校には投資部があった。今まで興味がなく流していたが、そういえばあった。
オサムは放課後早速投資部の部屋を訪れてみた。
ノックして部屋に入ると、そこには4名の生徒がいた。皆何かをワイワイ熱く語り合っている。
「だからBFNこそが最強の投資家なんだって!」
「いいや、BFNは全然表にでてこないからバーチャなんだよ。真のトレーダーはCSIだよ」
「BFNは謙虚なの。CSIみたいに表に出てきてはしゃぐタイプじゃないだけだから!」
「お前らには悪いが、俺はUAO派なんだよな~」
オサムのノックと入室にすら気付かないほど議論は白熱していたが、一人がようやくオサムに気がついた。
「おっ、もしかして入部希望?」
その声を聞いて議論が中断する。8つの目がオサムを見つめる。
「そうなんだ。ポスターを見て見学に来たんだけど、3年生でも入れるかな。」
「もちろん。既に口座開設とか取引したことはあるかい。」
「経験はある。初心者だから本格的にはこれからだけど」
「いいね。僕は横山。投資部の副部長をしているよ。よろしく。部長は今席を外しているから後で紹介するよ。」
「よろしく。それで投資部の活動について知りたいんだけど・・・」
「わが校の投資部は学校の運営資金を稼ぎ出す投資集団・・・なんてことは絶対にないから安心して。流石にそんなことを信じてここに来たなら漫画の読みすぎだからね。わが校の投資部はお金のしくみを理解するために社会勉強として行ってるもので、具体的な活動は特に決まってないんだけど、皆で決算書を読んで論評したり、どこの株が上がるかを議論したり、人によっては実際に売買したりするんだよね。株の勉強をしたい人にとってはオススメだと思うよ。君がここに来た目標と合致してるかな?」
「実は株の勉強をしたくて興味を持ったんだ。だから投資部で勉強させてもらえればと思う。」
「いいね。歓迎するよ。部員を紹介するよ。」
「3年生の松田君と、2年生の山本くんと谷口君だ。」
紹介された3人にオサムは軽く挨拶をする。
「それで、今議論してたのは株のことじゃなくて投資家のことなんだけど、君は尊敬する投資家はいるかい?」
「いや、そこまで詳しくはなくて・・・それも勉強したいと思ってる。」
「いいね。勉強熱心なのは。よしわかった、君に部費で買った本を貸すよ。是非読んでみて欲しい。」
そう言うとオサムはいくつかの本を受け取った。
「是非読んでみて欲しい」と横山は笑顔でいった。
オサムは早速家に本を持って帰り、読んでみることにした。




