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アーサー

ギガースの話です

「私たちの残っている力、少しだけどあなたたちに託すわ。」

「マスターとあの二人の事を守ってあげてね!」


私が生まれる時、確かにその声は聞こえました。

偉大なる初代、今でも私が目標とする者達の声です

最初は正直、ピンと来ていませんでした。

しかし、召喚された時 その場に居たハイピクシーの少女とゴブ太と呼ばれるゴブリンの少年は涙を流し我らの誕生を喜んでくれました。

ゴブ太にその時の事を話すと俺は泣いて無かった、なんて怒られましたがね。絶対泣いていました


私はその時、幸せを感じました

私の事をこんなに大事に思ってくれている相手が居る

それだけで生まれて来て良かったと、そう思うには十分でした


そして、通称2代目と呼ばれている我が同胞たちも素晴らしい者達でした

聞けば皆初代の声を聞いており、その意思を継いでいこうと共に叫んでくれました

あの時の魂の高揚といったら・・・言葉で説明出来る物では無いですね


志を同じくする仲間が居る。こんなに幸せな事があるでしょうか?

私はあの時、この素晴らしい仲間たちを守る為に誰よりも強くなろうと誓ったのです


その日、皆での訓練を終えた後 疲れた体を引きずりマスターと懇意にしているノエルという少女に会いに行きました

強くなる方法を知る為には強者に聞くのが一番だと思ったからです

少女は嫌な顔1つせず、私の問いに答えてくれました


「強くなる方法ですか?う~ん、そうですね。強くなる為の近道はありませんが、まずは体を鍛える事をお勧めします」

「筋トレですか?」

「筋トレです!技も大事ですが、戦闘では何だかんだ言っても力が物を言いますからね!

これは前衛も後衛も関係ありません。技の練習ばかりして体を鍛えない様な人は強くはなれません」

「成程、他には?」

「そうですね、最初は1つのスキルを徹底的に鍛えるのがいいと思います」

「そうなのですか?」

「はい、過去の拳法の達人には半歩踏み込んで崩拳を打つだけで全ての他流試合を勝ち抜き

「半歩崩拳、あまねく天下を打つ」とまで評された人物が居ます。

その人はたった一つの技を何年も練習し続けたと言われています

多くの技を知る者より一つの技を極めた方が強い、という例ですね」


成程、幅広くやるよりも目標を絞った方がいいのですね

とても参考になりますね。やはりノエルさんに相談したのは間違っていなかった様です


もう少しお話を聞いていきたい所ですが、今日の所は一礼してその場を去ることにします

一度に色々聞いてもちゃんと理解出来る程、出来が良くありませんからね私は

また後日お話を聞きに来るとしましょう


「しかしこの話は壁に当たっても諦めず、一つの道を精進する事の大切さを説く作り話だと言われています

少し壁に当たるとすぐに物事を投げ出し、他の事に目移りする人が多いですからね~

そういう人を戒める為のお話ですね。

実際には一つの技しか使えないと簡単に対処されてしまいますので・・・って!

ちょっと!最後まで聞いてくださいよ~!」




つまり、体を鍛える事と一つの技術を熟練する事が大切なのですね

方向性としてはゴブ太がこのダンジョンの盾ですから、私は矛ですか・・・

共に訓練をしてみて分かりましたが、ゴブ太は優しすぎる。

敵を屠るのは向いていないでしょう

しかし攻撃する意思が薄い分 盾役には向いている様に思えます


ゴブ太は外部の脅威からダンジョンを守る

そして私はその脅威を屠るのが役目ですね

これからはその事を意識して力を磨いて行きましょう

そうすると当面する事は筋トレと、重たい武器に慣れる事ですかね?


私の目指すのは一撃必殺系のアタッカー

一撃の威力を高めていく事に力を注いでいこうと思っています

もし誰もダメージを与えられない様な固い敵が出て来た場合、詰んでしまいますからね

手数よりも一撃の威力を求めた方がいいでしょう


とは言え、今日は皆との合同練習で体が痛んでいます

ノエルさんに頂いた「正しい筋トレの仕方」という本を読んで勉強するだけにしておきましょう

運動は明日からです


◇翌日


本を読み終えました。

この本は人間用の本ですが、私たちゴブリンは骨格こそ小さいですが筋肉の付き方は人間と変わらない様に思えます。書いてある事はそのまま活用出来ると思っていいでしょう

とても有益な本ですね。同胞たちにも読ませておいた方がいいかもしれません


さて、これから本格的に鍛えて行こうと思うのですが、問題があります

それはトレーニング器具の問題です

私の目的は体力を付ける事では無く、筋力を高めていく事なので

自重や軽いウェイトでのトレーニングを多い回数行うのでは無く、ギリギリ持てる位の重さで10回程度行う方がいい様です

しかし、出来たばかりのこのダンジョンにそんな高重量の物質はありませんし、同じように武器を扱う練習をしようにも武器もありません

う~ん、どうするべきでしょうか?

ノエルさんに相談してみますか?







ゴリとキャラがかぶってる気がしますね・・・

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