◆山のダンジョンのスライムvs銀色のハイエナ その2
「ボアさん!畜生!」
「うう・・・俺、あの人に憧れてここへ入ったのに!」
ボアと呼ばれる男を倒した事で敵の士気は明らかに低下した
このまま帰ってくれればいいんじゃが、そううまくはいかない様じゃ
「てめェら落ち着け!とりあえず傷を負った者は一時退いて回復しろ!立て直すぞ!」
「あのスライムは今のでかなりMPを消費した筈だ!もう何発も魔法は撃てはしねェ!必要以上に恐れるな!」
「近付きすぎると魔法に対処出来ん、こちらも距離を取り魔法や矢など遠距離攻撃で仕留めるぞ!
前衛はヒーラーや魔法使いなど後衛に飛んでくる魔法を防げ!」
「包囲を崩しては意味が無いからな!スライムは足が遅い
敵が前進してきたら同じだけ退がり、敵が退く様なら同じだけ前進しろ
一匹も逃がすな!ボアの敵討ちだ!」
「「「おおおーーー!」」」
敵幹部は部下に指示を出しつつ士気の立て直しも同時に行う、なかなか優秀じゃのう
「「「喰らえ!スライムども!」」」
対応も速い!今度は炎、氷、風、雷の魔法、そして弓矢 それらが一気に飛んでくる!まずい!
「「「うおおおおおお~~!」」」
バリアチェンジでいくらかは相殺するものの こう一気に撃たれては全てを防ぐという訳にはいかん
魔法を喰らった者は死亡、生き残った者も重症と呼べるダメージを負った
それに弓矢、これが痛い 我らは物理に強いがダメージを受けない訳では無い
物理攻撃はバリアチェンジでは防げない、じりじりとダメージが蓄積していく!
仕方ない、最後の魔力を使い皆を回復するとするか!
「大地に満ちたる命の鼓動よ、力失いし かの者に再び立ち上がる力を与えん!ヒール!」
皆の傷を癒すと同時にわしは死んだ仲間たちを「捕食」した
「捕食」とは相手を喰うことでHPやMPを回復し、微量だがステータスがアップしたり
経験値が入る事もあるスキルである
「なっ・・・」
「な、仲間を喰っている・・・」
「知性があろうが所詮モンスターはモンスターだな!反吐が出るぜ!」
何とでも言え、わしだってこんな事はしたくは無い
同じ喰うなら貴様ら人間を喰う方が気分もいいだろう
だがこれは戦う前からしてあった皆との約束なのじゃ
貴様らに仲間の死体は出来る限り渡さん!死んだ後 貴様らに体を持っていかれ素材として売られるなど
考えただけで胸糞悪くなるわ!
次の魔法が飛んでくる前に捕食を完了させHPとMPを全快させる
そして わしは宙に浮かび人間どもに告げる
「これでわしの力は回復した、第2ラウンドと行こうか?人間ども・・・」
人間どもは絶望の表情を浮かべる
無理もない、喰っただけで全快するなど悪夢を見ている気分だろう
だが、勿論これはハッタリじゃ
「捕食」はHPとMPは回復するがスタミナまでは回復しない、すぐに限界が来るじゃろう
それに、もう腹いっぱいで喰えんわ!
人間どもが遠距離戦にシフトした以上
これまでの様に固まって戦うのは愚策じゃろう
ここからはもうアドリブの乱戦じゃ。わしが暴れるだけ暴れ、仲間たちは状況に応じ弱い所を突いていく
転移魔法が残っておればもう一泡吹かせられたかもしれんが
リキャストタイムが長すぎるのが難点よの
正直もう勝ち目の無い戦いではあるが最後の一人になるまで戦おうぞ!
わしは敵の布陣を確認する為、上空から戦場全体を見渡す
その時 わしの目には映ってはならない2体の魔物の姿が映っていた




