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今日も魔王城は飯がうまい  作者: 昼の月
377/379

形を決めない料理

昼過ぎ。


城の空気が、

わずかに揺れた。


入口も、

流れも、

問題はない。


それでも――

何かが違う。


ミナが

手を止める。


「……読めへんな」



◆不規則な乱れ


今回の歪みは

一定ではない。


速くなる者。

急に止まる者。


重くなる者。

軽くなる者。


時間ごとに変わる。



◆経験が通じない


これまでの方法では

追いつかない。


基準も、

分岐も、

調整も。


すぐに外れる。


ルナが

不安そうに言う。


「……どうする……?」



◆判断


アリアが

静かに言う。


「……決めません」


ミナが

眉を上げる。


「……料理やで?」



◆準備


鍋を一つ。


材料は

最低限。


豆。

水。

少量の塩。


固定しない。



◆途中で変える


火にかける。


様子を見る。


その場で

調整する。


塩を足す。

すぐ引く。


火を強める。

すぐ弱める。



◆完成を決めない


一定の形にしない。


味も、

状態も、

固定しない。


その瞬間に

合わせる。



◆提供の方法


皿に盛る。


だが

同じではない。


その人の状態を見て

少しずつ変える。



◆即応


速い者には

少し落ち着かせる形。


止まる者には

動きを出す形。


重い者には

軽く。


軽すぎる者には

少し重く。



◆反応


変化が

すぐに緩和される。


だが

固定されない。


次の瞬間には

また変わる。



◆対応の継続


ミナが

言う。


「……終わりないな」


ルナが

頷く。


「……でも

 崩れてない……」



◆料理の意味


アリアが

静かに言う。


「……予測できないものは

 固定できません」


「……その場で変わり続けるしかありません」



◆まかない部の理解


ミナが

笑う。


「……決めへんのが

 一番やな」



◆安定の形


完全には整わない。


だが

崩れない。


動きながら

保たれる。



◆次へ


城は

新しい段階に入る。


固定ではない。


変化の中の安定。


そして――

その先に待つのは、


まかない部の限界。

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