城の歪み
魔王の命を受けた翌日。
三人は
城の中を歩いていた。
広い廊下。
整った壁。
静かな足音。
一見、
何も問題はない。
ミナが
低く言う。
「……きれいやな」
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◆違和感
だが、
ルナが足を止める。
「……何か……変……」
空気が
わずかに重い。
息が
浅くなる。
見た目は整っている。
だが――
どこか苦しい。
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◆原因の不明
兵士に聞く。
「問題はない」
皆、同じ答え。
不満もない。
混乱もない。
だが
活気もない。
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◆整いすぎた城
アリアが
静かに言う。
「……均一です」
温度も。
音も。
時間も。
すべてが
揃いすぎている。
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◆最初の調理
三人は
調理場に戻る。
いつも通り
材料を並べる。
だが
今回は少し変える。
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◆差を入れる
一つの鍋は
少し濃く。
もう一つは
少し薄く。
さらに
火加減も変える。
均一にしない。
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◆配る料理
兵士たちに
それぞれ違う皿を渡す。
同じではない。
ほんの少しの差。
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◆反応
最初は
戸惑う。
「……違う?」
だが
やがて。
「……こっちの方がいい」
「……いや、これだ」
意見が分かれる。
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◆沈黙の崩れ
これまで
同じだった会話。
そこに
違いが生まれる。
小さな議論。
小さな笑い。
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◆空気の変化
廊下の空気が
変わる。
重さが
少し抜ける。
ルナが
息を吸う。
「……軽い……」
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◆原因の正体
アリアが
静かに言う。
「……この城は
整いすぎています」
「……差がなく、
選択もありません」
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◆歪みの正体
ミナが
腕を組む。
「……楽やけどな」
「……息詰まるわな」
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◆次の手
アリアが
続ける。
「……次は
場所ごとに変えます」
調理場だけでは足りない。
城全体。
部屋ごとに
違いを作る。
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◆まかない部の理解
ルナが
うなずく。
「……全部同じ
しんどい……」
ミナが
笑う。
「……動かしたるか」
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◆次へ
三人は
再び城を歩き出す。
均一だった空間に、
少しずつ差が入る。
だが――
次はさらに深い場所。
表ではなく、
見えない部分。
城の“仕組み”そのものへ。




