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モブだって生き残りたい!  作者: 前川ユキ子
27/27

地下部屋7

お盆ですね

暑い日が続きますが体調に気をつけて下さいね

扉を出てからまた奥へ向かって歩く。

奥へ向かうにつれてまたどんどん壁の光が減ってきてどんよりとした雰囲気となってきた。


ううう…嫌な雰囲気…

これもうフラグだよ!化け物出てくるよ!!

もう引き返そうよぉー


それでも光るクンは歩調を緩める事なく進むのでビクビクしながら仕方なくついていく。

途中廊下が右にカーブしていてそのまま進むと今まであった壁はなくなり剥き出しの岩と土のトンネルのようになっていた。

それでもズンズン進む光クン。


「ホント…どこまで進むの…」


少し遅く歩いて光クンと距離をとり海斗クンに話しかける。


「…道がある限り…いえ、光先輩が気がすむまで…じゃないんですかね?」


「…海斗クン…なんとかして…。」


「それが出来てたらもうしてます…。」


そんな事を話していると急に光クンが立ち止まった。

突然だったので止まれず光クンにぶつかりそうになったけど後ろから海斗クンに引っ張られたのでなんとかぶつからずにすんだ。

止まるなら先に言ってよね!!


「光先輩何かありましたか?」


「…逆やなんもなかった。ここで終わりや。」


光クンの横に並んで前方を確認してみると10mほど向こうは壁で行き止まりその下に床はなく真っ暗な深淵…ぽっかりと5mほど穴の空いたような感じになっていた。


「くっそ。せっかくここまで来てなんも無いんかい!!」


「先輩ホントに何を探してたんですか?」


「…ま、あれやワインセラーや。んで、ついでにここを出る道とか方法かを探しとった。」


「ワインセラーって…。こんな所でですか?」


若干あきれ気味の海斗クンの反応にしたり顔の光クン。


「こんな所やからや。冷暗所で環境バッチリやろ。てか、なかったし別にもうどうでもいい話や。…つーこでここでるけど文句ないよな?」


「…まぁ、そうですね。とりあえず地上に移動してから考えましょうか。」


そう言いながら真っ直ぐ進もうとする二人。

光クンは穴に向かって歩きだし海斗クンは私を手招きする。

えっ???


「ちょちょちょ!何処にいくつもりなの!?」


その言葉に穴に落ちる2m手前で止まる光クンが止まった。

セーーーフ!!


「光クンと落ちるよ!危ないから下がったほうがいいって!!」


こちらを振り返り光クンは溜め息をついた。


「いや、そこまでドジじゃないし。登るだけやん。てか、お前ビビってるんやろ。登らないなら置いてくだけやしな。」


登るって?

えっ?穴に一回落ちてまたここまで登ってくるってこと?

なんのために?ワインセラー???

それに、落ちるっていっても遠目で覗いてないからわからないけどこの穴けっこう深そうですよ!?


「…なんでそんなことするの?意味がわかんないんだけど。」


「七海先輩、まず外に出てからあとの事は考えませんか?みんなを置いていくのは辛いかもしれませんが…僕もねぇちゃんの事を考えると胸が張り裂けそうですが助けるとしてもこの状況からいったん出たほうがいいと思うんです。」


なんか…おかしくない?

話、噛み合ってないみたいなんだけど。

もしかして…ね?


「……もしかして…二人には穴見えてないの?」


「穴?なんやそれ。」


「……七海先輩には何が見えてるんですか?」


「もう少し行ったら大きな穴が…深い穴がそこにあるようにしか見えない。そこに光クンが飛び込もうとするから止めたの。」


「…そうですか…。どうします光先輩。」


「おい、海斗信じるんか?」


「ノートの事があるので…。オレとは違うものが見えてる可能性があるかなと。ちなみにオレには行き止まりの壁にはしごがかかっていて地上に繋がってるように見えてますよ。」


「俺にもそうみえるわ。てか、穴なんてどこにもないしな。」


これは…たぶんどっちかが偽物というか幻というか無いものを見せられてるんだと思う。

やばい…。どっちが本当?

どうすればいいんだ…。

穴からは何か禍々しい物を感じるんだけど…。

たぶん、今回のは私の見ているほうが正しいと思う。

なんか気持ち悪い変な感じするもん。


「やめとこ!ただ穴があるだけじゃなくてなんか変な感じがするって!!」


「俺は自分が見えてるモンしか信用しとらんし。たぶん、あれや、俺らを外に出したくないから違うように見せとるだけやろ。」


「…じゃ、なんで私だけ違うものが見えるの!?おかしいじゃん。」


「そんなんはしらんわ。ノートの事もあるしお前には見せたくないんやないか?とりあえずさっさと行くぞ。行きたくなかったらここにおれや。置いておくしな。」


そういって進み出す光クン。

その腕をガシッと両手で掴んで踏みとどませる。


「邪魔すんな!離せま!!」  


「いやだぁーー!!絶対に離さないから!!」


今まさに穴から不気味に立ち上る2つの黒い影。

こっちの様子を伺っているのか穴から出たり入ったりしているが見える。

たぶんさっき光クンが言っていた変な気配だと思う!!

なんで、今は感知出来ないかわからないけど…。

二人を穴に誘ってるんだ!


「そこに変なのいるじゃん!!さっきはわかったのに!!光クンなんでわからないの!?そこになんかいるんだよ!!」


そこでベリっと光クンから引き離されたと思ったら爽やかなレモンの香りが私を包んだ。


「…先輩落ち着いて下さい。光先輩も一度下がってください。」


海斗クンが私を抱き締めていた。

光クンはイライラ顔をしながら無言で少し穴から遠ざかってこちらを見ていた。


「先輩とりあえず落ち着きましょう。何が…何かそこにいるんですか?」


「…なんかわかんないけどいるんだよ。こっちの様子見てるみたいに穴から出たり入ったりして…おいでおいでしてるみたいに…。姿はわかんないけどモヤモヤしたものがいるの。…」


言いながら海斗クンの腕から離れながら言う。

男の子に抱き締められるなんて幼稚園以来…近頃では従兄弟4歳にされたぐらいだから本当にびっくりした。

あと、レモンの匂いだけど姉弟で一緒なんだね。

未華ちゃんのと一緒…未華ちゃんに抱き締められる感じがして…。

うん。落ち着けたよありがとう海斗クン。


「なんも感じんぞ。怖いと思ってるからそう感じるだけや。つか、何か気配とかそんな繊細なもんがお前にわかるとは思わんけどな。」


「光先輩…そんなおおらかな所が七海先輩のいいところじゃないですか!!」


「繊細とかそおおらかとかそんな事はどうでもいいの!!てかさ、はしごがあって地上に出れるとか言ってるけどおかしいじゃん!!」


「なんでや?」


「なんで地上に出れるの!!」


「?はしごに登れば地上ですよ。先輩。」


「違うってば!!なんではしごに登ったら地上に出れるっていうの?」


「何が言いたいんかわからん!!簡潔に言えや!!」


光クンが怖かったので思わず黙りこむ。


「先輩ゆっくりでいいんで言ってみて下さい…。」


「じゃ、聞くけどさ…天井まではしごが伸びてるんだよね?」


「そうですよ?」


「天井のさらに上まで続いてる感じなんだよね?先見えるの?」


「はぁ?地上までやぞ、はしごは天井より先に続いてるに決まってるやろ。そんで、天井あるんに先まで見えるわけあるか。アホ。」


「アホはそっちだよ!先がみえないのになんで地上まで続いてるのわかるの?はしごの先が地上に繋がってるなんてそんなのわかるはずないんじゃん!!」


「「!?」」


「言われてみれば…そうですね。…はしごは地上まで続いてここから出れると思ってました。…いえ…思い込んでました。なんでですかね?」


「さぁな!…知るかそんなもん!」


「ほら、おかしいのはそっちじゃん。早く引き返そうよ。」


「ですね、気配とかいうのも気になりますし戻りませんか?光先輩どうします?」


「…ふん。さっさと戻るぞ。早く歩けや。置いてくぞ。」


素直じゃないな。

間違ってたのはそっちなのに…。

逆ギレとか…かっこわるぅー!!


元来た道を引き返そうとした時。

スッと周囲の光が一段階暗くなった。

まさかと思い穴の方を向くと穴から気配やばいのが這い出てくるのが見えた。


「ぎぃやぁーーーーーーー!!!!」


「「!!??」」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



森戸七海 でてくるぅぅぅ!!!

服装:ジャケット Tシャツ デニム スニーカー

装備:ペンライト

持ち物:メモ張 ペン ペン ハンカチ ティッシュ(残りわずか) ペンライト 塩(手のひらサイズ)残り半分 塩の小包×10

写真



内山光 なんだ!?

服装:デニムツナギ(風神雷神の刺繍入り)尖った靴

装備:懐中電灯

持ち物:味塩(詰め替え用) メリケンサック小(威力小) 携帯催涙スプレー ポケベル アイスピック(カバー付き) ペン メモ一頁

ティッシュ残り僅か



奥田海斗 先輩!?

服装:パーカー Tシャツ チノパン スニーカー

装備:懐中電灯 ポシエット

持ち物:メモ張 ポケベル ボイスレコーダー 使い捨てカメラ 味塩(瓶)残り2/3 塩の小包×5



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