再度探索
さぁ、気分を改めて食堂の探索をはじめましょ!
光クンは椅子に座り足を組んでふんぞり返って海斗クンはその横で椅子の背に気だるそうに寄りかかっている。
…やる気ゼロですな。
「それではみんなで探しましょー!」
「じゃぁ、海斗よろしく頼むわ。」
「いやだから、何を探せばいいんですか?」
…さっきのやり取りでわかったんじゃないの?
やっぱり何にも伝わってないじゃん!
「あのね、杏先輩にお化けが取り憑いてるみたいなの。それで殺す勢いで襲ってくるんだけど何か防ぐ方法と杏先輩から出す方法がないかなーって探してるってわけ。」
「また、あの人は…。普段でも面倒な人なのに…。」
「あははは…。とりあえず今わかってるのは塩が効くって事ぐらいなんだ。だから他に手がかりないか探してほしいな。」
「手がかりって本当に探したら出てくるんですか?無駄骨とか嫌なんですけど。無駄な時間になるくらいならねぇちゃんを探す時間を作って欲しいです。」
「海斗クン、もし未華ちゃんが杏先輩に襲われたらどうする?」
「馬鹿にしてるんですか?助けるに決まってるじゃないですか。」
「杏先輩の不思議な力で近づけなかったり連れ去られちゃったら?私が襲われた時は光クン全く近づけなかったんだ。そうなったらどうする?何も出来なくて見てるだけになるんだよ。弱点がわかってたらすぐに助けられるかもしれないのに。しない後悔よりする後悔のほうがいいと思うの。」
「…。はぁ~わかりました。探しますよ。」
「お前海斗を丸め込むの上手いなっ!」
「人聞きの悪いこと言わないでよ!光クンも探してよ!」
「なんで俺がしんなんげんて。海斗おるしココには塩も無さそうやしやる気でんわ。」
そういいながら椅子から動こうとしない光クン。
「七海先輩いいからさっさとはじめましょう。こうしている間にもねぇちゃんが危ない目にあってるかもしれません。」
そっちがそうくるなら…。
チラッと光クンを見ながらあえて少し大きな声で話す。
「そうだね。光クンの事はほっておいて二人で探そ‼じゃぁ、海斗クンはあっちのお酒とか入ってる棚をお願い出来る?」
「…ハァ!?お前何言ってるん‼」
ガバッと起きてこっちに来る光クン。
「何って探すために割り振りしただけだよ?で、海斗クンに棚をお願いしたの。何か問題でも?」
「お前俺に喧嘩売っとるんか…?」
こーわーいーーーーー!
調子のってごめんなさい!!!
私が顔がひきつってオドオドしていると海斗クンが話してくれた。
「光先輩?何か問題でも?さっきも言いましたが早く手がかりを見つけたいんです。ココを探すのがダメならオレは他の所探すんで先輩してもらえますか?」
海斗クン!ナイスフォロー‼
「ここはもうさっき俺が見たしいいし。だから他を探せや。」
「探し残している可能性はないんですか?もしあったらどうするんですか?…何か見落としがあったら光先輩どう責任とってくれるんですか…?」
海斗クンの目が据わってます。目が怖いよ‼
未華ちゃんの事になると本当にめんど…イエ真剣だから回りも大変なのです。
でも、それを上手く言うことが出来れば今みたいに味方(?)になってくれる。
一番簡単なのは未華ちゃんに言ってもらうことだけどね!
…未華ちゃん達が無事でありますように…
ふと見れば光クンは、海斗クンの押しの強さにタジタジになっている。
「わーった!わかった‼この場所は俺が責任もってもう一回見るし違うとこ探せ。」
「わかりました。ここお任せします。…抜かりなくお願いしますよ?」
はぁ~…と光クンは溜め息をつきながらこっちを睨んできた。
怖いのでスルーして海斗クンの後ろに隠れる。
「七海先輩あと何処を探せばいいですか?早くしましょう。」
「そっそうだね。じゃ、海斗クンは扉から部屋の半分見て。私は暖炉から部屋半分見るね。その時の注意なんだけど、どんな小さな事でもあったら教えて欲しいな。例えば壁のシミが文字が見えるだったり床の一部が凹むだったり…。」
「そこまで細かく見てなんの役に立つんですか?」
「わからない。けど大事かもしれない事なんだ!手間をかけちゃうんだけど本当にお願い‼」
言ってても全く説得力ないしわけわかんないのはわかってる。
もし海斗クンがしないっていうなら気分は悪いかもしれないけど私がもう1度みる。
だって死にたくない。……死なせたくない。後悔なんてしたくない‼
「…はぁ~。わかりました。ちゃんと細かい所まで見るのでこっちは任せて下さい。」
「…!ありがとう‼そうと決まればさっさと探そう‼」
海斗クンがいると探索もサクサク出来て心強いなぁ。まぁ、未華ちゃんの事も関わってくるからなんだろうけど。
「…そういえばすっかり忘れてたんだけど孝司クンは?」
「アイツは、佑樹先輩と2階に居ますよ。」
「はぁ!?それ早く言えや‼何処で部長見つけたんや?そんで大丈夫なんか?」
「ウニョウニョとねぇちゃん達が消えたら代わりに何処からか急に倒れて出てきたんです。一応何も変な所はなかったと思いますよ。そして、何をしても起きないのでそこに置いてねぇちゃん達を探しに行こうって孝司に言ったら…もう怖いし動きたくないとか言い出して。面倒だったんで佑樹先輩と一緒にここにいろって言ってオレだけで探してました。」
「孝司…」
光クン言いたいことはなんとなくわかります。
孝司クンヘタレ過ぎ‼しかも、それって死亡フラグ?
まだ私が死んでないから次の犠牲者は出ないはず…大丈夫だよね??
「置いていくなら味塩おいて行けとかまたうるさかったんで渡して来たんですけど…取りにいったほうがいいですか?」
「えっ?海斗クン達が味塩持ってたの?ミツル先輩じゃなくて?」
「?何言ってる「まぁ、部長見つかったんやし!あとは杏先輩をどうにかしてここから出るってことやな。」
光クンが何故か海斗クンの言葉を遮って話し出した。
怪訝に思って光クンを見てみるとものすっごい表情で睨み付けられました。
なんでーーー!?別に大したこと話してないのにーーーー‼
この話をもうするなってことですよね?たぶん?
わかりましたからもう睨まないで‼
「簡単に言ってるけどすごく難しいと思うよ。だって杏先輩、トラウマになりそうなくらい怖かったから。私はもう出会いたくないぐらいなんだけど。」
話を代えると光クンは普通の顔に戻った。
よかったぁぁぁぁ。
「……あれでトラウマになっていないとかお前神経が図太いやろ。大丈夫や。」
「先輩さっきの話でなんかオレダメな事いいました?」
海斗クンーーー‼せっかく話題代えたのにーーー‼
なんでまた聞いちゃうの!?
「……あぁン?なんの事や?」
ほらやっぱりさっきの話題はダメなんだよ!
そっとしとこうよ!
こんな所で喧嘩になったらどうしよう…。
ミツル先輩もいないし誰にも止められない!
ハラハラと両者を見るしかない…。
「さっきの話、途中で遮ったじゃないですか。なんか嫌な事でも言ってしまったかなと思って。それなら謝ります。そして、後から何か言われても困るので何かあるんでしたら今お願いします。」
しばらく光クンは海斗クンをジッと睨み付けていたけどフッと息をついた。
「なーんもない。あの話題は俺に都合悪かったし話をぶったぎったんや。お前は悪くない。でも、その話は無しや。」
苦笑いをしながらそう話す光クン。
「わかりました。もうこの話はしません。」
「…お前もやぞ?」
「はい!わかりました!」
そんな怖い顔しなくても絶対に話しません!
触らぬ神に祟りなし。
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森戸七海
服装:ジャケット Tシャツ デニム スニーカー
装備:ペンライト
持ち物:メモ張 ペン ハンカチ ティッシュ ペンライト 塩(手のひらサイズ)
内山光
服装:デニムツナギ(風神雷神の刺繍入り)尖った靴
装備:懐中電灯
持ち物:味塩(瓶) 味塩(詰め替え用) メリケンサック小(威力小) 携帯催涙スプレー ポケベル
奥田海斗
服装:パーカー Tシャツ チノパン スニーカー
装備:懐中電灯 ポシエット
持ち物:ウェットティッシュ(コンビニで貰った物) ペン メモ張 ティッシュ ポケベル ボイスレコーダー 使い捨てカメラ