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独り歩き  作者: 殿邑誠
無効坂高校、入学

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50/50

黒谷と刀をぶつけながら投了は思考していた。

(僕が身体に書き込んだ術式は速度強化系が56、肉体強化系が32、防御系が48の合計136。しかし、これまでの動きで83の術式を使ってしまった。残り使える術式は53。

足りない。圧倒的に足りない。また書き込む必要がある)

「考え事に意識が逸らされてるようだな」

黒谷は片手で構えを取り

「虎」

と呟く。

これまでにないほどの至近距離で放たれた虎。

行動は一瞬だった。

投了は瞬間的に腕に力を込め黒谷の炎の剣を押し返す。

フリーになった投了の刀。

その刀で虎を真っ二つにする。

黒谷はさらなる刀の攻撃を恐れ投了と距離をとる。

先刻の投了の動作にも肉体強化系が2、速度強化系が3ほど消費されている。

端的に言えば、時間がない。

残り48の術式がなくなってしまえば勝敗はついてしまう。

どこかで術式を書かなければならない。

しかし黒谷相手にその隙はほとんどない。

千頭絵投了、彼はここで勝負に出た。

ここで48の術式を使い切り黒谷にぶつかる。

ここで黒谷の心臓に刃を突き刺し、殺すことができれば投了は勝つ。

投了は構えを取る。

全身に気を巡らせる。

その異様な気配に黒谷も勘づく。

理論的な根拠はない、だが、ここで全て出し切るつもりだと、勘づく。

それを踏まえて出した黒谷の結論、それは、

真っ向から迎え撃つことであった。

避けようとして無防備な姿で攻撃を喰らうよりも、真正面から技をぶつけ、技の威力を消し去り、その後無防備な投了を殺す。

両者の作戦は、どちらとも成功しり得る作戦であり、成功したら相手を必ず殺せる作戦。

数秒後、どちらかの作戦は成功し、どちらかの作戦は失敗する。

それは両者ともに理解している。

理解しながら、彼らは自らの作戦を成功を疑わない。

疑いは迷いを呼び、その迷いは攻撃の力を弱める。

片方は傷つけられた友のために、片方は自らが築き上げたプライドのために、

相手を必ず殺す。

その決意が、文字通りその技を必殺技たらしめる。

両者はそれら全てを飲み込み、動く。

地面が割れるような爆音と共に、切先を黒谷に向ける突きの構えで千頭絵投了が踏み出した。

その一歩は常人の一歩とは比にならない速さと威力を持っていた。

黒谷はその姿を一目見て確信した、

全ての術式を同時発動していると。

黒谷はそれに応じるように技を放つ。

蛇でも虎でもない。

これまでとは比べ物にならない"それ"を…


「龍」


黒谷の手から、腕から、身体から、全身から、炎が吹き出す。

その炎は龍の姿になり投了と激突する。

衝撃派がグラウンドに響く。

衝突によって龍と投了の動きが止まる。

しかし勢いが失われたわけではない。

どちらかが消えればぶつかる前の勢いで突進してくることだろう。

しかし投了の身体に書かれている術式は段々と消費されている。

時間がない。

後少し、後少し、もう一歩踏み出すことかできれば、目の前の龍に風穴を開け黒谷を殺すことができるはずなのに、投了は龍に押し負けそうになっていた。


(勝てない、強すぎる!蛇や虎よりも早く威力が強い!こんな化け物に!勝てるわけがない!)


迷い、疑いがなかった投了の頭の中は迷いと疑いに満ち始めていた。

しかし、


「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」


投了の口から飛び出す咆哮。

それは憎き黒谷に倒された土岡を想い飛び出した咆哮だったのかもしれない。


(なんだ?ヤツの勢いが…)


自らを鼓舞するための咆哮だったのかもしれない。


(俺の龍より…)


この状況で確かなのは、


(強くなっている?)


投了が成長したということだけ。


瞬間、投了は咆哮と共に一歩踏み出し、その勢いで蛇を貫く。

もはや止まらない。

勢いそのままに、黒谷の目の前まで近づく。

その勢いに気圧され、黒谷の身体は後ろに倒れ始める。

明らかなチャンス。

それを投了が見逃すはずはない。

投了が持つ刀の切先、それが、黒谷の心臓を狙う。


油断はない。

全て出し切った。


        バァぁ!


という音が投了の耳に届く。

投了はこの音を知っている。

ほのかな火薬の匂い。

それも投了の鼻に届く。

そして、それも知っている。


その匂いは、黒谷の靴に忍んでいる、火薬が爆発した時のものだった。


黒谷の身体が浮く。


切先は黒谷に突き刺さった。



しかしそれは、


()()()()()()()()()()()()


「残念」



黒谷は呟く



「悪くなかった」


それは、命をかけて戦った相手に送る、最大限の賞賛。


黒谷の右手は投了の方に触れる。



「死ね」


黒谷の手から伝わる熱が、投了の身体を燃やす。

これまでにない火力で、火葬のように、投了の身体を一瞬で灰にする。


グラウンドに立っていたのは、グラウンドに存在しているのは



黒谷、たった1人だけであった。

最近投稿投稿できず、すみませんでした。

高校に入り、体調不良や部活動が忙しく投稿することができませんでした。

高校に入り、自分の小説と向き合う機会があり、そこでしっかり自分の小説を読んでみました。

このままではいけない。

そう感じました。

突然のことで申し訳ありません。


今回で独り歩きは最終回になります。


しかし、まだ終わりではありません。


また世界設定、キャラ設定を練り直し、新しい独り歩きを投稿するときがくると思います。


その時はどうぞよろしくお願いします。

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