表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
独り歩き  作者: 殿邑誠
涙の別れ、つまり卒業式

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/50

写真撮ろうぜ!

「じゃあ6組集まれー!」

卒業式は無事に終わった。

いや無事ではなかった。

合唱が終わって退場かと思ったら何故か僕たち生徒にだけ秘密で用意されていたプログラムが開始した。

急に全先生方が組体操を披露してくれた。

校長先生から事務の先生まで、全ての先生がド派手に組体操を披露してくれた。

その間、僕たちは冷たい体育館の床やら用意された無機物な雛壇にお尻をつけて見ていたのだ。

お尻が痛くて痛くて感動の涙を流している人物は1人もいなかった。

親の中にはどうやら僕たち生徒のことを全然考えていない親もいるらしく感動で涙を流している人もいたが、ほとんどの人は嫌な顔をしていた。

当然である。

30分もやられたらさすがに嫌気がさす。

盛り上げようと声を上げた男子たちはなぜか教頭先生に睨まれて黙らされていた。

とんでもない自己満足だ。

許せない。

離任式になんて行かないからな!

さて、そんな卒業式を終えた僕たち生徒はグラウンドに集まっていた。

ここで生徒やら先生やらとお別れを言うのだ。

結構みんな顔に疲れが見える。

そんな中、僕たち3年6組は担任の先生への感謝をみんなで集まって言おうとなり、クラスメイト全員が担任の先生を囲うように集まっていた。

「先生!一年間!ありがとうございました!」

「ありがとうございました!」

学級委員に続き僕たちもお礼を言う。

「こちらこそだぞ!」

先生が言う。

こっからはなんか先生が有り難いお言葉を僕たちに与えてくれたけれどもそれはいいだろう。

そこからは全員、各々やりたいことをやっていた。

主にみんな写真を撮っていた。

ふぅむ、僕はどうしたものか。

「投了」

後ろから声をかけられる。

「卒業おめでとう」

「父さん」

そこには僕の2倍ほどありそうな大男がいた。

千頭絵投降(とうこう)

僕の父親にして、千頭絵家次代当主だ。

「みんな写真を撮っているようだな、どれ、俺が撮ってやろう」

「ありがとう父さん」

お礼は言ったものの、どうしたものか。

輪は…女子グループときゃあきゃあしてる。

土岡は…多摩湖さんとイチャイチャしてる。

他の男子友達は…ボタン交換会か。

どうしたものか。

あ、ちょうどいい人物がいた。

「校長先生!写真撮ってください!」

僕は校長先生に駆け寄る。

「おぉ、千頭絵くん、いいですよ」

「ありがとうございます。父さんお願い」

「あ、あぁ、わかった」

本当に校長先生でいいのか?みたいな顔をしている。

まぁいいだろう。

父さんはカメラを構える。

おそらくデジイチとか呼ばれてるやつだ。

そこらへんはよくわからんが。

僕はこの調子で先生方と写真を撮って思い出話をして時間を潰していった。

校長先生、担任の先生、国語の先生、学年主任、部活の顧問。

ありがとうございます先生。

先生のことは忘れません。

とかそんなことで時間を潰していると、土岡が話しかけてきた。

「写真撮ろうぜ!」

いやお前が言うのかよ。

「こんにちは、投了くん」

土岡の横にいる体格のいい、良すぎる人が挨拶をしてくれた。

土岡真志。

国家機動部隊ー9『手遅れ』の隊長。

「お久しぶりです、真志さん」

真志さんは僕に笑いかけてから、僕の周りを見る。

「あれ?投降さんはどこに?」

「え?」

僕は周りを見る。

どこにもいない。

めんどくさくなって帰りやがったな。

「すみません、少し面倒な性格をしてるもので」

「あぁ、なるほど、それは知ってるよ。そうだね、確かに面倒な…あ、これを言ってはいけないんだったね」

失敬失敬、と笑っていた。

「じゃあ写真を撮ろうか。隼さんちはどうする?」

「まずは野郎2人だろ」

「はいはい、わかったよ」

僕と土岡は肩を組み、真志さんに向けて親指を立てる動作をする。

「撮るよーはいっチーズ!」

パシャッ!と音がなる。

いい思い出だ。

「とうくーん!」

女子グループから抜け出してきたであろう輪が僕たちに向かって走ってくる。

「写真撮ろう!」

「走ると危ないよ」

後ろから巡さんが歩いてくる。

「久しぶりだね」

巡さんは僕に向かって笑いかける。

「やぁ、巡くん、久しぶりだね」

真志さんがそういうと、正志と真志さんが同時に頭を少し下げる。

「お久しぶりです、土岡さん」

巡さんは真志さんにむけて少し頭を下げた。

「君を勧誘した以来かな?」

「そうですね」

「どうだい?心境に変化は?」

「非常にありがたいことではありますが、受けることはできません」

「そうか、まぁ少しでも気持ちに変化があったら言ってくれ、君がいれば危険団体殲滅の大きな助けになるだろうからね」

「そんなことより、写真撮ろう!」

土岡が言った。

「そうだね、多摩湖さんはいいの?」

「さっき撮った」

「私もさっき撮ってもらったよ」

あぁ、僕だけってわけね。

まぁこの中だと1番関係が薄いから納得できることではある。

「じゃあ、そこに3人で立って、ここを見てね」

真志さんがカメラを構える。

「はい、チーズ!」


さて、千頭絵投了たちの楽しい中学校生活はこれで終わりである。

じゃあこの話の本題に行こう。

無効坂高校に入学してもらおうじゃないか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ