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独り歩き  作者: 殿邑誠
涙の別れ、つまり卒業式

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39/50

卒業

小俣小町の話はこれで終わらない。

日本にとってはこっちの方が重要だ。

結論から言おう。

小俣小町は脱獄した。

月皆くんとは違って脱獄したのだ。

さらに言えば、伊藤天とは違い外部からの助けもなしに脱獄した。

小俣小町が収容されていたのはサイト18。

小俣小町は収容され手荷物検査等を受け、気抑制装置、超常力抑制装置をつけられた状態で収容されていた。

脱獄したのは収容されてから3日後。

監視カメラの映像によると、突然気の抑制装置と超常力抑制装置がバァン!という音共に壊れたのだ。

それからは一瞬だった。

ドォン!という音の連続。

壁は破壊され、その時警護を担当していた国家機動部隊−7『出会い(であい)』は制圧された。

その後、小俣はゆっくりとした足取りでサイト18を後にした。

全く、僕たちが必死に捕まえたというのに簡単に逃がしやがって許せねぇぜ!とは言えない。

僕と国家機動部隊の皆様でしっかり殺処分を要求したがダメだった。

どうしても情報を小俣から抜き取りたいというのが国の主張だった。

相手の戦力を削るチャンスだったのにそれを逃したのだ。

許せねぇぜ日本!

さて、次の話に…

「卒業生、起立!」

僕たちは立ち上がる。

「移動!」

その言葉と共に前の列から段々とステージの方に移動する。

もう合唱の時間というわけだ。

卒業生全員が移動すると、親御さんと向かい合うような形になった。

元生徒会長の生徒が頬を涙で濡らすような素晴らしい別れの言葉を言っている。

この後僕たちは卒業合唱をする。

それで退場して終わり。

つまり、卒業だ。

あぁ、涙が流れてきそうで流れない。

小俣小町と月皆の思い出になんて浸るんじゃなかった。

「僕たちの合唱を」

「「聞いてください」」

その声と共に指揮者が前に出る。

歌ったら終わり。

それだけで嬉しいものだ。

さて、では改めて言おう。

今日、僕たちは卒業します!

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