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12話

 ヤバい。ヤバすぎる。何がヤバいって自分の足で帰って来た記憶がない。


 それに時間を見れば10時過ぎてる。..............寝すぎだろ私。


 昨日はしつこい同僚に付き合って飲みにいって...........ん?最初の方から記憶がないんだけど?私ってそんなに最初からとばしてたの!?


「紗耶香さんおはよう。みそ汁あるけど飲む?」


「おはよう陽凪ちゃん。うん、貰うわ」


 今日も陽凪ちゃんはいつも通り。それよりもやっぱり聞かないといけないよね?


「あの、ね?陽凪ちゃん?昨日私ってどうやって帰って来た?」


「どうって.............もちろん私が迎えにいきましたよ」


 ニコーってそれはもう満面の笑みを浮かべて答えてくれる。


「昨日の紗耶香さんはすごっかたなー。舞さんだっけ?その人に肩を貸されてよろよろ歩いてくるんだもん。それに私に会った時『さーちゃん来てくれたんだー』って言ってましたよ?」


「ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!何言ってんのよ昨日の私!!」


「それはそれはもう嬉しい♪って感情ダダ洩れで舞さん少しひいてましたよ?」


「待って!もしかして舞って、気づいてる??」


「さぁ?」


 なにその意味ありげな顔は!?私昨日何言ってたの!?


「そうそう舞さんから伝言です。『悪い虫は追い払っていたから安心してね』だって?何か心あたりあるの?」


「何もないけど...............」


 悪い虫って..........ナンパでもされたの?


「まぁそんなことより、おかえり紗耶香さん」


「..............!ただいま陽凪ちゃん」


 差し出されたみそ汁を受け取ってそう返す。


 二日酔いってほどではないけど若干ボーっとしてるから丁度いいな。


「ところで紗耶香さん至急解決しなければいけないことがあるのですが.............」


「ん?なぁに?」


 なんかそんな問題あったけ?家賃とか光熱費とかは大丈夫だし、昨日の会計も始まる前に舞に渡してあるから大丈夫なんだけどな。


「昨日何時まで飲んだか覚えてますか?」


「10時は過ぎてたよ」


「そう10時は過ぎてました。最寄りの駅に着くころには11時をはるかに超えて、家のついたのは日付が変わった頃でした」


「ふんふん」


「この家から駅までそれなりの距離がありますよね?」


「うん」


「私は未成年ですし男が嫌いとはいえ心も身体も女です」


「そうだね」


「そんな私がどうやって紗耶香さんを迎えに行ったと思います?」


「..............!?もしかして自転車できてくれたの!?」


「なわけあるかぁぁぁ!!どうやって紗耶香さん運ぶのよ!?」


「じゃあ舞が背負ってくれたの?」


「いえいえ」


「じゃあ................」


「ヒントは車です」


「..............もしかしてタクシー?」


「正解です!!正解した紗耶香さんには領収書をプレゼントです!!」


 そうやって渡された領収書には1560円って書かれてた。


「もしかして、これって、陽凪ちゃんが.............?」


「その通りです!!なので今お財布の中が空っぽで悲しいのです」


 はあぁぁぁぁぁ。なんで陽凪ちゃんに払ってもらってるんだろう?そこは酔ってても私がちゃんと払うべきでしょ。気づけ私!!


 一度部屋に戻って財布をもって陽凪ちゃんの所に戻る。


「とりあえず2000円でいい?」


「はい!迷惑料としておつりももらいますね!!」


「迷惑、料?」


 嫌な予感がする。


「はい迷惑料です!!お酒の匂いがプンプンする紗耶香さんに抱き着かれて、離してくれなくて、そのままベッドに連れて行かれて、服を脱がされて、R18指定のことをされかけた迷惑料です!!」


 ...............ほんと何してるんだろう私。追加で3000円プラスして5000円でいいかな?お金で解決しないかもだけど。


「ほんとごめんね。嫌だったよね?」


「別に絶対に嫌!!ってほどじゃないけど、ね?」


 ごめんなさい。その座った目で私を見ないで。さーちゃんを襲った後と全く同じ目してるから。


 とりあえず膝を折って手を前について、いわゆる土下座して謝ろう。


「...................ごめんなさい」


「仕方ないですね、許しましょう」


 顔を上げるとほんとに、しかたないなぁーって顔してる陽凪ちゃんと目が合った。


「あっ!でも............」


 陽凪ちゃんが私の隣にしゃがんで耳かして?って仕草されたから耳をかす。


「そんなに溜まってるならいつでもいいよ?」


「---------!!」


 一気に顔が赤くなった気がする!!


「ひ、陽凪ちゃん!!そ、そんなこと言うんじゃ「ほんとにいいの?」..........っ!」


 くそーー!反論できないのが悔しい!!


 それに陽凪ちゃんに遊ばれてる!?だって陽凪ちゃんの顔ものすっっっっっごくいい顔してるんだもん!!


 .....................落ち着くのよ紗耶香。さすがに恋人の妹に手を出すのはアウトよ。


 私の煩悩よ静まれ!!


「私はいつでもいいんだからね?」


 ほぉーん。まだ言ってきますか.............。少しくらいは仕返してもいいよね?


「そう。じゃあ今から頼もうかな?」


「え!?」


「いつでもいいんだよね?」


「た、たしかに言ったけど!今日はさすがに、ね?」


「そんなの関係ないよ?」


 陽凪ちゃんの腕を掴んでそのまま持ち上げる!


「キャッ!?」


 私力だけは自慢できるんだよー。少しの間ならさーちゃんをお姫様抱っこできたからねー。


「ちょ、ちょっと紗耶香さん!?」


「はいはい暴れないのー。あとで美味しく食べちゃうぞ♪」


「いやーーーーーーーーーー!!!!!」


 そのまま私の部屋に入ってベッドに向かってそっと腕の中にいる陽凪ちゃんを落とす。


「ん----------!!」


 うなってもダメよ。大人をからかうからそうなるんだよ?


 いつの間にか着てたパーカーを脱いで寝間着だけになる。


 そしてそっと陽凪ちゃんに覆いかぶさって................。


「期待した?」


「--------!!紗耶香さんなんて大っ嫌い!!!」


 真っ赤な顔で涙目な陽凪ちゃんは慌てて逃げてく。


 でもよく私耐えられたな。あんな顔されたら襲っちゃいたくなっちゃうじゃない。


 さてさて悪ふざけもここまでにしていつも通り過ごしますか。


 ................この後当分の間私は夜になると陽凪ちゃんに避けられことになるんだけど後悔はない!!

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